見出し画像

ピンチをアドリブで乗り越える技 83/100(スピーチ1 -InsideOut/OutsideIn)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


これまで、個々のテクニック、というか技術に関して書いてきましたが、今日からは少し総合的なというか、ケーススタディー的なまとめをしていこうと思います。

例えば、先週末にお話しした私自身が直面した大ピンチ。

不特定多数の大勢に向かって話をする時に、気をつけるべきポイントをまとめます。

ところで、先日テレビのCMの『トヨタイムズ』を見ていて、ふと気になったのですが、豊田会長がスピーチをしている雰囲気が、安倍前首相とほぼ同じに見えました。

間違っているかもしれませんが、スピーチ・コーチが同じなのでは?と思うほどに、その型というか、パターンに類似点が多いです。

一番気になったのは、
どこか板についていない不自然さ
が共通している点です。

お二人とも、緊張をほぐすためなのか、一つの流れを、あえて、区切って、ゆっくりと、話して、います。

こうすることで、自分の中にリズムが生まれ、同時に言い間違えや、焦りも抑えることができるのでしょう。

そして、おそらくその一文一文を、群衆の中の一人ひとりに向けるように、目線を変えることで、不特定多数に話していても、パーソナルな話のように聞こえる効果と、自然な目線の変化を促しているものと思われます。

それが、自然体に見えるように出来ているかは別として、そういったコーチングの跡が見て取れます。

こういった型を意識して、取り入れることは重要です。

本番で、緊張していて、上がってしまってる時(そうか!重心が、ってことですね)、細かい指示に従うのは難しいです。

それよりも、一定の型を身につけておいて、その型通りにする方が、楽ですし失敗しにくいです。

しかし、ご承知のとおり、型通りでは面白みや自然な魅力が失われてしまいます。

話は逸れますが、私はInside-OutとOutside-Inという二つの型の形があると思っています。

武道でもそうですが、型というのは先人たちの叡智によって築き上げられてきた、非常に効果的な定型です。

Outside-Inとは、日本の古典芸能がそうであるように、型という枠がすでに定まっていて、そのなかで、逆算の創造を行い、中身を埋めていくという手法です。

逆に、Inside-Outは、中身先行です。

中身が成熟していくことにより、殻のようなものが出来てきて、型のような効果を生み出します。

これが出来上がってくると、どんな状況においても、この自ら作り上げた型を使って、常に合格点以上の成果を出すことが可能になります。

Inside-Outは、中身を出発点としますので、オーダーメイドの型が出来上がることになります。

話を先述のお二人に戻すと、どうやらOutside-In的な型の取り入れ方をしているのではないでしょうか?

それが、板についていない感じの、不自然さにつながっているものと思います。

さらに言えば、Outside-Inの手法は、鍛錬を重ねることによって、その型を自分のものとしていき、型を感じさせないほどの、熟練の域に達することも可能です。

サンドイッチマンの伊達さんが真似をしていたような安倍首相の話し方から、もう少し自然な雰囲気に変化していっていたのは、型が板についてくるという域に、達していたものと思われます。

この前の自分の大ピンチに関することを、まだ書けてませんね。

次回に持ち越します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?