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摂食障害

皆さん、こんにちは!

Heading South代表の廣田千晶です。

前回、私自身の人生を変えた出来事のひとつとして米国大学の進学を挙げました。

アメリカの大学は9月から新学期が始まります。3月末に高校を卒業した後、大学に付属する語学スクールに通うために、5月頃にアメリカへ発ちました。現地に到着してすぐ、義務教育で6年間勉強していたはずの英語が全く使えないことに気づき、一体何を勉強してきたんだろう……と愕然とします。

私の中高時代は、英語学習は単語の記憶や文法や長文読解に力点が置かれていたこともあって、まぁ驚くほど自分の言いたいことも言えなければ、ひどすぎる発音で言ったことも理解してもらえない。また、相手の言うことも理解できないで、本当に情けなくなる日々……。

余談ですが、大学時代に必修科目の第3言語でフランス語を学んだときに、日米の語学の学習スタイルがまるで違うことに驚き、感動したことを鮮明に覚えています。フランス語が全く分からない状態にも拘らず、先生が初めての授業からフランス語でペラペラと生徒たちに話しかけるのです。また、教材としてビデオを反復して視聴することを強く推奨されました。要は、言動の中から、その単語やフレーズの意味を理解して使えるようにしていくのです。音や動作で覚え、声に出して反復し、聴くこと、話すことにフォーカスする学習方法のお陰で、(第3言語ということもありますが)驚くほど早くコミュニケーションが取れるようになったことを覚えています(在学中にパリに交換留学まで行くほど熱心に勉強したフランス語でしたが、言葉は使わなくなると本当にダメですね……(涙)。)

さて、日々の生活さえままならない状態ながら、アメリカは、日本と異なり想定外のことが頻発します。例えば、新学期の授業の登録をしなければならない日にシステムがダウンして授業の登録ができないとか、謂れのない請求があるとか、普通に起こってしまうのです。

放置できない事態に対処できるのは自分しかいません。毎日戦いを挑むべく、恥を捨てて、たどたどしい言葉で自分の主張を繰り返すうちに、恥を捨てて意思を伝えようと必死になることが一番の上達法なのかもしれない(?)と理解していきます……。

留学して最初に刺激を受けたのは、年齢、国籍ともに多様な学生がいることと、誰しもが真剣に勉強に取り組む姿です。アメリカの大学には、奨学金や助成金を受けたり、自分で学生ローンを組んで授業を受ける学生も多くいます。高校時代に試験のための勉強をしてきた自分を本当に恥ずかしく思いました。教育を受けられることの有り難みを深く認識することができ、精一杯勉強しようと心に誓いました。

新学期が始まる前に、これから長く過ごすことになる寮が決まりました。8畳くらいのスペースに、ルームメイトとふたり。部屋には、ベッド、デスク、クローゼットが備え付けられており、移動するスペース以外は家具で埋め尽くされているような、圧迫感のある小さなお部屋でした。

新学期が始まると、必修クラスの中から語学の負担がなるべく少なそうなものを優先的に選んだものの、宿題や予習で課されたテキストの読書量が半端なく、徹夜に近い日々が続きます。一方、私のルームメイトはアメリカ人だったこともあってか、余裕たっぷりな感じで毎日早く寝ます。寝ている彼女に迷惑を掛けまいと、電気を消して、デスクライトごと毛布を被って毎晩勉強していました。

今振り返っても、ストレスフルな感じですよねぇ……。当時は環境が一変する中で、毎日が必死で気付けなかったんだろうと思います。もともと私は、小学生まで修学旅行すら仮病を使って休もうとしたくらい母にべったりの甘えん坊でした。留学するときも、お互いに親離れ・子離れできるだろうかと心配したほどだったので、ホームシックも募っていたのだと思います。

気づくと、徐々にですが食が細くなっていきました。幼少期から太っていていじめられた経験のある私にとって、アメリカに留学して再びぶくぶくと太ることは何としても回避したいという思いが常に片隅にあったことや、もともと顔がまんまるで、骨格が大きい私は、標準体型になっても太っている認識を払拭できなかったのも要因かもしれません。

スルスルと面白いように体重が落ちていくことに快感を覚えていく一方で、次第に、食べること、太ることに対して異様な恐怖感を持ち始めていくことを感じ始めました……。

そう、気づいたときには、拒食症になっていたのです。

<<つづく>>

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