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弱みなんてない、弱みは強み


事業計画。一日中、数字と格闘していました。比較的、事業規模が小さな新興スポーツクラブ。ちょっと視点を変えるだけで利益を増やせそうです。立ち上げて間もないこともあり、今どれだけ「構造」を整えられるかが勝負。スタッフのみんなは、経験や考え方が新鮮なこともあって矯正する必要がなく、一から整備ができることは他クラブにはない「強み」だと思います。

SWOT分析というのが一時期もてはやされました。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のマトリクスで自社や他社を分析するツール。「弱み」をわざわざ意識したくない、という曲がった性格もあって個人的にはこのツールを積極的に使ってはいません。

たとえば、イタリアンレストランのオーナーがランチの集客を考えるとき、「さっと食べられる」ニーズを持つビジネスパーソンが近所の牛丼チェーンに流れている事実を知って、「うちも注文から2分でパスタが出せたらなぁ」と思い悩むでしょうか?2分でパスタが出せないことは「弱み」になるでしょうか?

ゆっくりおしゃべりしながらランチをしたい」という女性客や、「取引先と打ち合わせしながら」というビジネスパーソンにとってイタリアンレストランはむしろ格好の場所です。もちろん他にも「ゆっくりしたい」ニーズを満たす競合店は多々ありますが、少なくとも「早く料理が出せない」ことが弱みにはなりえません。むしろ「ゆっくり」が強みとして、お客さんに認識されるからです。

私が参画しているクラブは小規模新興系。市場を「リーグ」に設定し、競合を「リーグに所属するクラブ」として売上や集客を競う場合、小さくて後発であることが「弱み」に見られることもありますが、裏を返せば、機動力があり、誤ったこだわりがないので可塑性が高く、あっというまによりよい変化をとげる「強み」があるとも言えます。お客さんにとってよりよい変化は歓迎もので、逆に変化が遅く、サービスの改善も遅いクラブがファンを増やせるとはなかなか考えにくいです。

開幕までそれほど時間がなく、スピード勝負なのですが、事業改革の承認をするのは社長ただ一人という幸運。過去の数字取得と目標値を相対したときの整合性、細かい事情などは社員にヒアリングしたり、ときに根回しをしたり、しかるべき準備をしてプレゼンに挑みたいと思います。

とにかく、「弱みなんてない」ということを一番伝えたかったわけで、私自身にも言い聞かせるために書いてみました。あたらしい挑戦をするときの「言い訳」のトップ3は、お金がない、時間がない、経験がない。そして「ないこと」が「弱み」であるとSWOT分析で意識してしまうと、おそらく一生「強みに解釈」できません。弱みは強み。弱みと強みは表裏一体。角度を変えてみればすべてが「強み」になります。

皆さんはどうでしょうか?いっしょに力強く前進していきましょう。

久保大輔




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