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音楽

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音楽(主にクラシック)についてのアウトプット
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音楽への没入(2023年8月30日)

音楽への没入(2023年8月30日)

生活が落ち着いたので、以前の記事を読んだ友人からの疑問について考える。

①西洋音楽は理論を固めて作られているので、言語的側面が大きいのではないか。

音楽理論=言語という側面は多分にある。だからこそ、即興音楽は音楽理論を無視した完全な(?)感覚的芸術であり、言語化というプロセスを経ないのだと思われる。

しかし、音楽理論に基づいて作曲された曲を演奏することにも、言語化プロセスを経ない表現ができる

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武満徹の言葉

「作曲するということは、われわれをとりまく世界を貫いている<音の河>に、いかに意味づけるか、ということだと気づいた」
(『武満徹全集』p.28 「音、沈黙と測りあえるほどに」)

作曲は音を生み出す作業ではなく、もとからこの世界に存在している音を拾い上げる作業ということだろうか。そうだとすると、思想的にはソシュール言語学のような印象を受ける。
言葉とは、世界から対象となるものを切り取るために必要な

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閉会式にて、武満徹作曲「波の盆」が使われていた。この曲は私が今まで聴いてきた音楽の中で最も美しいと感じている曲である。メロディはもちろん、特に素晴らしいのがオーケストレーションだ。木管とグロッケンとチェンバロを同時に鳴らすと、こんな幻想的な音になるのかと、ハッと気づかせてくれる。