【読書】『銃・病原菌・鉄』から学ぶ、問いの立て方
2020年初頭から世に多大な影響を与えたCOVID19
これの流れを受け、カミュのペストをはじめとした病原菌をテーマとした書籍の売れ行きが好調だ。
本書、『銃・病原菌・鉄』もおそらくその流れを受け、改めて多くの人に読まれてるように思う。
以下、感想
本書の特筆すべき点は「良質な問いの立て方」である。
文化人類学という壮大なテーマに対して、わかりやすく、好奇心のそそられる問いを沢山立てている。
以下にその例を挙げる
・なぜ文化や技術の発展はアフリカ大陸ではなく、ユーラシア大陸で起きたのか?
・なぜアフリカやオーストラリアの人が銃や鉄の技術を持って、ヨーロッパや中国を支配する事ができなかったのか?
・なぜ人は毒のないアーモンドを栽培し始めることができたのか?
・なぜシマウマは家畜とならなかったのか?
・なぜニューギニアの農耕技術はすぐ近くのオーストラリアに伝わらなかったのか?
・なぜ中国ではなくヨーロッパが主導権を握ったのか
これらの問いには以下の共通点がある
①具体的でわかりやすい
②回答するために必要な情報量が多い
③好奇心をかき立てられる内容である
良質な問いから始められた文書は、納得感のあるリサーチ結果付きの良質な回答に閉じられた。
日々、仕事や学業で調べものをする方もいらっしゃるかと思うが、ここで述べた良質な問いの共通点を参考に、調査を進めてみてはいかがだろうか。
また、本書の構成も冒頭に大事な問いを挙げ、「これからこれらの問いを証明するぞ」という宣言をし、物語が始まるので全700ページを超える大長編でもめくる手が止まらない。
本書の問いを見て、気になった方は是非読了され、この本書の示す問いの魔力を味わうことをお勧めする。
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