見出し画像

喜びや栄光とともに苦しみや絶望がー絶えず移り変わる奇跡の状態、人生は不完全である。


皆さん今年は
どんな一年でしたか?

コロナ禍に襲われて苦痛を味わった、
そんな方も多いと思います。

私もそのひとり。

2019年の年末から計画していた
あらゆるプランが吹き飛んでしまいました。

新種のウイルス出現を予見するなんて
誰もできないんだから仕方ない。

売上がしぼんでしまったのは
コロナのせい。

普通にやってたら
絶対に昨対で30%は増やせた。

そんなグチも言いたくなります。
ですがそうやって

うまくいかない理由を
自分以外に置くことは簡単です。

この状況下でも
大きな成果を上げている人や組織は

実はたくさん存在していて
それだったら、

「私がうまくいかないのはコロナのせい」

という自己分析に
説得力がまったくともないません。

そんな自己批評をしている人も
少なくないと思います。

成果の出なかった今年を振り返り
現状と未来の見積もりを厳しく

そして来年こそはと
気合を入れている人もいるかもしれません。


■年末に読んだ本

セルフ・コンパッション」は衝撃的でした。

実は数か月前に購入したにもかかわらず、
「難解」であきらめて放置していたもの。

12月はじめにあらためて手に取り、
読み進めてみると「意外とイケる」

5日ほどで読了できました。

以前はシンプルに
集中できていなかっただけなのか、

それとも一年で読解力が飛躍的に伸びたのか?
それはさておき、

「弱さと不完全さが人間の普遍的な特性である」

という文章に吸い込まれました。

私は「自分を厳しく評価する」タイプ
の人間だったのですが、

けっこうな割合で私とおなじ性格の方
いらっしゃるかもしれません。
(特に体育会系にこの傾向あり)

それが健全であればいいのですが、

不健全、つまり不当に
自己を軽視する態度
は、

長期的には自己の価値観に深く染みつき、
不安の素となります。

セルフ・コンパッションでは、

周囲も同様に欠点があり、
脆弱な存在であることを知り、

他者よりも優れていなければならない
という思いを捨て去り、

利己的に歪んだものの見方をとおして、
自らのエゴを発見することもできます。

自分にやさしくすること。

その習慣が自己批評を止め
弱点や失敗を理解できるようになります。

困っている友だちに接するように、
自分を積極的に慰めてみる。

考えてみると
友だちが自分と同じような悩みを抱えてているとき、

厳しい言葉を投げかけるより、
どうすれば落ち着かせてあげられるか

に焦点が当てられています。


■哺乳類には、

思いやりを与える親と子の
強い感情的な結びつきを促す

愛着システム」が備わっています。

子どもが下界で襲われないように、
世話をする能力を進化の過程において身につけました。

脳は自分や他者を思いやるように設計
されているということは

実験でも証明されています。


お腹を空かせた子猿をオリにいれ、

果物をたっぷりかかえた猿のぬいぐるみと、
食べ物はないけど、母猿のにおいを染み込ませた
ぬいぐるみをならべると、

後者に近寄る子猿が多かったことは、

思いやりは生存において、
食糧と同等かそれ以上に必要なものである

ということを示唆しています。


愛と結びつきはオキシトシンを分泌し、
恐怖や不安の感覚を低減、

ストレスと関連する
血圧とコルチゾールを抑えます。

信頼や落ち着き、安全性や寛容さは、
結びつきの感覚と比例して強まって、

優しさや自分に対する慈悲
を感じる能力を高めることが明らかに。


■オキシトシンは、

誰かにやさしい言葉をかけられたり、
抱擁をうけたりすると

大量に放出されることがわかっていて、

自分に対する優しさも、
同様にオキシトシンの分泌が促され

安心感が高まり、
ストレスを鎮静化させることも研究で実証されています。

偏桃体は
脳のなかで脅威を感じる状況で

「闘争本能」を活性化させますが、

血圧やアドレナリン、コルチゾール
を高めるように信号を出して

脅威と向き合います。

このシステムは物理的な攻撃に対処するため
に設計された人間の本能ですが、

自分からの感情的な攻撃(自己批判)
によっても即座に活性化されます。

蓄積されるコルチゾールは、
よろこびを感じる神経伝達物質を除去して、

うつを引き起こすとも言われています。


■完ぺき主義は

摂食障害は不安、抑うつ、
その他の精神疾患の羅漢率が高い

ということも研究が実証しています。

人間の人生は、
完成された不変のものではなく、

絶えず移り変わる奇跡の状態。

生きていることは
喜びや栄光とともに苦しみや絶望がある。

完璧さを求めることは、
人生に背を向けること。

何より完璧で失敗のない人生を
楽しいと感じるでしょうか?

失敗を注意深く観察してみると、

どうしようもない外的要因によるものが多く、
パターン化されていることに気づきます。

神経質な性格で
いつも不安と恐怖を感じる状態

を直すことができれば、
落ち着きと自信に満ちた人生を送れると思います。

備忘のため、そして来年に向けて。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?