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【体験談】人を動かす#17

こんにちは。
服シェアのお店「THECLO」
を運営するフジナミと申します。
服シェアのお店をやってきた1年を通して
感じた事や体験の話をしています。

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※THECLO(ザクロ)についてはコチラ



≪仙台で1年間、服シェア屋さんをした話≫
第17回


今回は、

人は正論では動かない

というお話を体験談で話します。




「囚人のジレンマ」

まず、
人は正論でも動きません。皆さんは囚人のジレンマという話を聞いたことがあるでしょうか?

≪「囚人のジレンマ」概略≫
ある犯罪に関する容疑で捕まった容疑者2人がいます。2人は意思疎通の出来ない別々の部屋で尋問を受けています。この2人が取れる選択肢は「自白する」「自白しない」のいずれかです。自白の状況によって受ける刑罰の重さが異なります。その場合パターンは3つです。


1人が自白し、もう一方が自白しない場合、自白した方は無罪・自白しない方は懲役10年



2人共自白しない場合は懲役2年



2人共自白した場合は懲役5年



この場合、それぞれの容疑者がどの選択肢を取るでしょうか。

人生は
この囚人のジレンマにかなり近いです。皆さんはどれを選びますか?➁を選ぶでしょうか?素晴らしいです。では選択肢がこうだったらどうでしょう?

どれか選んでください。
➀無罪
➁懲役2年
③懲役5年
④懲役10年

皆さんはどれを選びますか?


前提がずれている

先ほどの話で、
勘がいいひとは分かったかもしれませんが、言ってしまえば社会は、一緒に捕まった容疑者が誰なのか、そもそもいるのかも分からない状態でやる「囚人のジレンマ」の集合体のようなものです。尋問官がいくら「懲役2年を選んでくれ」と頼んだところで、その前提が揃っていなければ、誰だって「無罪」を選びます。懲役2年を選べば、無罪の時に比べて損をするからです。

ここからが体験談です。
私は、この「囚人のジレンマ」をよく理解していたにも関わらずなかなか上手くいきませんでした。それは私が自分のサービスは、全員が「無罪」になれる裏技の選択肢のように思っていたからです。実際、受け手から見れば「懲役2年」でしかありません。「囚人のジレンマ」に裏技は存在しません。いろいろ言い分はありますが結論はそうです。よくこのような状態をバイアスが掛かったと言ったりしますが、警戒しててもバイアスに掛かりました。どこかで「時間がかかっているだけだ。」「必ず上手くいく。」と思って動いていました。ただバイアスが全くのゼロだと、そもそも前に進むこと自体ができなかったりするので難しいところです。結論、起業家は判断基準がぶれます。「必ず上手くいく」という気持ちで、「期限を決めた結果だけで判断する」ことが大事です。これを肝に銘じておく必要があります。因みに僕はできませんでした。それが良いのか悪いのかはまだ分かりません。ただ辛い道なのは確かです。

≪補足≫
「パレート最適」と「ナッシュ均衡」

囚人のジレンマに興味を持った人は
発展として、「パレート最適」と「ナッシュ均衡」のうち特に「ナッシュ均衡」を覚えておくことをお勧めします。

「パレート最適」とは、
いわゆる全体の犠牲が最小限となる最適解です。囚人のジレンマで言うとどちらも自白をしない➁の「懲役2年」の選択肢です。いわゆるwin-winな選択で、起業を志す人は最初にここを目指す人が多いように感じます。

「ナッシュ均衡」とは、
個々人にとっての合理的な判断で、自分のリスクが減ることがはあっても、これ以上増えることが無い、リスク回避の選択です。囚人のジレンマで言うと③の「懲役5年」に当たります。

人の選択は、「ナッシュ均衡」的選択になる事が多いので、是非覚えていてください。


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