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あなたの会社には「筋道の通った流儀」があるか

サッカーというスポーツに関する仕事をしている私ですが、私のフォロワーの多くはサッカーに無関心だと思います。なのでこういうことを書くとシラけちゃうし、読んでくれないかもしれないので控えるべきなのですが、昨日は思わず泣けてきて、感動して、心揺さぶられてしまって。今日も外に出ていろんな人にあって情報収集に努めたのですが、頭の中に残っているのは昨日のことばかりです。なのでサッカーの話、します。

現在、エルフェン埼玉というサッカークラブから委託を受けて仕事をしています。契約上はフロント業務のコンサル的な立ち位置なのですが、現場にも頻繁に顔を出しては監督や選手、コーチとも密にコミュニケーションを取るようになりました。クラブの正社員かのような、割と深いところまで情報をもらって動いたり、打ち合わせしたり、提案をしたりしています。

だからなのでしょう。昨日の試合ではリーグ戦初勝利に酔いしれました。割と多くの時間をさいて、労力やお金も投下しながら、クラブの成果づくりに傾倒していたので、感極まったのはある意味仕方ないことかもしれません。でもこの「物語」をファンや一般の人々に共有できていれば、クラブ内だけではなくクラブ外にも、感動や喜びを与えることができたかもしれないなと、今後の課題にも目を向けることになりました。

人々の気分を変えること。喜びを与えること。一瞬のあいだ、人を幸せにできること。試合に勝てなくても、負け続けていようとも、地域の人々の、スポンサーの、行政の、友だちや家族の「顔」を常に想像して、彼らの笑顔を思い浮かべながら練習に取り組み、試合に出場すること。これがサッカー(だけではないかもしれませんが)クラブが存在するために欠かせない意識だと思います。

なぜ、わざわざスポーツをする団体がその地域にあるのか。何のために会社を経営しているのか。飲み物を作る会社、食品を提供する会社、家を作る、家具を作る、車を製造する会社、化粧品、携帯電話、生活必需品などで人々や社会に貢献する企業が私たちの身の回りにあります。それぞれが「存在意義」を明確に持っているからこそ、必要とされ、存続し、利益をあげ、利益をさらなる貢献に投資しています。

スポーツクラブの存在意義をあらためて確認できた一日。ブランディングの基本となる定義は個々のクラブによって異なるのが現状です。「勝つこと」や「有名選手」を獲得するブランディングもあれば、「喜び」や「リフレッシュ」「気楽さ」を独自路線にするケースもあります。

勝敗によってブランドの核が左右されることがないエルフェン埼玉というクラブには、クラブがどのような存在なのか、何を目指すのかという定義があります。リーダーシップにおいては、将来、モチベーション、ビジョン、方向性、そして同時に持続的な「変化」にも主眼が置かれます。一方、リーダーシップはコピーではなく原型であり、長期的な考え方があったりもします。明確なビジョンを持つとともに、繰り返し現状を問い直すわけです。根本的な価値観に対しては非常に独裁的。明確な方向を示しつつ、個々の社員や選手に自由の余地を与えています。

試合に勝つことは確かに大事。でもそれ以上に、筋道の通った流儀を保つことも大事だと思います。もう少し時間はかかりそうですが、エルフェンの成長のお手伝いをがんばりたいと思います。

久保大輔




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