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ピンチをアドリブで乗り越える技 77/100(腹式)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


77回!
ゾロ目ですね。

今日は少し角度を変えて、エキササイズをご紹介します。

この連載を始めてから、
腹式呼吸と、腹から声を出すというのは、どういうことなのか?
というご質問を受けることがあります。

腹式呼吸というのは、役者に限ったことではなく、様々な業種の方々が行うことなので、そのためのメソッドなり手法も色々とあると思います。

ここではあくまでも、役者としての私が、どう腹式呼吸を捉えているかをご紹介いたします。

そもそも、なぜ腹式呼吸が必要か?

それは、ピンチに陥った時に、自分を大きく見せ、よく通る声で、冷静さを演出しつつ、発言に重みを持たせたい場面もあるのでは?と思うからです。

これらを実現させることができるのが、腹式呼吸での深い呼吸と、腹の底からの発声です。

まず、今あなたが腹式呼吸をしているか、そうでないかを確かめてみましょう。

鏡の前に立って、呼吸をしている自分を観察してみてください。

肩は上下していますか?
もし、しているようならば、あなたは肩で呼吸をしています。

この呼吸は浅いので、十分に酸素が身体に行き渡っておらず、極限状態では上擦った感じになりやすい傾向にあります。

肩は動いていなくても、胸部ばかりが動いていて、腹部は動いていないですか?

その場合も、やはり酸素が肺全体に行き渡っていません。

試しに、仰向けに横たわって呼吸をしてみましょうか?

どうですか?
お腹が上下しますよね?

これを立った状態でも行いたいのが、腹式呼吸です。

次に、膝を曲げて屈んでみましょう。ヤンキー座り、蹲踞といわれる姿勢です。

もし可能ならば、踵は地面に着けてください。

西洋人的な体型の方とかだと、踵を着けることが難しい場合もあります。そのまま後ろに転がってしまうらしいです!

さて、この体制のまま、できるだけ膝を離して脚を広げてください。

この状態で呼吸をすると、腹部、場合によっては腰の方にまで空気が入り込んでいるような感覚になりませんか?

実際には、空気が入っているのはもちろん肺だけなんですが、肺が膨らむことで横隔膜が押し下げられ、そういう感覚になります。

腹式呼吸というのは、この横隔膜を動かすことによって肺を拡張し、大きく空気を吸い込む呼吸法を言います。

ちなみに、この呼吸法を鼻だけですることは難しいです。

試しに、鼻呼吸をしてみてください。きっと肩が上下したり、胸部が伸縮するはずです。

理想的な腹式呼吸ができていると、肩は動かず、胸部の動きも大きくなく、主に腹部が動くはずです。

ここまで出来ていると、自動的に重心はある程度下がっているはずです。

さらに下げるためには、こちらもご参照ください。

そして、喉に頼らない、横隔膜を使った発声に関しては、こちらで詳しくご紹介しています。

数日前に、こんなツイートを見つけました。

まさにその通りだと思いますし、しっかりと腹式呼吸が出来ていると、夜通しでカラオケ歌っても、喉つぶしませんよ!

ピンチに陥った時、まずは鼻呼吸をしないことを心がけるべきでしょう。

口呼吸をすることで、深い呼吸をしやすくなり、脳に十分な酸素も送り込まれます。

そういえば、漫画とかで怒ってる人、おもにおじさんキャラって、鼻の穴を広げて、
「ふーっぬ!」
と、鼻呼吸で怒りますよね。

これでは頭に血が昇りやすく、上滑りになってしまいます。

『オーバーアーム』の状態ですね。(3/100参照)


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