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五輪取材を夢見て、30代目前でスポーツ紙から転職した記者の不安が“可能性”に変わった話|編集部員1000wストーリー②

 THE ANSWER編集部のnote担当ヨコタです。

 編集部についてより深く知ってもらおうと、今回から「THE ANSWER編集部員1000w(ワード)ストーリー」と題して、編集部員のこれまでの人生やキャリアを振り返る物語を3回に分けて、お届けします。取材のプロである編集部記者が取材し、1000文字で書き上げたストーリーをぜひ読んでみてください。

(第1回はこちらから)

 第2回は今年35歳になる編集部員Hさんです。

 Hさんは大手スポーツ紙から移籍した転職組。新聞社時代は野球、ボクシング、ゴルフなど数々の競技を取材してきました。30歳を目前に飛び込んだWebメディアの世界は、不安ではなく「可能性」に満ち溢れていたそう。

 いったい、なぜなんでしょうか。


 気温30度超え、8月のブダペスト。目の前で、世界で8人だけに許された戦いが始まろうとしていた。

 2023年世界陸上、男子100メートル決勝。刹那の静寂、ドナウ川を臨むハンガリー国立競技場の夜空に「パァン!」の号砲が響いた。世界の息が止まる10秒間。その舞台に日の丸をつけ、駆けたのが24歳のサニブラウン・ハキームだった。

 海外の猛者との激しい競り合いの末、10秒04。前年、自身が記録した日本人最高を1つ上回る6位で、日本陸上界の歴史が生まれた瞬間だ。

 鳥肌ものの激走を目の当たりにし、息を荒げて、スタンドから各国のメディアがごった返す取材エリアへ。汗ばむサニブラウンが発した「全く満足してない」の本音に、また震えた。東京から9000キロ。世界の真剣勝負に直に触れたからこその体験だった。

 思えば、不安は遥か彼方に消えていた。2019年6月、転職した頃のことだ。

 2014年に入社したスポーツ紙では、番記者としてプロ野球・阪神、ボクシング世界王者の村田諒太、女子ゴルフ賞金女王のイ・ボミら一流アスリートを取材。成長を求めて、THE ANSWERに加入した。最大の懸念は「これまで通り取材ができるか」。

 新興のWebメディア。名刺の威力に甘えられる「大手」の看板はない。

 しかし、入社から半年で井上尚弥、八村塁、大坂なおみ、松山英樹、渋野日向子、瀬戸大也、大野将平らトップアスリートを取材。日本のみならず、世界陸上や世界水泳、ラグビーW杯など国際大会で中国、韓国、アメリカ、ハンガリー、フランスに渡り、1人で取材した競技数は「23」に及んだ。

「担当制を敷く会社だと、これだけ多くの競技、選手に関われることはない。喜びを感じた」

 錆びついた固定概念で、日本人選手だけを取材していたあの頃とも違う。ブタペスト世界陸上では全23回の連載「陸上界の真珠たち」を展開。海外勢や世界から集まったメディア関係者も取材し、陸上とスポーツの新たな価値観を探った。

 編集部には「やりたい」を実現しようという気概がある。

「日本以外にもスポーツの魅力は転がっているし、THE ANSWERならそれができる。前職で題材にしなかったものも、やってみれば数字に表れる」

 2028年、ロサンゼルス五輪を現地取材するのが最大の目標だ。「今のメンバーなら実現できると思っている」。五輪で輝くアスリートたちの活躍を、THE ANSWERから届ける。きっと、必ず。

世界陸上の取材で訪れたブダペストに流れるドナウ川

 取材現場でバリバリ働き、輝くHさん。本当に多数の競技に携わっていますが、「広く浅く」ではなく「広く深く」それぞれのスポーツの魅力を伝えているのが凄いところで、それを実現させてくれる環境もうれしいですね。

Hさんにインタビュー

 さらに、THE ANSWERに興味のある皆さん向けに、Hさんに今回のこぼれ話も含めて聞いたので紹介します。

――スポーツ紙から転職に至るまで、どんなことを考えたんですか?

 取材、執筆がある程度できるようになり、「もっと自分を成長させたい、上手くなりたい」と思ったのが一番の転職理由です。環境を変えるのが大きな変化を生むと思いましたし、Creative2には憧れている優秀な人たちがいた。精鋭部隊に飛び込めば、自分を成長させられると考えました。

――転職を決断するとき、悩んだことはありますか?

 これまで通りに取材できなくなるのではないかと思いました。前職でお世話になったボクシングの村田諒太選手の所属ジムにも挨拶に行って驚かれましたが、自分のことを知ってもらっていたので、変わらず取材させてもらえました。女子ゴルフもそうです。むしろ自分次第で、取材できる競技が広げられるのはメリットに感じました。

THE ANSWER移籍後に取材したボクシングの世界戦・村田諒太―ゴロフキン戦

――前職と比較してTHE ANSWERの良さはどんなところだと思いますか?

 新聞社なら行数制限もありますし、デスクの指示に合わせる必要があります。THE ANSWERに来てからは個人の裁量に任せてもらえて、なにより新聞社にいたら書けなかった話も書ける。あとは結果さえ残せば挑戦させてもらえるところ。もちろん、全てが叶うわけではありませんが、最大限叶えさせようとしてくれます。

――今後、取材者として実現したい目標はありますか?

 THE ANSWERだから取材受けた、THE ANSWERだから取材パスを出した、THE ANSWERだから読んでみた、THE ANSWERだから入りたい、書いてみたいと思われる媒体にしたいです。どこかの誰かのためになるような記事を出したいのは変わりません。

――働く環境面は、前職時代と変わりましたか?

 働き方自体は変わっていませんが、休みは明らかに増えました。朝起きてPV数などの数値は見ますが、ニュースを抜く、落としたの強迫観念はありません。給与に関しては結果を出せば見てくれているし、自分次第。上がり幅は何倍も違います。

――ここだけの話、今の職場に不満はありますか?

 印刷機の位置を変えてほしい(笑)。それくらいです(社内で最も編集部のテーブルから遠い場所にあります…)。確かにコタツ記事を書くこともあるので、現場記者からすればそれをやりたくないのは当然だと思います。でも、そこはこれから変えていく領域。成果を出せば認めてもらえる職場なので、やりがいはあります。

2019年光州世界水泳で五輪女王サラ・ショーストロムに直撃。当時闘病中だった親友の池江璃花子へのメッセージを受け取った。こんな自由な取材もWebメディアならでは

――5年前の自分と同じように、興味はあるけれど迷っている人に言いたいことはありますか?

「早く来て」です(笑)。自分の場合、入社して2日目にはよかったと思った記憶があります。迷う時間がもったいないくらい、入ってよかった。情熱、実力ある人は大歓迎です。THE ANSWERはまだまだ成長段階。一緒に成長させていく気概のあるメンバーをお待ちしています。


 今回はここまで。次回は「THE ANSWER編集部員1000wストーリー③」です。お楽しみに!

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