『パーソナルコーディネーター』の真似事が楽しかった件
水曜日はオヤジのファッションを語っております。
若い頃から憧れていた職業といえば、
モノを書く人(随筆家でも小説家でもルポライターでも…)、
喋る仕事(セミナー講師・インストラクター・司会業・ラジオ等)、
そして服飾関係(イメージコンサルタント、パーソナルスタイリスト)でした。
最近になってようやく、無報酬ながらも、ブログを書いたりラヂオで喋ったりしていますが、とうとう『イメージコンサルタント』の真似事をさせていただく機会にも恵まれました!
発端は高校の後輩氏からのメッセージ。
『息子が来年、成人式です。高校の卒業式は「洋服の〇〇」で凌ぎましたが、成人式とその後のリクルート用にスーツを新調したいと思っています』
『Facebookやnoteを拝見していて、この件で相談できるのは先輩だと思うに至りました』
少しだけ事情をお話しすると、この後輩氏、生まれがサラリーマン家系ではなく伝統的な家業を継いでいらっしゃる為、大学を卒業されてからもスーツを着る機会が少なく、というか職業柄、特殊な装束を求められるので、スーツについてよく分からない。
とはいえ、成人式という愛息のハレの日に、販売店の言いなりになってありきたりの商品を買わされるくらいなら、日々偉そうに講釈を垂れている先輩にちょっと預けてみようか…
そんな経緯で依頼を受け、二つ返事でお引き受けさせていただきました。
私自身の長男については、高校の卒業式と成人式とを兼用するつもりで『洋服の〇〇』で済ませたものの、肝心の成人式には『行かない』と主張したもので、『晴れ姿』は見ていません。そんな経験もあって、他人様のご愛息を全力でコーディネートしたい!と思った次第です。
日程を決めてからお互い忙しく、事前にやりとりする機会もないままに京都・祇園四条駅で待ち合わせ。
端正なベビーフェイスの好青年が現れました。
一瞥したところ身長175cm内外、肩幅もあって私と似たサイズ感です。
『スーツは肩で着る』と言われますので、期待が膨らみますね。
私との大きな違いは、尻と太腿がしっかりしていてスキニータイプのパンツは履けそうにないなと感じます。
直ぐに、喫茶フランソワで『作戦会議』を。
まずは彼自身が、多少ぶっ飛んだモード系にしたいのか、或いはオーセンティックなタイプで上品に纏いたいのか等を確認します。
私としては、やや地味に思えるくらいにオーソドックスでベーシックなものを薦めようとしていたのですが、幸いにもそちらの方向性で意見が合致しました。
お父様(後輩氏)からどの程度任されているのか? 総予算はどのくらいか?等を尋ねたところ、
『父からは、きちんとしたものを揃えてもらいなさいと言われています』との回答。
『靴からなにまで、お任せしなさい』とも…
プレッシャーが高まります(苦笑)
というわけで、予め『上品路線』でピックアップし、地図にプロットしていた幾つかのブランドを順番に巡ります。
私が勝手に選んで着せ替えするだけでは申し訳ないので、ありったけの蘊蓄と講釈を垂れながら(苦笑)
かくして、四条河原町から三条寺町エリアを行き来すること2往復。
最終候補に残った2着を、何度も試着し写真に撮ってご両親にLINEしつつ、最終結論は彼自身に決めてもらいました。
濃紺の2ピースシングルスーツ。
130番という極細糸により、絹かカシミヤのようなテリと光沢を持った上品な生地。誰が見ても、上質感が伝わります。
彼自身、『これなら家族に何を言われても説得できます!』と。
実は隣のショップに、150番糸という驚異的に美しい艶感のスーツもあったのですが、あまりに繊細すぎて取扱いに気を遣い過ぎることや、価格が2倍ほどすることもあって見送り。
浮いた予算で、革靴は Scotch Grainの上級品番のストレートチップを買うことができました。
久々のデパート&ブティック行脚。
私もスーツ・ネクタイ・革靴で付き合いましたので非常に疲れはしましたが、『良いものを選んで差し上げて、喜んでもらえた』ことは何よりの幸福感でした。
素敵な機会を与えてくれた後輩氏に、あらためて御礼を申し上げます。
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