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なぜ私は、YouTube『トップ就活チャンネル』の模擬面接官をするのか?

私は2019年7月、22年間勤めた伊藤忠商事を退職しました。その後、22年間の人事経験を活かし『The Beyond 成長を楽しもう』を立ち上げ、大学生の成長支援と就活支援をおこなっています。

私は商社出身で、商社のビジネスや求める人材像などの理解をベースとした商社就活に必要な知識・ノウハウを有していることから、まずは商社を目指す就活生のサポートをおこなっています。将来的には大学生や社会人のキャリア形成全般をサポートしていきたいと考えています。

2020年7月には、『商社就活オンラインカレッジ』を開講し、22卒の商社志望の就活生を対象に、1年がかりで一緒に商社内定を目指しています。また、3月上旬から中旬にかけて、有料となりますが【総合商社 ES/面接対策ワークショップ】を開催し、密度の濃い3時間を通じて、内定獲得に向けたフレームワークを提供していきます。さらに今後は、「ES添削」「模擬面接」などの実践的な単発サポートを通じて、商社を目指す熱意ある就活生を支援していきます。


2019年12月には、チャンネル登録数5.2万人(2021年2月現在)を誇る就活系YouTubeのNo.1 チャンネル『トップ就活チャンネル(トプシュー)』の顧問に就任しました。大学生のキャリア形成を支援していきたいという共通の想いを抱き、異なる立場やバックグランドから大学生のキャリアを共にサポートしています。
『トプシュー』は、多岐に亘る有益なコンテンツを、「これでもか」というぐらい惜しみなく配信しています。就活生の強い味方であると確信しており、私が顧問として『トプシュー』に関われることを大変光栄に思っています。


今回は、私が『トプシュー』の人気企画である『模擬面接シリーズ』に面接官として出演し、商社OBなどを相手に模擬面接をおこなっている理由についてお話します。

↓↓↓私が出演している動画(例)↓↓↓


私は、『模擬面接シリーズ』の面接官として出演することに迷いはまったくなく、むしろ積極的に出演したいと考えています。それは「就活マニュアルや就活テクニックの呪縛をときたい」という想いがあるからです。
模擬面接と言うと、最頻質問に対する「模範解答」を示すことが目的のように感じられるかもしれませんが、私の出演理由はその「真逆」です。今回はそのことについてお話します。


1. 前提


今からする話は、私が、商社業界の伊藤忠商事で22年間、採用、人事考課、人材戦略、人材多様化など幅広く人事業務に従事してきた経験に基づくものです。
就活や面接に正解はありません。業界が違えば採用環境も異なりますし、業務経験の中身や年数によって当然考え方が異なります。人それぞれ違った考えを持つことは当たり前のことです。
したがい、世の中にある様々な考えをリスペクトした上で、私自身の考えをお伝えすることにします。このことを前提に読み進めてください。


2. 良いマニュアル、悪いマニュアル


世の中には就活に関する情報が溢れています。私が就活をしていた20数年前に比べると、企業からの情報開示や情報発信は格段に増え、SNSの普及により、最新情報が容易に入手できるようになりました。また、就活を支援する会社や個人も増加しています。このような状況は羨ましくもあり、逆にその中から本当に信頼できる役に立つ情報を見つけるのは本当に難しいことだと感じます。

就活に関する情報の中には「就活マニュアル」「就活テクニック」と呼ばれるものがあります。これらは企業から内定を獲得するにはどうすべきかといったもので、大きく分けて3種類に分類出来ると思います。

① To Do型
就活のプロセスやどの時期に何をすべきかといった「To Do」に関するマニュアル(これはマニュアルとして整理されている場合もあれば、独立した情報である場合もあります)

② How型
「自己分析をおこない自分自身を知る方法」「自分のことを相手に効果的に伝える方法」といった「How」に関するマニュアルやテクニック(これは「就活マニュアル」というよりは、「社会人基礎スキル」と呼ぶのが相応しいかもしれません)

③ What型
この質問にはこう答えるべきといった「What」に関するマニュアル。「模範解答型」と呼んだ方がわかりやすいかもしれません。


一つ目の「To Do型」は、もちろん重要です。何をいつまでにすべきかという情報やマニュアルを正確につかんでおくことは、内定獲得の第一歩となります。情報に敏感になることや、信頼できる「就活仲間」を作ることが求められます。また、情報を取れるだけ取るという「Taker」の人には情報は集まってきませんので、「Giver」の精神も必要となります。
私が主催している『商社就活オンラインカレッジ』では、Facebookグループを活用してメンバー間で活発に情報交換をしています。

二つ目の「How型」は、『商社就活オンラインカレッジ』で最も重視しています。
自分自身の本質を理解する方法、情報の整理の仕方、論理的に物事を考えるやり方、相手の共感を生む伝え方などのフレームワークを共有し、そのフレームワークを活用して、自分の頭で考える力を養っています。
このことは、就活に役立つだけでなく、社会人になってからも必要とされる力と言えます。

三つ目の「What型」ですが、これにとらわれている就活生は多いように感じます。「模範解答」を知っていると安心できますし、就活が順調に進んでいるように感じられます。でも、「模範解答」をスラスラと答えられるように練習し、準備万端と思っても、本番では不合格となることが多々あります。これが「就活マニュアルのわな」です。「商社就活オンラインカレッジ」のメンバーの中には、私に答えを求めてくる人もいます。そのような人には、考え方を教えてあげて、自分の頭で考えるよう指導しています。


3. What型マニュアルがなぜ生まれるのか?

「就活勝者」を「複数の難関企業から内定を勝ち取った学生」と定義すると、「What型マニュアル」は、「就活勝者」たちの就活体験記が言語化されたもの(しかもそれが一人歩きしているもの)であると言えます。

例えば、「あなたの弱みは何ですか」という質問に対し、「長所ともとれるような弱みを伝えよ」といったことです。「熱中しすぎると周りが見えなくなるところ」「面倒見が良すぎるところ」「限界まで頑張り過ぎてしまうところ」といった長所とも捉えることができる回答が溢れています。

「就活勝者」の回答はすべて正しくて、そのすべてが内定に直結していると勘違いしている人は多いものです。実際は、「就活勝者」になり得たのは、信頼感や誠実さといった「人間性」が評価されたり、学生時代に大きく成長できた「成長力」が評価されたりしたからです。すべての面で評価されることはまずありません。

しかしながら、「就活勝者」のすべての回答が理想的なものと捉えられ、それがいつしか「そうすべし」というマニュアルに形を変えていったということです。

認識すべきことは、What型マニュアルは、けっして企業側が作ったものではないということです。しかも実態として、ほとんどの企業は、このWhat型マニュアルを良しとしていませんし、むしろ毛嫌いしていることと思います。


4. What型マニュアルの弊害

面接とは、面接官が学生の本質を理解し、自社の基準に基づき評価をおこない、合否を判定することです。評価の観点は、話す内容(コンテンツ)、印象(バーバルコミュニケーション)、コミュニケーションなどで、面接官は、学生の「本当の姿」を知るために、さまざまな角度から質問を繰り出します。

一方で、What型マニュアルに陥った就活生は、無意識のうちに「マニュアル(模範解答)」という名の分厚い鎧を着て面接にのぞむことになります。

面接官は学生の「本当の姿」を知りたい。でも学生は鎧を着て「本当の姿」を見せない。当然のことながら、両者の間に大きな溝が生まれます。
面接官は、おそらく面接開始2、3分で、鎧を着ている学生を敏感に感じ取ります。面接官は、そのような姿勢の学生の話を聞きたいとは思いません。その結果、信頼関係を築くことができず、共感も生まれませんので、面接は不合格となるわけです。

別の視点の弊害についてお話します。昨今、多くの企業が「人材の多様性」を重視しており、個性あふれる学生を積極的に採用したいと考えるようになりました。多様な考え方や価値観が新たな価値を生み出す時代となりましたので、同質的な人の集まりではなく、多様な人の集まる会社にしていくことを目指しています。
What型マニュアルに陥った就活生は、盲目的に「マニュアル(模範解答)」を信じてしまい、マニュアルどおりの「同質的な人材」に自らなろうと努力しています。それは企業が求めている人材の真逆を行くことになります。


5. 模擬面接を通じて伝えたいこと


私が模擬面接の動画を通じて伝えたいことは、決して「模範回答」を示すことではありません。
模擬面接に登場する第一志望の企業から内定を勝ち取った人というのは、自分の本当の姿をさらけ出し、自分の言葉で自分自身を語り、面接官の共感を得た人であるということです。決して「模範回答」をよどみなく回答できた人ではありません。

就活に不安を覚え、何かにすがりたいという気持ちは良く理解できます。また、答えが無い中、模範となる回答を信じたいという気持ちも理解できます。でも、What型マニュアルは、一見、みなさんの不安を解消してくれる「万能ツール」のように感じられますが、実際は、あなたを内定から遠ざけるツールであると認識してください。もし、What型マニュアルに出くわしたら、それを鵜呑みにせずに、一旦立ち止まってみてください。

自分の「本来の姿」を評価してくれる会社に入社することが、ミスマッチを減らし、本人にとっても企業にとっても幸せなことであるとつくづく感じます。仮にWhat型マニュアルをうまく利用し、内定を勝ち得たとしても、それは不幸の始まりかもしれません。自分の本当の姿をさらけ出し、自分の言葉で自分自身を語り、面接官の共感を得られることを目指してください。



このような視点から「トプシュー」の模擬面接シリーズをご覧いただくと、新たな気付きがあると思います。これからもぜひご視聴ください。

また「商社就活オンラインカレッジ」では、今後、総合商社 ES/面接対策ワークショップ、7大商社ES添削・模擬面接を開催します。
自分の本来の姿を自分の言葉で語れるようになって、総合商社の内定に大きく近づきませんか?


ー『総合商社 ES/面接対策ワークショップ』概要ー
〜総合商社から絶対に内定を勝ち取りたい就活生、必見〜

■ 実施要領: オンライン(Zoom)にて開催します。
        国内外どこからでも参加可能です。
        ZoomのURLは申し込みされた方にメールでお伝えします。
        開始5分前に入室してください。
■ 日程:   3/5(金) 3/9(火) 3/10(水) 3/12(金) 3/16(火) 3/17(水)
        10:00〜13:00(3時間)
        内容は各回とも同じです。
■ 料金:   5,000円(税込)
■ ゴール:  ES/面接対策の基礎となる以下について、自分の答えを
        固める。
        ・ガクチカ
        ・自分らしさ(自分の強み)
        ・商社業界/商社各社の志望理由
        ・商社でやりたりこと(ビジネス構想)
■ 募集人数: 各回25名限定 
        ※定員に達した時点で募集を終了させて頂きます。
■ 持ち物:  ノート/ペン、またはPC
■ 服装:   自由(私服でお願いします)
■ 進め方:  講義+グループディスカッション・発表
■ その他:  キャンセルはやむを得ない理由の場合に限り3日前まで可
■問い合わせ先: info@thebeyondjp.com


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