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焼畑マネジメント ; 航海日誌 No10

 記; QC星人
航海日誌; 西暦2022年03月27日
 
海外赴任の初期は、日本語が出来るのに日本語を使わないスタッフの存在に気づかなかった。その為、片言の英語+現地語+日本語のMIX言語で会話をしていた。

そんな中、突然、日本語を話しだすスタッフに驚かされると、日本語を使わない理由を質問した。すると、お決まりの感じで、信用した人にしか日本語は使わないとのニュアンスの回答が来た。強烈な印象としては、日本人は信用出来ないとの回答もあった。
彼ら彼女らに共通していたのは、前任者より通訳を入れる頻度が少なかった点と、不具合を全て顕在化する指示をした事に好感を持ってくれた事だった。

同じ業務をしていると感覚で理解される事もあるし、重要案件だと思うとスタッフから通訳を呼ぶようにもなり、片言でも困ったのは最初の数か月だけだった。むしろ、直接の1対1を基本とした事で、業務への協力姿勢が増した。

結果として、駐在期間で困った事は、前任者が黙って放置していた案件の数々だった。日本の評価を得るのを優先していた為だろう。帰任後、その前任者が、国内業務での後任に対して、問題とは発生時の者に責任は無く、発覚時の者に責任があると説明しているのを見てしまい、裏付けまで取れてしまった。
こんな異動後の部署を荒れ野にして去る業務管理に、“焼畑” が重なった。
 
帰任後、海外スタッフとの業務でも、英文や、中文で直接連絡を取る事とした。英文、中文、日文の併記だと文章が長くなるので、日文は外す。この時の資料やメールには、現地駐在員も当然CCで加える。そこから解った事もある。

同じ業務関係者であれば、今時はネット翻訳の数秒だけで、中文も英文も事が足りる。処が、この数秒に、忙しいから日文も欲しいとの苦情が来るが、本音は別だろう。実際には、スタッフしか動いてないのは、彼ら彼女らの反応で解ってしまう。更には、普段も日本語重視、通訳重視なのだろう。中華圏スタッフからは、ネット翻訳の日本文で駐在なのに現地を見てない。英語圏でも漢字で、あいつは馬鹿野郎!などのコメントが来る。小生の前任者と同じで、働いてくれるスタッフより、日本の評価に重きを置くのだろう。スタッフも、査定があるので、本音を言う事は少ない。焼かれない為かもしれない。
 
駐在時、ネイティブ並みに現地語を使う日本人の方がいた。日本人は、現地の事より帰任後を優先するから、3~5年で帰る長期滞在の客と思って相手をすればよい。とスタッフ間で言っている事を教えられた。
これもまた、長年継続された焼畑の結果だろう。
 
近頃、昔の仕事仲間が、コロナ禍不況での人工削減に品質への懸念を上申し続けていた。処が、部課長が生返事をしている間に、顧客クレームが発生。責任を追及された為、だから上申し続けていた!と指摘した処、言い訳だ!との撫で斬りを受けていた。これも部課長による焼畑だろうが、同時にSpin-off投稿No3ルーク係長を思い出してしまった。
 
焼畑により、上には、結果は出しているのだろうが、部下の心や、会社の将来には、どうなのだろうか?
こんな業務管理をマネジメントと呼べるのか、小生には解らないが、名づけるならば、焼畑マネジメントだろう。

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