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ライオンは腹が減ってなければ、目の前にご馳走が歩いていても目にはくれない

太古からの教え

わたしはライフハック系の本が好きで歯磨きのごとくに隙間時間を使って読み込むことが習慣化されている。

そんな愛すべき本たちをアウトプットして共有することで、自分もそしてこれを読む人もお互いに学びを深めることが出来る。
加えて、それを実践へ繋げるための架け橋となりたいという思いから、時折、要約することとしている。

たかが3分といえども世界の見え方は充分に変わり得る。

わたしは「食」は自分への投資であると考えている。
その食に対する認識が変わるだけで、自分自身をノーリスク・ハイリターンな安定、安心、超優良な投資先へと変貌を遂げることが可能となる。

「食」とは、ウェルネスなポートフォリオを作る上での重要項目のひとつである。

そんなウェルネスな示唆で満載なのが、書籍『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木厚/アスコム)である。

かなり話題になったので知っている人も多いと思う。

誰でもが多かれ少なかれ、

できれば老化を食い止めたい

いつまでも、若々しくいたい

健康でいたい

孫と元気に遊びたい

などといった希望があると思う。

誰も健康なんていらないなんて考えの人はいないのではないだろうか?

書籍で書かれていることは、古代に遡ると、哲学者のアリストテレスやソクラテス、プラトンなどといった名だたる知の巨人たちも実践していた由緒あるものなのである。

この本で紹介されているのは、昔から実践されてきている〝究極のアンチエイジング〟なのである。

このメソッドは思い立ったその日から、その場で実践できる。
そして、ジムに行ったり、高いサプリメントを買ったり、テレビなどで流れてくるダイエットのための高い器具を買ったりする必要もない。
お金なんてかからないし、細かいルールにも縛られなくていい。

試してみて、損は全くないのではないだろうか?

やってみて、体質的に合わなければやめればいいだけの話である。

ジムみたいに入会金や月会費なんてものはかからないし、どこかに出向く必要もなしである。

健康のために、何かを新しく足し算思考で始めるのではなく、今まで何も考えずに習慣で行っていた事をただ、「やめる」だけである。

つまりは、

食べない時間(空腹の時間)を作る

だけ。

要は断食(ファスティング)である。
間欠的に食べない時間を意識して設けようよというのが書籍の言わんとしていることである。

素朴な質問であるが、

「普段1日に何回、食事をとっているだろうか?」

「そもそも、1日に何回食事をとるのが健康にいいと思っているだろうか?」

おそらく、1日に3回、食事をとっている、3回、食事をとるのが世間の常識だし、健康に寄与するものだと思っている人が多いと思う。

しかし、1日に3回の食事をとる事に確固たるエビデンスはないのだという。

もともとは1日2食だったのが、諸説あるものの、江戸時代頃から1日3食が定着したそうであるから、歴史的にいうと、ごく最近に始まったものなのである。

そして、現代人は普通に生活をしているだけで、「食べすぎ」の状態に陥りやすく、それが万病の元、そして老化の原因にもなる。

自然界の生物は、お腹が空いたら必死に狩りをし、それが済んで空腹が満たされれば、目の前に美味しそうなご馳走があろうが、素知らぬ顔である。
ライオンなどの肉食動物なんかもドキュメンタリーを見ると、お腹が空いたら、狩猟モードが発動し、死に物狂いで狩りをする。
そして、狩りが成功し、お腹が満ちればあとはのんびりモードへと切り替わる。

これがごくごく自然の流れであるが、わたしたち人間は空腹を満たすだけでは飽きたらず、お腹が空いてなくても、満たされない欲求に操られているかのごとくに、1日に3回では足りずにそれ以上を通常の食事と間食で摂取している。

そんな現代では、何も考えずによかれと思って1日3食を食べてるだけで、糖尿病や高脂血症、高血圧、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳卒中、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、そしてガンといった生活習慣病の発症のリスクが格段に高くなるのである。

これは会社で言えば、毎日朝早くから終電ギリギリまで働いて、土日も関係なく仕事や接待でカラダを酷使し、自分を追い込むようなことを、自分の内臓にさせているようなものである。
1日3回食べて、その上でその合間に間食もしているような人はまさにブラック企業的な体質を自分のカラダに強いている。

1日3食をやめ、体に休息を与えるように、内臓にも休息を与える必要があるのである。

奇跡のメカニズム

意識的に食べない時間を作ることで、近年注目されている〝オートファジー〟という作用が働くことも期待できるのである。

オートファジーとは、

細胞内の古くなったたんぱく質が、新しく作り替えられる

という作用で、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活発化するといわれている。

つまり、オートファジーにより、細胞が生まれ変わり、それにより、不要なものや老廃物が一掃され、体のさまざま機能が活性化し、病気になりにくく、若々しくなる。

お腹を空かすだけで、身体の中で、奇跡が起こるである。

筆者は、これまで内科医として、血糖値のコントロールに苦しんでいる糖尿病の患者たちの治療にあたり、また、自分自身でも試すなかで、どうすれば、「空腹」の効果を最大限に享受できるかを考えてきたそうである。

そして、ついに辿り着いた結論が、

睡眠時間を合わせて、16時間以上、空腹の時間を作ると、最大の効果が得られる

ということである。

この16時間が、オートファジー発動の肝なのである。

難しく考える必要はなく、細かいルールもなし。

睡眠時間にプラスして1日数時間、つまりは起きている時間の半分を何も食べずに過ごし、空腹の時間を作るだけである。

毎日が理想的ではあるが、まずは週に1日だけでも、体がリセットされ、その効果が期待できるという。

実行しやすい時間帯は、生活リズムに寄りけりであるので、自分の生活リズムにうまく合わせて、ストレスがかからない程度に食べない時間、つまり、空腹の時間を16時間以上、作るのである。

単純に食べないだけで、さまざまな病気を遠ざけ、老化の予防にもなる。

まさに奇跡のアンチエイジング法なのである。

食べないだけを試すだけなので、損をすることはないので、一度、試してもみることをおススメする。


ちなみに私も朝起きてから昼まで食べないことで、昨日の夜の20時以降から約16時間を間欠的にファスティングできたのである。

時折、お腹の虫がうるさく鳴っていたが、いい具合に空腹による心地よさがあり、集中力も高まり、感覚が研ぎ澄まされているのを実感出来る。

まさにオートファジーが発動し、カラダの老廃物を掃除してくれる様をイメージすると、空腹とは良いものだなと忘れていた感覚が呼び覚まされる。

自分の実感としては、食べない時間を16時間今か今かと何もせずに暇でじっとしているよりも、少し忙しなくしている方が食べたい欲求をかわすことが容易くなるので、実施する時は活動的になれる日にトライすることをおすすめしたい。
休みの日よりも仕事がある日のほうが持ってこいではないだろうか?
仕事に集中している間に昼なんてあっという間である。

ただ、注意すべきはその後にドカ食いしないことである。
しっかりと自分の欲求の手綱を握って、最初の一口はしっかりと咀嚼回数を多めに取ることを意識したほうがいい。
そうすれば、自分の欲求に翻弄されにくくなる。

現代においては、つい空腹でいることは、何かを我慢しなければならないとか、楽しい食事の機会を奪われたとか、ネガティヴな方向に偏りがちである。
しかし、カラダの中でオートファジーのような自浄作用が働いていることを理解できれば、優良な企業のようにしっかりと内臓に休息を与えることで、高いパフォーマンスが発揮できることとなるのであろう。

まさに〝空腹とは最高のクスリ〟とは言い得て妙なのである。

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