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やりたい事がない
「やりたい事がない」
いや、あるんだけど、無いんです。
休みがあったら温泉に行って、自然の中を散歩して、お世話になった人に挨拶に行って、英語を学び、海外にも。みたいな。
そういった事ならあるんです。
でも、お店をやめてまでやりたい事となると、思い浮かばなくて。
僕は昔からどうしてもやりたい事というものが無く。
映画が観れて、本が読めて、好きな物が買える状態。
これになりたいんですが、これはやりたい事というよりも、あくまでも状態に過ぎず。
だから、変な話、仕事なら何でも出来るとも思っているのです。
目指すべき状態はあるので。
技術的な事は置いとくけど。
ただ、やりたい事となると頭を悩ませてしまい。
今の仕事がどうしてもやりたいかと言うと、そうとも思ってなくて。
カフェで働き始めたのは無料でコーヒーが飲めるからで。
お店を始めたのも相方に誘われたからで。
自分から「どうしてもこれをやるぞ!」と、込み上げてきた事はなく。
なぜお店を続けてるかと聞かれたら、迷子になりそうだからです。
だから、誰か買ってくれないかな。
とか
どうしてもうちに来てくれ!
とか
外の人に引っ張ってもらわないと、僕は変われない気がしていて。
何ともまあ現代っ子みたいだと自分でも驚いています。
(よっ、内弁慶)
仕事を通して実現したい事を考えればいい。
そんなアドバイスも耳にするんですが、僕の実現したい事は家族の平和と半径3mの幸せで。
家族は言わずもがなで、半径3mは比喩です。
まあ分かるか。
目の届く範囲の人に、僕がいてくれたら助かると思ってもらえたら幸せで。
何か大きな事をしでかそうと思った事は無く。
何か大きな事をしでかそうとする人が、必要としてくれたらいいなと思っています。
(目指せ、ベン・ベックマン)
そう考えると、この仕事はやはり向いていて。
どうしてもやりたい訳ではないけれど、勝手に半径3mに入ってきてくれるのは、性格的に合っているのです。
『積極的援助』ではなく『消極的回復』。
ホイミやケアルではなく、宿屋の役割。
道理で『INN』の店名がしっくりくる訳だ。
僕が考えた訳ではないけれど。
お店をいつまでやるのか、いつ休むのか、もっと他の事を。
色々な事を言われますし、ほとんどの人が善意ですし、有り難いです、本当に。
でも、こればかりは僕にも分かりません。
人生をかけてやりたい事を見つけられたらいいんですが、それはまだ行方不明なのです。
今の所、この仕事の不満と言えば収入で。
もちろん僕の貯金的な意味もあるんですが、「どうしてお金が欲しいのか」という話をした時に、頭に浮かんだ事がありました。
「Air Podsを片方だけ落とす人が沢山いるんですよ。その人がうちに来て嘆いていたら、躊躇なくその場で買ってあげれたらいいですね」
こんな話をしまして。
令和の足長おじさんを目指してる訳ではないんですが、ちょっとした不幸を解決出来るぐらいのお金は欲しいなと。
あれ買って、これ買ってと言ってきたら、「稼げ」の一言で終わらすけど。
ちょっとした不幸ならね。
自転車を盗まれた僕には痛いほど分かるので。
なりたい状態にこれを加えとこうと思います。
やりたい事は今はまだ行方不明という事で。
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