『ルパン三世』の影響で日本で FIAT 500 が売れまくっている件
木曜日はオヤジのクルマ談義を。
イタリア FIAT社の小型車、FIAT 500 が売れています。
一定以上の年齢の日本人男性にとっては、非常に馴染みがあるクルマ。
アニメ『ルパン三世』の劇場名作『カリオストロの城』(1979年公開)で、次元大介を乗せて崖っぷちを疾走するシーンから、一気に認識が高まりました。
また女性にとっては、いわゆる『カワイイ』クルマとして大人気。
ルパン三世で描かれた第2世代の FIAT NUOVA 500 は、小さくて可愛い代わりにクルマとしては未熟で使いにくい部分がありましたが、2007年に第3世代の FIAT 500 になってからは自動車としての信頼も飛躍的に高まり、安全性も確保された為に、軽自動車では飽き足りない、リッタークラスの小型車に乗りたい女性がこぞって乗り始めました。
先代が『カワイイけど安全ではない、壊れる』というのは英国MINIも同様の状態で、デザインや大きさとしては乗りたいのだが、クルマの性能として不安があった。
それがBMWに買収されて NEW MINIとなったわけですが、ボディサイズは一気に2回り大きくなり、価格も大幅に高くなってしまった。
そういう意味でこの FIAT 500も、クルマとして不安のあった先代よりは一回り以上大きくなってしまったものの、NEW MINIよりも多少は安く、辛うじて手が届く女子やニューファミリーが購入したようです。
FIAT 500、
イタリア語で 500は『チンクエチェント』と読みますので、このクルマも『チンクエチェント』という愛称で呼ばれます。
フランスの旧名車 Citroen 2CV が、そのフランス読みから『ドゥ・シュヴォ』(deux chevaux)と読まれるのに似ていますが、私の世代では 2CV は『ドゥセィボ』と呼んでいたような気がします。
先に述べたように、この FIAT 500(2世代目)が日本でブームになったのは、ルパン三世が愛用したことが大きいわけですが、何故、ルパンがこれに乗ったのか?
それはどうやら当時の作画監督であった大塚康生氏の愛車であったということらしいです。
だからこそ、当時そんなに何台も走っていなかったであろうチンクエチェントのディテールまでしっかり描き込めたわけですね。
ルパンシリーズを描いていらした当時、どの程度の売れっ子だったのか存じ上げませんが、その時代にこの取り扱いにくいイタリア車を愛車にしていらっしゃる辺りが、いかにもお洒落なアーチストだなぁと感心します。
さて、現在売れまくっているチンクエチェントは先述の通り3世代目ですが、つい最近、電気自動車である 500e が発表されました。
現行のチンクエチェントからのモデルチェンジではなく、新たに電気自動車として チンクエチェントe が追加されるということで、デザインはさらに近未来化されたものになっています。
海外メーカーでは、日本でいう Hybridモデルではなく、充電もできる PHVや、一足飛びに EV車の開発が先行しているわけですが、この 500e も来るべき未来を見据えて満を持して発表された感があります。
まだまだ日本では主流になる気配がありませんが、環境保護に敏感な富裕層のセカンドカーとしてたくさん売れてくれたらいいなぁと楽しみにしています。
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