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ピンチをアドリブで乗り越える技 92/100(スピーチ9 -発音)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


スピーチに関するお話も、そろそろ終えて、目標である100回目に向けて、まとめに入らなくてはいけないとは思いつつ、もう一つ。

なんか、全てのセリフを、同じ感じで言ってる役者さんっていますよね?

スピーチでも、ずーと単調で、同じ口調だから、聞きやすいけど頭に入ってこない、ってことありませんか?

なんでそうなってしまうか?考えていきたいと思います。

少し長いですがお付き合いくださいませ!

英語の言語的リズムの基本ともいえる、弱強五歩格の話は以前しました。

これに対して、日本語は「五七五七七」が基本になっていますね。

日常的に使うセンテンスって、けっこう5文字か7文字のことが多いです。

そして私たちは無意識のうちに、この「五七五七七」のリズムを心地よいと感じます。

でも、ここで日本語が英語と圧倒的に違うのは、以前「母音」と「子音」でもお話ししましたが、日本語には必ず母音が付くということです。

ローマ字表記にすればわかりやすいのですが、日本語の発音には「あいうえお」のどれかが、「生字」として入りますね。

英語には、シラブルという概念があります。

日本語では、音節と訳されますが、発音するなかで、母音が一つ入るごとに1シラブルとします。

これって、母音が常に入っている日本人には、いまいちピンとこない感覚で、私もいまだに、一つの単語に幾つのシラブルが入っているかと聞かれると、声に出しながら、指で数えないと分かりません。

余談ですが、英語生活を始めた頃に、一番発音に苦労した単語ってなんだと思いますか?

マック、もしくはマクド、です。

マクドナルド、という6文字の単語であるという意識が刷り込まれているので、どうしてもそっちの発音に、引っ張られてしまうんですね。

でも、英語発音だと、シラブル何個だと思いますか?

答えは3です。
そう、たったの3!

マクド、の3文字ではなくて、マクドナルド(ズ)を、わずか3つのシラブルで発音します。

məkˈdɑːnldz

という発音記号になるのですが、発音記号の話は省きましょう。

だって、これを見ると、あれ?って思いませんか?
この発音記号だと、母音らしいものは2つしか入ってません。

「e」を逆さにしたやつと、「a」に三角が2つ付いてるやつですね。
3つめのシラブルにあたる母音はありません。

と、いうことで、複雑すぎるのでこれ以上は踏み込みません。

そうそう、私も今調べていて驚愕したんですが、英語の母音って20種類以上あるんですって!

なんだか遠回りしてしまいましたが、要は、英語にはシラブルというものがあり、それを「弱強五歩格」を基本として、弱く、強くと、交互にアクセントをつけて発音します。

そして、1シラブルの長さは、子音の位置や多さによって、複雑かつ多種多様に変化しますので、自然と変化に富んだ発声になります。

それに対して、日本語は母音が頻繁に登場するので、単調になりやすい傾向にあります。

日本語は強弱でなくて高低、抑揚の言語だとよく言われますが、私の肌感覚では、抑揚がフィーチャーされるのは、母音の多さに起因すると思ってます。(イタリア語も!)

例えば、先述の、安倍、前首相の、ような、区切りの、多い、話し方を、英語で、しようと、すると、言語的、特徴から、そこまで、単調には、聞こえ、ません。

「For, example, if I were, to talk, like the former, Prime Minister, Abe」みたいな感じですね。

こう考えてみると、近頃よくスピーチで聞く、この区切りの多い話し方は、
英語のそれをそのまま輸入してきてしまった結果なのでは?
という気がします。

日本語には、またなんか違ったアプローチがありそうですよね?

たとえば、
「二字目、三字目を強く」「山を付けて張る」「張る前は沈む」「張った後は落とす」「イキシチニ」
とか?

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