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『コーヒーは好きやけど缶コーヒーは飲めへんわぁ』と言われて久しい件

金曜日はグルメ&酒談義。
美味しい鰻丼をいただいてきたので、余韻に浸りながらコーヒーのお話しを。

世の中に、『似て非なるもの』というジャンルがあります。
芸能人格付番組で一流芸能人を騙そうとカネテツ社が次々と送り込んでくる『ほぼ〇〇シリーズ』なんかは、もう毎回見事に芸能人の舌を混乱させています。
原材料は明らかに異なるのに…(笑

若い頃に、缶コーヒーの販売に関わる仕事をしていました。
その時に友人から言われた言葉です。
俺、コーヒーは大好きやけど、缶コーヒーは飲めへんなぁ。もう少しちゃんとしたコーヒーに近づけられんのかなぁ…

どうやら彼は、街の喫茶店で提供される香り高いコーヒーと同じ味わいのものが、185mlサイズのスチール缶に充填されている状況を期待しているのでしょう。
販売していた側として開き直る訳ではありませんが、喫茶店のコーヒーと缶コーヒーを同じものとは考えずに、似て非なるもの、もっと言えば元々違うジャンルの飲み物だと割り切ってしまった方が気がラクだと思います。

そもそも、『喫茶店のコーヒー』と『缶コーヒー』という2者に加えて、『自宅で飲むコーヒー』というジャンルがあります。『自宅で飲むコーヒー』には、『豆から淹れる』のと『粉にお湯を注ぐ』のがあります。『豆から淹れる』派の中にも、生豆を煎って挽く人から、煎豆を買ってきて挽く人、挽いた粉豆を買ってくる人が居ます。淹れ方にしても、紙フィルターが主流のなか、布フィルター(いわゆるネルドリップ)にこだわる方もいらっしゃいます。
さらに焙煎挽き方方法や程度を論じるとキリがありません。

自宅・業務店ともにマシンを使う事も増えていますが、抽出法についての歴史は下記のような順番だそうです。

17世紀頃;トルココーヒー式(挽いたコーヒー豆を煮出して上澄みを飲む)
1711年頃;布ドリップ方式(フランス)
1800年頃;ドリップポットの考案(フランス)
1827年頃;パーコレータ式(フランス)
1830年頃;サイフォン式(ドイツ)
1901年頃;エスプレッソ式(イタリア)
1908年頃;ペーパードリップ方式(ドイツ)
(Wikipediaより抜粋)

日本に於いては、昭和の中期、一部の好事家がドリップコーヒー水出しコーヒーを楽しむ一方で、多数派は『フリーズドライコーヒー』、即ちカップに入れた顆粒状のソリュブル(湯に溶けやすい)コーヒーに熱湯を注いでコーヒーを楽しんでいました。食の洋風化が一気に進んでいった時期で、ブラックコーヒーは苦過ぎるからと、粉末状のミルクを入れたり、甘味を加える為に角砂糖グラニュー糖、或いはザラメ等をスプーン2杯程度入れる人が過半数だったような気がします。
今でも我々以上の年代には、『ネスカフェ(特にゴールドブレンド)』・『クリープ』という商品名が頭に刷り込まれています。

それから平成を経て、令和。
日本人のコーヒーの楽しみ方も随分と変化してきました。

缶コーヒーは250ml缶から190mlのショート缶、今では185ml缶が主流に。昨今は UCCや DAIDO・POKKA等のコーヒーメーカー系のブランドよりも、ビール系メーカー+コカコーラ社が売上上位を占めています。
ただ昔ながらの缶コーヒーは、昭和・オヤジ・運転の友・ブルーワーカー等のイメージを払拭しきれず、最近はPETボトル入りの商品が拡充しています。それも、280mlの小PETと呼ばれるサイズが主流だったものが、ここ数年は500mlサイズで展開されることが多くなりました。
缶コーヒーが開栓したら一気に飲み干すスタイルを前提としていたのに対して、PETコーヒーはキャップを開閉しながらチビチビ飲みするスタイルに対応しています。

一方で喫茶店のコーヒーはと言うと、従来のドリップコーヒーを提供するカフェに対して、シアトル系と呼ばれるライトエスプレッソタイプのコーヒーショップが出現。そのスタイリッシュなイメージと相まってスターバックス等のチェーンが伸長してきます。
加えて、マクドナルドを中心としたファストフードチェーンがコーヒーの品質アップに真剣に取り組み、100円から200円という価格帯でシアトル系カフェチェーンに負けないコーヒーを提供。
さらに『中食産業』と呼ばれるコンビニ各社も、100円で本格的なコーヒーを提供できるマシンの開発にシノギを削り、ファストフードチェーンに負けずとも劣らないコーヒーの提供に成功。今や各世代にすっかり定着しています。

他にも家庭用としては、ボトルコーヒーリキッドコーヒーと呼ばれる900mlPET1L紙パックも当たり前に冷蔵庫に常備されるようになりました。

そんなこんなで、日本人にとっての『コーヒー』はその裾野を大きく拡大し、バリエーション豊かになってきました。
冒頭の友人の言葉に戻るならば、確かに、缶コーヒーは彼が期待するドリップコーヒーと同じ味にはならないけれど、違うジャンルのコーヒーだと思えば確実に美味しくなっています。
スタバのコーヒーも、マクド(マックですか…)のコーヒーも、セブンイレブンのコーヒーも、それぞれ機材と豆の加工方法の研究開発を重ねて非常に美味しくなっています。
それぞれに美味しい、そう考えて楽しめばいいのではないでしょうか。

ところで私ですが…、
6年前に Nespressoのエスプレッソマシンを入手して以来、それ一筋。
エスプレッソサイズ(40ml)はきつ過ぎるので、専らルンゴサイズ(110ml)で楽しんでおります。お薦めです。

※トップのBOSSコーヒー画像は、キャリアハック 2018/12/05よりお借りしました。

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