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あらゆる成果は「言葉」によってもたらされる

一昨年まで現役、今はフロントで活躍するスタッフと一緒にスポンサー営業。道中いろいろ話しました。そして「言葉」についてあらためて深く考えさせられました。

サッカーという競技に限らないと思いますが、監督が描く理想のチームが具現化されるために何が必要でしょうか?局面ごとに、選手にどんな動きを要求するか。位置、強度、早さ(速さ)、角度など、それぞれに細かい「決まり事」を定める監督もいれば、大まかな軸、コンセプト、方向性を明示した上で、選手のイマジネーションや創造性を推奨する監督もいるそうです。どちらが良い悪いではなく、好き嫌い、好みの問題。受け止める選手にとっても好き嫌いがあるからこそ、編成(誰を獲得し、放出し、育てるか)の方針が重要なのでしょう。

理想のチーム像、方向性、そして決まり事を選手に伝える術は、いうまでもなく「言葉」に依存します。動いてもらう選手にどんな言葉でどのような文章にして理解してもらうのか。30人前後の登録選手のバックグラウンドは千差万別です。人生の履歴、誰に師事してきたか、どんな学びを手にしてきたか。きめ細やかな洞察抜きにした言葉選びでは意思統一はかないません。それどころか「意味がわからない」「何がしたいのかわからない」といった不満はネガティブな結果に直結します。

創造性やイマジネーションを期待されると特に、「言葉足らず」のレッテルを貼られがち。日本人はその傾向が顕著だと思います。言われたことはきちんとこなすけど、主体性を持って、自ら考えて行動する習慣がありません。評論家やファンなど「外野」の属性によっては、「自分で責任を取りたがらない」なんていう心ないヤジが飛んでくることすらあります。いずれにしてもスポーツにおいて、言葉が重要な役割を演じることは間違いなく、成果を出すために必要な構成要素のひとつ。同行した元選手の解説に首肯しっぱなしでした。

営業先に到着。いきなり社長室に直行して早速商談が始まりました。通りいっぺんの自己紹介を終えてすぐ「要はここでしょ?」と社長が指さしたのは「価格欄」 いくら出せばいいんですか?と笑いながら聞いてくれました。一気に肩の荷がおりるような、場の雰囲気を一変させる柔和さと威厳。一代で規模を拡大した社長にあらためてリスペクトを抱くようになりました。

露出は望みません。ヨコの繋がりに期待します」と、社長のニーズは広告効果ではなく、新たなビジネスが展開されるかどうか。クラブをスポンサードすることで、自社のビジネスにどんなインパクトがあり、いかに成長がもたらされるかに集約されます。そしてそんな気づきをもたらしてくれたのも「言葉」に他なりません。経験に裏打ちされた言葉を聞き洩らすまいと必死にメモを取り続け、次回のアポ、そして言葉を尽くし提案していきたいと思います。

久保大輔




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