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【しんけい #16】家族と誰かのためのモノづくり


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廣瀬元紀(おぎモトキ)さん


 おぎモトキさんは、障害のある息子さんなど「家族のためのモノづくり」を実践し、100以上の発明品を生み出してきた。その模様は、2024年2月、日本テレビ『真相報道バンキシャ!』でも密着取材され、大きな反響を呼んだ。


 おぎモトキさんの息子さんは、妊娠24週、865グラムの超低出生体重児として「突然誕生した」。医師からは、脳性麻痺と宣告された。


 「それまで障害とは全く無縁。将来どうなるかわからない不安感に襲われた」


 成長する息子さんは、身体面では座位保持/立位が難しく、知的面では遅れが見られ、発語も困難だった。


 そんな不安から脱却するために、おぎモトキさんが決めたことの一つが、「できないことを嘆くのではなく、できることを探して喜び、その可能性を広げる」ことだった。

 身近なことから、幼稚園の運動会で例え歩けなくても、やり方を変えれば目標に向かってゴールできる経験を息子さんに味わってもらい始める。


 何より、おぎモトキさんは、国内大手電機メーカーで、電気プログラミングやロボットのエンジニアだった。そのスキルと「障害者家族という掛け算で何かできないか模索するようになっていった」

 会社では、屋外を自動走行する移動ロボットの開発と並行して、遠隔コミュニケーションロボットを融合させるプロジェクトにも取り組んだ。障害者でも外出を体験しやすくなったり、また将来的に「遠隔のロボットオペレーターという新しい仕事にもつける」ことを夢見た。


 しかし、大企業の製品開発は新規だと数年に及ぶ事が多いため、「今の息子には寄与しない」。そこで、おぎモトキさんが始めたのが、冒頭にご紹介した「家族のためのモノづくり」だった。障害のある息子さんやご家族の日々の困りごとを自分の得意な電子工作スキルを駆使して解決しようと始めた。


 「当事者の具体的な困りごとから発明アイデアが生まれる」

 例えば、体が自由に動かなくても、息子さんに笑って楽しんでほしいと開発した『ボール転がし装置』や『天井プロジェクションゲーム

 また、スイッチひと押しで一打できる支援ツール『アームワンダ』は、ベル・ギター・ドラムなどの楽器演奏や、金魚すくいやビール注ぎまでを可能にした。おぎモトキさんは、「ほら、父親として息子にビール注いでもらうのって夢でしょ」と笑顔で話してくれた。この「アームワンダ」は今や、150台近くの製作依頼を受け、身体に何らかの不自由を抱える全国の子供たちに提供されている。


 「子供の好奇心から小さな成功体験を引き出す」

 「障害のあるお子さんは自分でできることが少ないので、諦めがち」であることを覆そうと開発したのが、『スイッチで動く爆走どうぶつさん』。誰もが昔遊んだ太鼓おもちゃに「ふつう」「ぼうそう」「かおす」の3つのボタンを付けて改造した。「自分の意思で選ぶことで遊び方を変えられる」という成功体験のためだ。

 『魔法のバリフリガチャ』も同様に、力が足りなくてもガチャガチャを回せる成功体験が得られるように開発された。

 そして、「歩いたことがない故に歩く意味がわからず、辛いだけで、歩くことへのモチベーションがわかなかった」息子さんのために開発されたのが、『Melody Shoes』だ。両靴で音が異なり、足を交互に踏み出すことでリズムになる。実際、この5年後に息子さんは歩行器で歩けるようになった。そして、これも要望に応じてピカチュウの音楽や、電車運転手になりきれるように工夫されるなど、全国の子供たちに提供されている。


 「誰かのできない事はみんなの価値になる」

 おぎモトキさんは、難病や重度障害があっても遠隔で一緒にスポーツを楽しめる『オンラインボッチャ』の開催にも協力している。これは今や、スポンサー付きで全国大会が開かれ、海外とのエキシビションマッチも開かれる。これに参加した参加者からの感想は、「工夫すれば何でもできるから、これからも工夫して何でもチャレンジしていきたい」。大きな価値を生んでいる。

 しゃべれない息子さんに、友達と交流するきっかけをつくるために開発したのが、スイッチ操作一つで、あいさつやじゃんけんができるロボットハンド『とものて』だ。これにより、息子さんが通う地域の普通校では、周囲に自然と友達の輪ができた。何より、おぎモトキさんにとって「家では見たことがない息子の表情が見れた」


 「自分の意思で動ける事が、成長と生きがいをつくる」

 歩けない息子さんに「自分の意思で行きたいところに行ける」体験を作るために開発したのが、子供成長支援モビリティ『ToMobility』だ。これを使いこなせるようになった息子さんは、自らの操作で学校に登校できるようになり、校庭では友達と遊ぼうと「コミュニケーションを取るために」自ら動かすようになった。


 これだけ多くの発明品を生み出したおぎモトキさんだが、「技術におぼれた失敗事例もある」と教えてくれた。誤解を恐れずに言えば、おぎモトキさんの開発は、最先端テクノロジーではない。しかし、当事者に寄り添った結果であることは間違いない。

 もう一つ、今の時代は「モノづくりのハードルが下がっている。だからこそ、技術力よりも、誰の何のためにやるのかという目的とモチベーションが大事。後者に想いが大きい人達に期待大です」とも教えてくれた。


 かっこいい技術よりも前に、まず当事者に寄り添い、何か一つでも当事者の願いを叶えていく。そんなおぎモトキさんのような起業家が少しでも多く生まれてほしい。





ここまで読んでくださった皆さまに‥


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