救われないこどもたち

救われなかったこどもたちの行く末は、あまりにも残酷だ。

そもそも何から救われなかったのか、何があったのか、こどものころにこどもの人生を破壊するのは、大人である。

ここで言うこどもとは、自らで考えることができなかった人間のことをいう。

決して年齢のことではない。

救われないこどもたちは、幼少から自ら考える機会を大人に破壊され、反抗期に反抗せず、まるでいい子のように育つ。

こどもたちは、いい子になりたかっただけなのだ。

こどもたちは悪いことを悪いと言えない。良いことも良いと言えない。

こどもたちは孤独である。自我がないから、つまらないから。

こどもたちは大人と言われる年齢になる。

大人はいろいろ求められる。こどもたちは頑張る。何がそうさせるのか分からない。そこに自我があるのかすらも分からない。

いい子になりたい。誰か、もう一度認めて。

そうして、救われなかったこどもたちは大人になり、救われないこどもたちを再生産する。

どうすればいいかわからない。
間違っていることを間違っていると言えない。
感情の歯止めのきかせ方が分からない。

誰か、楽な息の仕方を教えて。

なんて、私は再生産された子供と手をつなぐ。

永遠に子供のままでいたい。大人になんてなりたくなくて、子供のままきらきらを抱え込んで、ちょっとセンセーショナルに時代に名を残して、子供のまま死ぬのに憧れてる。

自分が生きた爪痕を残したいのに、若いうちに死にたいなんて難しいよ。私は大器晩成型なんだと幾度となく未来予知してきた占い師に言われた。

占いなんて、未来予知なんて、胡散臭くて嘘くさくて最悪だって思ってたから占い師には嘘の情報を教えたりした。それなのに嘘は見破られるし、現実はあんまりにも強引に変化して予知されたように動いていった。

大器晩成なんて最悪だ。だって、誰も逆らえない老いの恐怖と戦わなければいけないのだから。老いて行くのにいつ結果がでるのか分からないなんて最悪だ。せめて爪痕を残す時、人の記憶の中では綺麗でいたいのに、それすら叶わないなんて。

かつて救われないこどもたちだった大人は救われないこどもたちを再生産して、醜く老いていた。なーんにも成長していない。ただただ、時間に逆らえず老いていった大人たちは、こどもたちを残して死んでいく。

そのチープなループを家系だって誇らしげに捧げてる。

なんだっていうんだ、そんなもの。絶やしてしまったほうがよっぽど生産的だなんて、思っちゃうのは罪なのかな。

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