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【商社就活】#7 商社内定に向け学生時代に習得すべきこと(1) −創造力(学業)

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【この記事で説明すること】
・なぜ商社で活躍するために「学業」が必要か?


「次世代商社」において求められる人材像は「イノベーティブ・グローバル・リーダー」であるとご説明しました。将来、商社において「イノベーティブ・グローバル・リーダー」として活躍するために、大学時代に習得すべき土台は、「創造力」「多様性」「信頼」の3つとなります。

そのうちの「創造力」については、「学業」「考え抜く力」「デジタル・テクノロジー・リテラシー」の3つあり、今回は「学業」について説明します。

当方が考える『次世代商社における求める人材像』

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さて、今回の本題の「学業」の説明に入る前に、「創造力」について補足します。

「次世代商社」に求められる要件の一つに「イノベーティブ」があり、イノベーションを起こし革新的な価値を生み出すことに「挑み続ける」ことが求められます。
イノベーションを起こすというのは、かなり難易度が高く容易なことではありませんが、そこまでいかなくても「膠着(こうちゃく)状態」を打破しなければならないことはよくあります。意見が対立したり、意見が出つくし議論が尽きたりして、解決策が見出せない状態です。このように膠着した状態を、まったく新しい意見や正反対の意見を出すなど「創造力」を発揮し、打破できる人材はたいへん重宝されます。つまり「突破力」のある人材、「ブレイクスルー」できる人材が求められています。そういった観点でも「創造力」を磨くことは非常に意味のあることであると言えます。グループディスカッションやディベートにおいて、この「突破力」があり「ブレイクスルー」できるという点は、評価の重要なポイントの一つであると言えます。

【考えてみよう】
「想像力」とはどのような力のことを言うのでしょうか?

もう一点補足します。「創造力」と同じ発音の言葉に「想像力」という言葉があります。「創造力」は現在において”より”求められるようになった力ですが、「想像力」は従来から変わらず、商社パーソンのみならず、社会人にとって不可欠な力であると言えます。
「想像力」とは一言でいうと「トラブルを未然に防ぐ力」のことです。なぜ「想像力」が必要か。それは、「トラブルを未然に防ぐこと」と「発生したトラブルを解決すること」を比較すると、前者の方が、かかる労力・時間・コスト・精神的負担が圧倒的に少ないためです。発生したトラブルを解決するのは本当に大変なことです。通常業務にも支障が出てきますし、社員の士気の低下にも繋がります。トラブルは未然に防ぐに越したことはないのです。
ではどうしたらトラブルを未然に防ぐことができるのでしょうか?それは「想像力」をはたらかせ、「万が一に備える」「最悪の事態に備える」ということです。例えば、このままだと〇〇〇〇なトラブルが発生する可能性があるので、△△△△を用意しておこう、XXXXに連絡しておこうということです。別の言い方をすると、「先読みし、行動に移す」ということです。トラブルを解決する力はもちろん重宝されますが、トラブルを未然に防ぐ力、すなわち「想像力」はより重宝されると言えます。「想像力」は日常生活で磨くことができる力です。ぜひ磨いてください。


【考えてみよう】
なぜ「創造力」を磨くために、「学業」が重要なのでしょうか?「学業」を通じて習得できる力は何でしょうか?


では、本題の「学業」に入ります。

会社は人材選考において、最近は重視している会社が増えてきていますが、大学時代の学業成績をそこまで重視していないように思われます。
同様に学生も、人によって程度は異なりますが、大学での学業にそれほど力を入れていない人も多いように思います。
選考において何を重視するかは会社の判断ですし、大学時代に何に注力するかについても個人の判断によります。
ただ、商社パーソンに限らず社会人になって「成長」を続けていくという観点からは、大学での学業は極めて重要であると考えます。それは、大学での学業を通じて、社会人として求められる基本的な知識・スキルを獲得することが可能だからです。具体的には、以下のとおりです。


自己統制

社会人になると、一人で仕事をすることはまずありません。上司や先輩、社内の関係者、お客様や社外パートナー等と「協業」することになります。組織の一員として、与えられた業務を期限までに完遂し、役割をまっとうすることが求められます。その役割や業務が、自分の「やりたいこと」や「興味のあること」と違う場合でも、それを言い訳にして「やらない」という選択肢はありません。やらなければいけないわけです。
一方学生は、ゼミやプロジェクトなどにおいて「協業」はありますが、何をやって何をやらないかは基本的に自己判断によります。授業をサボったり手を抜いたとしても、自分の成績や単位に跳ね返ってくるだけであり、他者から強制されるものではありません。
自己の統制において、社会人と学生は根本点に違うということを理解した上で、自由度の高い大学時代にあえて「自己統制」を養うことが必要だと考えます。「自己統制」とは、誘惑を断ち切り、自分のマインドや行動を適切にコントロールし、「やるべきこと」を期限までに完遂する「習慣」と定義します。また、「やるべきこと」に限定せず、「やった方が望ましいこと」も含むことにします。
社会人という環境に身を置きさえすれば、自然と「自己統制」ができるようになると考えている人もいると思いますが、それは間違いです。「自己統制」とは「習慣」であり、「習慣」を変えることは簡単にはできません。できるだけ早いうちに「習慣」を変えることが必要であり、これは「成長」につながることでもあります。授業に出て、単位を落とさないということは最低限必要ですが、それだけでなく、時間を有効に活用し、良い成績を収めることも求められると思います。「自由」というのは「責任」を伴うものです。ぜひ大学生としての「責任」を果たし、「成長」してください。


「考える力」「コミュニケーション力」「幅広い知識・教養」

考える力:
大学ではいままでよりも、「自分の頭で考える」機会が格段に増えます。「自分の頭で考える」というのは、自分で課題を見いだし、自分なりの答えを導き出すことです。自分自身で仮説を立て、検証を繰り返し、答えを見つけるプロセスであると言えます。
大学では、「論文」や「レポート」を書く機会が増加します。質の高い「論文」や「レポート」を書くのに求められる力は、まず、その「論文」や「レポート」を通じて何を伝えたいか、つまり「ゴール」を設定する力です。それには「前提条件」を設定する力も含まれます。
次に、ゴール達成までの道筋を立てる、つまりどのようなプロセスで、どのようなスケジュールでゴールを達成するかについての計画を策定する力が必要になります。
さらに、さまざまなルートから情報を収集し、それを重要性や関連性に応じて取捨選択する力も必要となります。
また、自分なりの考えを織り交ぜながらそれらを論理的に組み立てていき、簡潔に分かりやすく相手に伝えることも求められます。
社会人になると日々「業務報告書」「出張報告書」「客先訪問記録」「提案書」などを書く機会が圧倒的に多くなります。学生時代から、「考える力」を養い、考えを簡潔に分かりやすく伝えるスキルを磨いていく必要があります。


コミュニケーション力:
大学では、授業で自分の意見が求められ、ゼミなどではディスカッションやディベートをおこなう機会が増えると思います。
上記の「考える力」、すなわち論点を整理し、情報収集し、自分の考えをまとめる力が必要となりますが、相手の質問・発言の意図を正しく理解する力も必要となります。
これは簡単なように思えますが、社会人でもできていない人は結構多いものです。質問や発言の意図を正しく理解せず、的外れな答えをしてしまったり、話が噛み合わないことが結構あります。ディスカッションの流れを読み、適切なタイミングで効果的な発言をし、自分のペースに引き込んだり、相手を説得する力も求められます。
社会人になると、お客様との交渉や社内での会議において、このような力が求められます。「コミュニケーション力」の定義はさまざまですが、私は「コミュニケーション力」とは、「相手の質問・発言の意図を正しく理解し、会話のキャッチボールができる力」であると思います。


幅広い知識・スキル・教養:
大学の授業では、幅広い知識・スキル・教養を身につけることができます。商社に入ると「ファイナンス」「アカウンティング」「マーケティング」などの知識が求められます。また、後ほど説明しますが、次世代商社パーソンは、デジタル・テクノロジー・リテラシーが求められますが、「確率・統計」「人工知能(AI)やディープラーニングの基礎」等も必要となります。また最近は、ビジネスにおいて消費者のニーズや行動を理解するために「心理学」や「行動経済学」の重要性が高まってきています。「文化」「芸術」「哲学」「歴史」などもビジネスに関連してきます。
大学の授業で獲得できる知識・スキル・教養が、すぐにビジネスで役立つというわけではありませんし、それが求められているわけでもありません。しかし、大学の授業で、ベースとなる基本的な知識・スキル・教養を獲得すれば、将来における継続した学びを通じて、知識・スキル・教養の幅は広がり、深まっていきます。


大学の授業は、ビジネスには役に立たないと考えている人は多いように思われます。それは、大学で習得する知識・スキル・教養が直接ビジネスに役に立たないという一面だけを見ているからでしょう。上記のとおり、大学の授業は、社会人として求められる知識・スキルを総合的に養う機会を与えてくれます。「成長」を目指していくにあたり、このような機会を活かさない手はないと考えます。



【まとめ】
・大学での学業を通じて、社会人として求められる基本的な知識・スキルを習得することが可能である。
・具体的には、「自己統制」の習慣化と「考える力」「コミュニケーション力」「幅広い知識・教養」を磨くことである。


次回は、【商社就活】#8 商社内定に向け学生時代に習得すべきこと(1) −創造力(考え抜く力) です。お楽しみに!


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