【経営学について実務での気づき⑤】
こんばんは!
本日は実際に実務で直面している課題に関して書かせていただきます。
恐らくMBAで必ず学ぶと言っても過言ではない、産業分析フレームワークのファイブフォースを基に進めていきたいと思います。
医療機器業界の構造
医療機器市場は市場参入障壁が高く、一般的に「独占、寡占」状態に近いと考えております。しかしながら、外科手術におけるイノベーションが15 - 20年周期で起き、それに伴って産業構造が大きく変化します。そして今まさにその変化が起きている最中だと感じております。
代替品の脅威
ファイブフォースの中でも本日は代替品の脅威にフォーカスしたいと思います。
▲マイケルポーターの競争戦略に興味のある方はご参考まで。自身の業界構造を俯瞰して考える際に非常に参考になります。
従来の外科手術は大きく分けて開腹手術と腹腔鏡下手術と2つのオプションがありました。昨今は新聞でも取り上げられることが多くなった第3のオプションとしてロボット支援下手術が台頭してきております。
ロボットというとすべて全自動といったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、そうではなく、あくまで外科医師が同じ手術室内でロボットを操作をして手術を行います。手術のクオリティやアウトカムには大きな違いは無いものの、医師の疲労度合いや手ブレが従来手術よりも軽減されるといったデータから、この手術形態が増えてきております。
外科手術にまさしく破壊的イノベーションが起き、業界構造が大きく変化しました。つまり、寡占市場だったところに強烈な代替品の脅威がやってきたのです。
代替品の脅威への対策
教科書通りでいけば、スイッチングコスト(既存の製品から代替品に乗り換える際に発生する金銭的、心理的コストなど)を高める、デザインや機能を向上させる、コスト対性能の点で代替品を上回る、などが挙げられるかと思います。
当社製品 vs 代替品の脅威
コスト対性能・・・◎
スイッチングコスト・・・◎
しかし顧客ニーズとしては新しい手術手技に取り組みたいというのが実際のところです。保険制度も整い第3の手術オプションとしてしっかり定着しつつあります。
セオリーを知りつつ実務に対応
MBAや経営学に関する学びについて否定的な意見もあるかと思いますが、私個人としてはビジネスのセオリーを知っておくことは非常に重要かと思います。実際に在学中に過去実務で起こった事象に関して、学術的な視点で学ぶことによって、なぜ起こったのかを俯瞰して考えられるようになりました。
今まさに直面している代替品の脅威への対策は模索中ではありますが、恐らく過去に何度も同じことが起こった業界があるはず。それを見つけ、実務に応用し、新しい知と融合することで乗り切りたいと思います。
本日もここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
それではまた明日!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?