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Return to Forever / Chick Corea

仙台でも夏の足音がかすかに聞こえるようになってまいりました。本日の最高気温は27℃との予報。午後からは雨になるのだとか・・・
ここ STUDIO 080 のオフィスに引っ越したのは冬に向かう11月で、もうとにかくオフィスは寒かった。特に月曜日の朝は、建物自体が完全に冷たくなっていて、エアコンの温度設定を上限いっぱいまで上げても、ガタガタと震えが止まらないような状態であったことを記憶しています。あれから8ヶ月の時が流れ、STUDIO 080 は営業を開始。固定デスク会員の獲得には苦戦しておりますが、ようやくビールが美味しい、のどごしがうれしいシーズンを迎えられたことに小市民的な喜びを感じている次第です。
かつて、35℃前後の暑さに耐えながら東京の都心部で仕事をしていた頃のことになりますが、午後4時くらいから熱中症にならない程度に水分摂取を控えて自分の体を渇いた状態にコントロールします。そして、暗くなると同時にお店に飛び込み、生ビールをガァーッと喉に流し込みます。人生最高の瞬間です。
仙台で暮らし、クルマで通勤するようになって久しい現在、そのようなことはなくなってしまいましたが、それでも仕事の後の冷たい生ビールはたまりませんよね!その生ビールと同じく、疲れたココロとカラダを涼しく、やさしく癒してくれるような音楽をご紹介します。

Chick Corea の Return to Forever は、ジャズ史上最大のヒットとなったアルバムで、1972年の録音です。「これが元祖フュージョンだ」という人もいますが、そのようなことはどうでもよくて、サウンドが気持ちいい。そして、清涼感たっぷり!
チック・コリア(p)もスタンリー・クラーク(b)も大変なテクニシャンでありますが、アルバム全体を通して前のめりになることなく、自然な流れで演奏しているように感じます。ジョー・ファレルのサックス&フルートは美しい音色。意表を突くようなタイミングでバスドラがドンと響くアイアート・モレイラのラテン系ドラミングは「さすがはブラジル!」という感じ。上手いのか下手なのかよくわからないフローラ・プリムのヴォーカルもサウンドに不思議さを加えています。
ところで、みなさんはこのジャケットをご覧になって何を連想されるでしょうか?リチャード・バーグの世界的ベストセラー「かもめのジョナサン」。重なりますよね!小説は1970年に出版、翌71年には世界中で翻訳されました。そして、小説登場の2年後に、このアルバムが録音されたわけです。
Return to Forever という言葉から受ける印象も、何となく小説の主人公リヴィングストンの生きざまに通じるものがあると感じているファンも多いだろうと思います。
実を言いますと、このジャケットのような景色、私は本社の近所、高松埠頭でよくボォーッと眺めています。そのことを知っている弊社の社長は、
「大友は、よく港で仕事サボってるんですよ」という言葉を添えて、私を取引先に紹介してくれます。そんなとき ”わが社の社長はなんと理解がある人なんだろう“ と前向きに解釈しています。

寝苦しい夏の夜長、Return to Foreverを聴いて、海の上を飛んでみましょう。きっと癒されますよ。

Junichi Livingston Seagull

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