自信家は失望しやすい「ネガティビティバイアス」
人は恐怖に気づきやすい。
これは太古の昔に
発達、進化させた「能力」です。
原野を歩いているとき、
野生動物に狙われていることを察知する能力
がなければ、
それは「死」に直結。
生存戦略として
「危機察知能力」を高めました。
恐怖とは、
広くはネガティブな情報。
不安、脅威という
「外敵」をに襲われる危険性が昔ほどではない今、
悪い、ダメ、ダサい、無能など、
人のネガティブな特質をあらわす情報を
脳は優先して処理するようになりました。
一般的にこれを
「ネガティビティバイアス」といいます。
■彼女とのデート。
おしゃれな服を買って、
美容院にもいって、
ホテルとレストランの予約も終えて
「かっこいい自分」を彼女にみせる準備万端です。
前日はワクワクしてあまり寝れません。
そして事件は
当日朝に起きました。
目が真っ赤に腫れて
クマもとれません。
ステキな装い、今風の髪型、
「おいしい」といって
レストランでほほ笑む彼女の背後には
光り輝く夜景が広がっていますが、
自分の自画像は
おおきく歪められています。
いつまでたっても目のクマが気になって
一向に楽しむことができませんでした。
人の脳が
ポジティブな情報より
ネガティブな情報に対して敏感になる
ネガティビティバイアス。
皆さんも似たような経験
ないでしょうか?
■ここで話は大きく変わりますが、
皆さんは自分に自信がありますか?
プラス思考、ポジティブシンキング
という言葉がありますが、
自分自身に対する評価は
高い方がいい、
とされています。
価値ある人間だという自己認識は、
発言や行動を促進するので
消極的でネガティブ思考の人よりも
成功する確率が高まる
という理屈。
自己認識だけではなく、
他者の自分に対する判断も
「自信」を育む要因になります。
SNSの「いいね」や
フォロワー数の多寡は、
自信を構成する重要な要素です。
ところが、
自分の目にも、他者の目にも、
自分という存在が優れている
という判断はときに
自分自身を深い穴に落とす危険性
をはらみます。
自分が絶対的に自信を持つ分野
において否定されたり、
成果で抜かれてしまったり、
評価を落としたり。
移り変わりの激しい現代において、
順調に思えたビジネスや人生が
外圧の影響を受けて一気に落ち込む可能性は
低いとは言い切れません。
自尊心が傷つけられたとき、
極端に凹む傾向が強いのは自信家。
いつも「オールA」の学生が、
数学で「B」をとると凹みますが、
つねに「C」の人が
「D」をとっても気になりにくい
といわれています。
■自信家と失望の関係は、
上に記した
「ネガティビティバイアス」の概念にもつながります。
学校の成績優秀、
スポーツ万能で有名大学に進学、
勢いかって超大企業に就職した人は、
誰よりも努力して、
いろんな挫折を乗り越えて
自信を育んできましたが、
入社後に思うような成果を出せず
強烈な自己批判に陥るケース。
たくさんのポジティブな側面
があるのにもかかわらず、
自身の期待に沿わない
仕事の成果ばかり気になって
自分を許せなくなって
幸福感を得られない。
そんなさみしい思いをしている人って
けっこういるような気がします。
■でもこれ
人間の本能的なものなので
避けようがありません。
私たちはネガティブな情報に
ことさらに引っ張られる傾向があり、
それは受け入れるしかないですね。
上述したような
絵にかいたような「優秀な人」でも
思い悩んだり失敗したり。
ということは何かに失敗してしまった
自分(あなた)ひとりだけが
みじめな思いをして
苦しむ必要もないのではないでしょうか?
自分の失敗、ミスを責めるのではなく、
がんばった自分、チャレンジした自分をほめて
前を向いてがんばりたい。
ありのままの自分を受け入れて
次の対策を考えればいい。
苦境から脱する唯一の方法は
苦境を思いっきり経験すること。
苦しい状況を否定するのではなく
苦しい状況をいかに受け入れて
現状を乗り越えるか。
いろんな人に向けて
そして自戒を込めて。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!
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