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品質ジェダイの帰還?!/ 品質☆妄想 Spin-Off 3

《近頃、すごく身近な日系企業の工場で、、、、T社向け新規部品でのリコール対応が最終局面を向かえ、誰の責任として、社長に報告するかを決めるだけとなっていた。。。。》
 
 
【誰の所為なの決める会議 ; 参加者】
  •品質管理ベイダー部長
    (会議の主催者)
  •品質管理ルーク係長
    (顧客とのリコール打合せ担当者)
  •パルパティーン品質役員兼工場長
    (社長への報告のため同席)
  •生産技術デススター課長
    (工程設計責任者)
  •製造クローン部隊課長
    (不具合発生ライン担当責任者)
 
 
【Tier1サプライヤー会議室】
 <品管ベイダー部長>
T社向け新規部品でリコールになった安全に関わる重大不具合は、ルール違反をした作業者の責任でよいのかな?
 <生技デススター課長>
その通りです。作業者Aが悪いのです。
 <製造クローン部隊課長>
  - 。。。。 -
 <パルパティーン品質役員>
  - 無表情 -
 <品管ベイダー部長>
全員、同じ見解なようだな。集まって貰うほどでもなかったか。
 <品管ルーク係長>
どうですかね?そもそも、あのように誤判定の多い検査装置を、作業者ルールに任せた工程設計にこそ問題があったと思います。
 <クロ課長>
あの検査工程を引き受けた我々製造部門の落ち度だが、そう言って貰えると助かる。。。。量産品として、新規部品を顧客に出荷する期日もあったので、、、、
 <デス課長>
そう言う事、あの工程設計を引き受けた製造部門の問題だよ。クロ課長の責任ではないが、作業者Aのルール違反が原因であり、責任だ!ルークが、T社に報告した資料でも、作業者の検査ルール違反が書かれていたではないか。
  - 部課長以上や部門責任では、量産化準備のノーマネージで、複数人の部課長への連座責任に波及する可能性もある。 -
 <クロ課長>
  - デススターが、俺の責任を問う気がないのであれば、この会議は静観でもよいな -
 <ルーク >
  - ん?またか?プロセス管理からの逸脱だ。ブ~ンとIATF16949(※1)の本からライトセーバーの光がのびる音 -
話がズレましたよ。工程設計プロセスが悪いとの説明をさせて頂いたつもりです。最初から検査装置の精度が悪いのだから、工程設計プロセスの不備であり、作業者Aの責任では無いと考えます。MSA(※2)の実施結果も無いようです。
 <ベイダー>
原因調査対策を、T社に報告協議し、矢面に立たされた君が、その見解を出すのかね?
  - コシュー、何か呼吸音のような音がした -
 <ルーク >
T社向けでは、会社の立場なども含め諸々考慮しています。工程設計が悪いとの報告では、横展開など、他への影響が大き過ぎます。ベイダー部長、それに私たちは、QMSを司る部門でもあります。その基となっているISO9001&IATF16949では、プロセス管理・プロセスアプローチが基本です。だから、社内では客観的に真の原因への再発防止への道筋を言わせて貰います。
 <ベイダー>
  - このT社向け新規部品の量産開始を品質面から承認をしたのは、私だ。コシューシューと呼吸音をさせた後、ブ~ンと音がした -
ルーク係長、君は、私の直属の部下だぞ。作業者Aの責任だ。君以外は、この場の全員が思っているぞ。賛同しなさい。
 <ルーク >
IATF16949認定書が掲示されている会議室で、私を取り込むのですか?部長!
  - ブ~ン、ブン、ブン -
 <ベイダー>
IATFなんぞ商売上、認証登録証さえ有れば充分、認証ビジネスでしかない。そんなライトセーバー(IATF16949)なんぞは下げて、こちらに合わせろ、君は頭が良い、損得勘定だよ。シス(ノーマネージ)のダークパワー(我欲)に従え!
 <ルーク >
ベイダー部長、、、、私が入社した当時、係長だった部長は、他部署や、上司に是非基準で判断され、行動していた。良いのですか、これで?
 <パル役員>
  - ガタッと椅子の動く音がし、終始黙っていたパルパティーン品質役員兼工場長が、立ち上がった -
上司の業務命令には、従うべきだ。そもそも資源の無い国から、世界市場で我社のように勝ち続けるには、シスのブラック体質維持しかない。役員や部課長への忖度も出来ない輩は、子会社への栄転もありぞ。解らんか~!
  - バリバリバリ~と品質役員の指からフォースライトニング(パワハラパワー)の稲妻が、ほと走った -
 <ルーク >
  - ブーン、ブン、ブン、稲妻を弾きかえすべくライトセーバーをふった -
IATF16949は、5.1.1.1企業責任への要求事項に、企業責任方針を定め、実施しなければならない!贈賄防止方針、従業員行動規範及び倫理的な上申方針、そこには内部告発方針も含める、と明記されている。それも我々、品質ジェダイが守るべきライトセーバーの技の1つです。
 <パル役員>
べーダーが、まだ生産技術部門の担当者だった時に、設備立上げで失敗して会社に大きな損害を与えたのを救い、品質部門に異動させたのは私だよ。それなのに、最初は、今のお前のように会社の為とか、小五月蠅く正義面していたが、元は私直属の生産技術部門だから、昇進との引き換えで取り込んだ。部長にも家族がいるのだよ、世間体もある。
 <ルーク >
元生産技術部門の人達で、会社を牛耳っている話は聞いた事がある。今回の検査装置も精度の低いのを承知で、安物を業者と手配して、作業者に困難なルールを押し付けたとの噂も聞いた。品質や、工程設計プロセスより、収益優先。しかし、これじゃ、作業者Aや、会社のコンプライアス、5.1.1.1 企業責任は?
 <ベイダー>
  - ルークに手を差し伸べる仕草をしたベイダー部長 -
ルークよ、こちら側に来い、パルパティーン役員もお前の将来を約束してくれる。今は品管の課長職が空席だ。
 <ルーク >
それは、ISO9001 7.1.4プロセスの運用に関する環境のa)社会的要因、b)心理的要因に絡めたストレス軽減対策でのお誘いのつもりですか?そうは聞こえないのですが、、、、、
 <パル役員>
サラリーマンだからな、自分が思った通りの仕事をしたいなら、出世した後だけだ!その7.1.4の末文からは、製品やサービスによっては、適合への環境要因は色々あるから各社自分で考えよ!とも読み取れる内容ぞ!ダークパワー(パワハラ)に従え!
  - フォースライトニング、バ~リ・バリバリ~ -
 <デス課長>
決まったな。ニヤッ
 <ルーク >
ベイダー部長~!品質ジェダイの志を取り戻して下さい。シス奥義、このフォースライトニングは、7.1.4を曲解し、5.1.1.1への逸脱、、、、い、意識が薄れ、、、、
 <ベイダー>
  - 。。。。 パルパティーン役員兼工場長とルークの双方に眼を動かし、見やるベーダー -
 <ルーク >
  - 会議室の窓から、ルークの眼に夕日が射し込んだのか、左の瞳が金色になった -
 <パル役員>
黙れ小僧、そんなに子会社に栄転したいか!ベイダー部長!こやつを同意させい、取り込め!
  - バリバリバリ~フォースライトニングの稲妻が嵐のように会議室に迸った -
 <ベイダー>
  - ブーン、、、、 -
 <ルーク >
  - この音は、パワハラ・ライトセーバーか?IATF・ライトセーバーか?もはやルークには判断が出来なかった。 -



バサッと音がして、ルーク係長の手からIATF16949の本(ライトセーバー)が会議室の床に落ちる音がした。


少しの間が空き、そのライトセーバーにのびる手があった、、、、



※1 ; 自動車産業むけQMS(品質マネジメントシステム)規格書。ISO9001を基に、具体的な要求事項をプラスαすることで、2016年に制定された国際規格。(TS16949改訂版)

※2 ; Measurement System Analysis の略称。単なる計測機器の校正に留まらず、製品や、計測者のバラつきなども含めた測定の妥当性を検証する為の手法であり、5つあるコアツールの1つ。

注記 ; 似た話題を身近で経験した方がいるかもしれませんが、この物語は、全て架空のフィクションです。

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