【感想文#2】テニプリっていいな『テニスの王子様』
テニプリの偉業って何だと思いますか?
個人的には主に3つあると思っていて、1つは「テニミュの成功」、もう1つは「スポーツ漫画におけるインフレ対処」、そして最後に「スポ根の脱却」。「JASRAC申請中」とか「デカ過ぎんだろ」は面白いけど偉業じゃないです。
テニミュの成功
2.5次元舞台の元祖であるテニミュ、なぜ成功したか、要因の1つとして原作にヒロイン含む女性キャラの出番が少なく、女性読者にウケるイケメンキャラがたくさんいたということが挙げられると思います。それまでもイケメン系のキャラクターが複数登場する作品はあったかとは思いますが(ホイッスルとか)、テニプリほど大量かつキャラが濃いのは歴代初だったんじゃないですかね。知らんけど。
大量のイケメンキャラは舞台化だけでなく、テニプリは『バレキス』や『プルタブと缶』があるようにキャラソン文化にも貢献してますよね。『バレキス』が売れなかったら『クフフのフ』もこの世に存在してないはずです。多分。
あとはバレンタイン文化の定着とかもですかね。バレンタインにファンからキャラクター宛にチョコを送るという文化、いつからあったのかは知らないんですけど、テニプリは単行本にキャラクターが貰ったチョコ数ランキングを掲載していてかなりガッツリやっていた印象があります。
跡部様っているじゃないですか。跡部様はイケメンで財閥の息子で俺様でテニス部部長という少女漫画ヒーロー設定激盛りキャラなんですけど、彼の台詞が「なるほどSUNDAYじゃねーの」「スケスケだぜ」「俺様の美技に酔いな」というように許斐節炸裂していて、キャラ設定がいい塩梅に奇跡的なんですよね。
誕生日にジャンプSQ乗っ取り企画ができてしまうほどに人類から愛されている跡部様、伝説ですよ。。。
弱ペダ、ハイキュー、ダイAのような作品(=恋愛要素が少なく、タイプが異なるイケメンキャラがたくさん登場する作品)が少年誌で連載されるようになったのは、作品完結後も2.5次元舞台として収益を得られた実績のあるテニプリあってこそなんじゃないですかね。だから偉業。
スポーツ漫画におけるインフレ対処
リアルを描くスポーツ漫画において、どうしても試合のネタって尽きちゃいますよね。スラダンとか山王戦で終わってしまったし。テニプリは現実味を捨てることで選手のインフレ化のリミッターを外し、全国大会優勝まで新鮮な試合を我々に届けてくれました。それが偉業です。
今でこそイナイレや黒バスといった超次元スポーツ作品はいくつかありますが、もはや人間技ではないテニスこと「テニヌ」を経験したことのある我々にとっては普通に受け入れられてるかと思います。フィクションに対するぶっ飛び展開の耐性を着けてくれた、それも偉業です。
血は流れるし五感は奪われるし分身するし、でもそれがテニプリ。
「守りのエキスパート大石を軸に あえて菊丸を分身させて後ろにすえる」←でもこれは何を言ってるかわからない。
スポ根の脱却
テニプリの主人公はクール(?)で無口(?)で生意気で帰国子女で特訓とかしなくても登場前から最強で最高のリョーマくんです。
リョーマくんの所属する学校は元名門校でも常勝校でも無名校でもない、そこそこな名門校ですし、実力のある人格者な先輩たちに囲まれ入部当初からレギュラーメンバーという、取り巻く環境も順調なリョーマくん。
泥臭い練習風景場面も全く描かれず、「友情・努力・勝利」をスローガンとして掲げるジャンプとは相反しそうな作風ですが、テニプリはそうじゃなくても売れるんだよ!というひとつの指標を示した作品になったのではないでしょうか。
主人公がリョーマくんじゃなかったらこんなにハマってないと思います。颯爽と勝ち続けるリョーマくんがかっこよくて大好き。。。
まとめ
推しCP:リョ受け全般
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