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単なる趣味ではない、生きる活力を与えてくれるコミュニティ


以下は

総視聴回数8000万回超え
というお化けチャンネル。

ちらっとのぞいてみてください。

「え?」って思いませんでしたか?
私もはじめは「どういうこと?」

だって「エレベーター」の動画
にしか見えないですし、

それ以上でも
それ以下でもないからです。

でも作成者は
どこか興奮した様子。

声も上ずっていて、
鼻息まで聞こえてきそう。


■10年間で

2700以上の投稿。
つまり年間300近い箇所をめぐって

ときに遠出(海外も?)
エレベーターに乗って、

「●●製だ!」
「高速エレベーターだ!」
「LEDライトがイケてる!」
「このボタン最高やな!」

なんていって
欲求を満たしている。

再生回数はうなぎ登り。
コメントもたくさん!

なんでも世界各国に、

エレベーター動画の
コミュニティがある模様。

ほんとに「どうなってんの、これ?」
って感じなんです。


■エレベーターのために、

膨大な時間とお金をつかって
わざわざ…

と思うかもしれませんが、

逆の視点を持てば
僕も同じだということに気づきました。

彼からすれば

22人の大人が
空気のはいった球体を追いかけて、

走りまわって体をぶつけあって
蹴ったり、頭にあてたりするのを見るために

雨が降ろうが、極寒、猛暑、
眠気と戦いながら全国を移動して、

心身を消耗させながら、

場合によってはののしり合ったりして
ストレスを増幅させているわけなので、

「クダラナイことに時間とお金をムダにしている」

という感想はお互い様です。


■彼にとって

ハイアットリージェンシーホテルの
エレベーターは、

僕にとってアンフィールド
(リバプールというサッカークラブのスタジアム)

ボタンやLEDやエレベーターの性能
はさしずめ、

サラとかフィルミーニョ、
ファンダイク、アリソンといったところか?
(全部リバプールの所属選手です)

分かる人には分かるけど、
分からない人にとってはまったく分からない

(どうしようもないもの)

ところがそれぞれに
オタクは一定数存在し、

ちゃんとコミュニティが形成されている。

情報を交換し、
コメントで感想を言い合ったり。

エレベーターやサッカーという、
特定のトピックは人々を引き寄せますが、

彼にとってエレベーターは、
そして僕にとってサッカーは、

単なる趣味といった程度のもの
ではない。

自分のアイデンティティとか、
所属意識をもたらしてくれるもの

なのです。


■このチャンネル運営者は、

アスペルガー症候群の
39歳男性。

エレベーター動画コミュニティには、

自閉症の方が
7割以上存在するとのこと。

エレベーターに乗ることは、
複数の感覚を刺激する体験。

視覚、聴覚、触覚などに訴える体験
によって心が落ち着くそう。

自閉症の人たちにとって
エレベーターは心の拠りどころであり、

コミュニティを通して
人とつながる手段でもある。


孤独になりがちな現代社会。

人々がコミュニティをつくる体験は、
自分自身の世の中に対する立ち位置を変えてくれる。

疎外感を覚える人にとって、
コミュニティは非常に大切であり、

コミュニティの運営者は

生きる力を与えてくれる
不可欠な存在です。

自閉症の子どもが、
親とともに彼に会いにくるケースもあって、

まるでミッキーマウスに会うように
興奮するそう。

影響力のすごさを物語る
エピソードだといえます。


■ちなみにこんなチャンネルもあります。

多くの視聴者は、

眠るため、ストレスに対処するために
この動画をみているとのこと。

救命士、消防士、教師、弁護士など、
高いストレスを感じる人々が愛用しています。

チャンネル制作者が、
人々の人生に関わっているということ。

有意義な生活をもたらす役割
を果たしている事例です。


■YouTubeの勉強を続けていますが、

コミュニティマネジメントについて
気づきや学びが多い。

ニッチであっても、
充分にマネタイズができること。

マスにウケる必要はなく、

徹底的にオタクにウケるコンテンツ
を追求する潔さ
を感じます。

オタクにとっては、

自分たち以外に忖度するようなコンテンツ
を望んでいないでしょう。

オタクなコミュニティだからこそ、
つながりが強い。

「人とつながりたい」

という欲求を満たしてくれる喜びは、
サッカーオタクなので僕もめちゃくちゃよく分かります。

コミュニティにおける会話や体験は、
僕に生きる活力をあたえ、

落ち込んでいるときには
自己肯定感」をもたらしてくれる。

生きててよかった!

なんておおげさともいえる感情すら
沸き上がってくるのです。


運営者にとっては、

チャンネル開設当初には
想像できなかったような

唯一無二の「価値」を、

コミュニティに属しているメンバー
ひとりひとりが感じている。

楽しみであり、心の拠りどころであり、
生きる希望でもあるのです。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます!

それではまた明日。
おつかれっした!




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