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コロナ前のヨーロッパが僕をカメラマンにした (2)

僕の友人がヨーロッパで比較的住みやすいのはロンドンだろう、メシがまずいという一点を除いて。と言っていたがやはりそれは間違いではないだろう。

ヨーロッパの中でも多くの人種が住み、さらに多様な文化を受け入れる土壌があるロンドンは老若男女、場所もSohoから外れの倉庫まで、自分の都を作って住んでいる多くの人と出会えた。

憧れのサヴィル・ロウにもテート・美術館にも行けた。

そしてパリに向かう。こんなにワクワクと不安が入り混じった興奮を感じたのは久々だった。

そんな気持ちを助長するかのように、ちょっとしたシレンが僕を襲った。Euro Star (EU園内を走る新幹線)のチケット代をケチり、颯爽とロンドンからパリへの夜行バス(1300円ほど)に乗った僕は、太ったとてもお世辞にはいい匂いと言えない男の隣で身を縮こめながら、今か今かと到着を待つこととなった。次はバスには絶対に乗らねーとココロに誓いながら。

もう限界だと思い続けて10時間ほど。

パリに到着した。

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友人が迎えにきてくれた。

ここ数年で一番ホッとした瞬間だったかもしれない。

アパートに向かい、少し食事をとり、街を散策した。

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見るもの全てが新しく、横には数年越しに会う友人がいる。

話すことは尽きず、見るもの全てに反応してしまうので最初は常に興奮状態だっただろう。

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やはり初めてなので、The パリというところは見ておいた。

火事で再建中のノートルダム大聖堂。

ニュースでしか見たことがなかったので感慨深い気持ちになった。

三島由紀夫の「金閣寺」を思い出した。

「金閣が焼けたら……、金閣が焼けたら、こいつらの世界は変貌し、生活の金科玉条はくつがえされ、列車時刻表は混乱し、こいつらの法律は無効になるだろう。」

混沌の時代の始まりを示唆するかのような出来事だった。

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パリにいると退屈なのもいいなと思えてくる。

どこにいても歴史を感じることができる。

映画「ミッドナイトインパリ」みたいにタイムスリップしちゃったり、、ってそれはあの映画の主人公と同じでロマンスを抱きすぎか。

続く

K

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