ピンチをアドリブで乗り越える技 85/100(スピーチ2 -まとめ)
自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。
前々回に引き続き、スピーチ時に使える技術、その2です。
私が直面したピンチでもお伝えしたように、まず必要なのは『三つの輪』でしょう。
それも、『三つ目の輪』ばかりを使って全体に話しかけるだけではなく、『二つ目の輪』を使って、前列の人に話しかけたり、『一つ目の輪』を使って、自問自答するなどして、バリーションを持たせることも重要です。
『振動させる部位』と『目線』、『海苔巻き』を使い分けて変化をつけると良いと思います。
また、大勢の人前で話すということは、誰しも緊張するものです。
かく言う私でも、なかなか緊張します。むしろ、緊張していない時のほうが危険です。
適度な緊張は、アドレナリンを放出させてくれますので、人前に出る時に必要なエネルギーと、速い思考回転速度を与えてくれます。
緊張していても、重要なのは重心が上がり、肩に力が入ってしまい、上擦った状態にならないようにすることです。
そのために役立つのが『壁押し』です。
重心を下げると、呼吸も下がるので、遠くまで届く発声をしやすくなります。
また、肩に力が入らないようにするには、ストレッチも有効ですが、簡易なものとしては、一度あえて思いっきり肩に力を入れて、ガチガチの状態にしてから、一気に力を抜く、というのも手軽で役立ちます。
あと、人に見られていると思うと、妙に手をどうしたらいいかが分からなくなり、手持ち無沙汰になりますよね?
そういう時は、『小道具』を使うことも有効です。
プロジェクター用のリモコンや資料、タブレットなどを、別に必要がなくても、敢えて手にすると落ち着きます。
イギリスBBCのニュース番組で、ある時キャスターが手に持つタブレットを見つけることが出来ず、急遽A4コピー用紙の束を両手に持って登場したのは、有名な逸話です。
めっちゃシュールですよね…何度見ても笑える、大好きな動画のひとつです!
途中で噛んでしまったり、何かミスをしたら、『キャンセル・アンド・コンティニュー』です。失敗に囚われていると、他のミスを誘発します。『リトル・ファッカー』の言うことは聞かずに、『The Witness』だけに集中して、『離見の見』で、自分の姿を俯瞰して見るように心がけましょう。
こうすることで、『ヘリコプター理論』も捉えやすくなりますね。
もちろん、こういったスピーチでは『アンダー・アーム』が基本になります。しかし時には『オーバー・アーム』も使うことによって、記憶に定着しやすい強い印象を与えることが出来るかもしれません。
間の取り方も非常に重要ですね。
『Thoughts』『Beats』『Change』を考えて分析し、どの部分でどのような印象を与えたいかを設計します。
一語一句、全ての言葉をはっきりと伝える必要はありません。
むしろ、丁寧に話しすぎてしまうと観客は安心して、聞いてるようで聞いてない状況になります。
走るところは走り、強弱、緩急をつけながら、間もつくり、心地よいリズムを心がけます。
とくに、『エ・ボン』は有効かもしれません。
一番伝えたい部分に『ボン』が当たるように設計しておくと、観客の腑に落ちるような表現が可能です。
さて、もう一つ大きな課題は、動きですよね…
西洋的なスピーチでは、昨今、舞台を左右に往復しながら話すスタイルが主流です。
でも、これって私たちにも有効なんでしょうか?
体格も印象も違う私たちがやってこそ映える、どこか日本的な発想の身体表現がないものか?と考えてみましたので、明日お話しします。
今回は総集編というか、ケーススタディー的に今までのまとめをしました。
『』のキーワードばかりが出てきて、意味不明だったかもしれませんが、これらは、どこかですでにお話ししている内容です。
お時間の許す時に、Googleのキーワード検索などしていただければ出てきるはずです!
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