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ハリポタファンに学ぶ一体感の作り方


延期になった五輪。

いろいろ残念でしたが、
多くのスポンサー企業にとって、

描いていた「五輪を経由した成長戦略
はどう練り直されているのか?

非常に気になるところです。


企業は広告を購入して、
自社が意図するメッセージを顧客に届ける。

もしくは、

広告主が持つメッセージを利用
することもあります。

たとえば、

プレミアリーグのユニフォームスポンサー
であれば、

フットボールがもつメッセージ性、
すなわち若々しさ、力強さ、躍動感、

または一流の証
というメッセージを借りて、

自社のイメージとして
訴求
することができます。


IOCのトップスポンサーは、
1業種1社を原則としているので、

そこに選ばれるということは、
一定の協賛金を背景にしているとしても、

その業界のトップクラスの会社である
との認識が得られるはずです。

またオリンピックは「平和の祭典」であり、

スポンサーとして認められることは、
企業活動に問題がないことの証でもあって、

言うまでもなく平和は
IOCが掲げるメッセージでもあります。


■「連合の原理

というものがあります。

良い印象や悪い印象となんとなく関連があるだけで、
僕たちは周囲に良くも悪くも思われる。

という原理。

美人のモデルが隣に立っている車の広告
はよく目にしますが、

魅力的な若い女性モデル
が映っている広告を見た男性は、

その車の性能を高く評価し

その判断に女性の存在が影響を及ぼした
とは思わない、という研究結果があります。

ところが広告主が期待しているのは、

美しさと好ましさを
その車に連合させること。

つまり、

必死になって自社製品と
ポジティブな要素をくっつけようとしているのです。

大事なのはとにかく
結びつきを作りあげることで、

ロジックは必要ありません。

だた好ましい結びつきが
ありさえすればいいようです

自分にとっていい情報を結びつけ、
悪い情報とは結びつけないように。


オリンピックという

めちゃくちゃポジティブなアイコンと
自社を結びつけることは、

新規顧客開拓の確度を高めますし、

IT企業は企業価値を高めようと

巨額の参加費とランニングコストを
惜しげもなく投下し、

プロ野球のオーナーになる
という理屈です。


■連合の原理によって

スポーツとファンとのつながり
についても説明が可能です。

故郷のクラブの敗北が
わがことのように気分を落ち込ませ、

勝利がわがことのように
気分を高揚させるのは、

生まれた場所と結びついている
という(本人にとってはポジティブな情報)だけで、

ファンは勝敗に引き寄せられ、
包み込まれ、つなぎとめられます。

ファンは自分との(いい)結びつきを感じるクラブ
を応援することで、

クラブを自分の代理に見立て

クラブの勝利は自分の勝利も同然、
そこに自己が賭けられていると、

ロバートチャルディーニは著書
「影響力の武器」で語っていました。

パーソナリティに隠れた欠陥、
否定的な自己イメージを

クラブの勝利を使って書き換えようとする
深層心理についても解説していました。


■また、

ファンはクラブに関わることで、
特に意識せずとも

幸福で充実した人生を送ることができるという
チーム同一化」という理論もあります。

所属感や仲間意識が
幸福の源泉。

信頼を築き、受け入れられて、
重要な情報を伝えあって、

大きななにかの一部になったような感覚
を得て気分を高揚させます。

そもそも人類は、

共通の目的を持つ大きな集団の一員
になることで生き延びてきました。

社会的組織の一員となることで、

人は他人とつながり、
精神の健康(安心感など)を高めます。

よってそういった感覚を引き起こす
ファン活動は、

人類の本能的な欲求を満たすものであり、
ファンが幸福を感じるのは当たり前

とも言えます。


■では

地域という属性
で差別化できない場合、

ファンは何を拠りどころに
応援すべきなのでしょうか?

つまりある地域に、
サッカークラブが2つ以上存在している場合、

「連合の法則」や「同一化」
という概念は、

人々のどんなアイデンティティに
作用するのか。


ハリーポッターのファンは、

高い倫理と理想を広めるという
ハリポタの著書の引用を理念として、

複数の社会的課題を解決する
「ハリー・ポッター・アライアンス」という

独自組織を結成しました。

ワーナーブラザーズにとって、
その組織から派生する話題は

取るに足らないものですが、

ファンが強い絆で結びつき、
ハリポタファンでい続けられるという点で

無視できない、というか重要視して、
公認までしていると聞きます。


■僕がかかわっている

こちらのサッカークラブは
京都を拠点にしています。


言うまでもなく京都には、
京都サンガという古豪が存在し、

おこしやす京都という
地域リーグに所属する「先輩」もいて、

京都という地域性やアイデンティティ
による差別化が不可能
であり、

「他の拠りどころ」を掲げなければ
生き残ることはできないと考えています。

先行者利益という意味では
圧倒的に分の悪いクラブが、

いかに経営を安定させるか。

社会の課題を解決する組織
という文脈でたてられた

ミッションとビジョン
その答えが隠されています。

人々が「京都山城SC」を応援する理由。

それがサンガやおこしやすとは
一線を画すプロフィールになります。

スターウォーズのTシャツを着た人
のSNSのプロフィールを見て、

グッチのファンがフォローしないのと
同じ理屈で、

「似たようなタイプの人」

を選別する機能を果たすのが
僕たちのミッション、ビジョンです。

もしお時間あれば
ちょっとだけのぞいてみてください。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます。

それではまた明日。
おつかれっした!




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