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”自覚しにくい感覚”→前庭感覚とは??~発達に必要な感覚を押えよう!~

皆さまこんばんは!コロナウイルスの影響で外出の自粛が出ていますね、、、

中々外に出られないのは大変ですが、こんな時だからこそお子さんに関わるうえで必要な”自覚しにくい感覚”について一緒に学んでいきましょう!

前回の記事では、

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こんなスライドを出しましたね!”感覚”には大きく”自覚しやすい感覚”と”自覚しにくい感覚”があり、その中でも”自覚しにくい感覚”は私たちの成長に大きく関わる!!ことをお伝えしました。

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脳の神経ネットワークを作る上で”自覚しにくい感覚”の刺激はとても重要です!特に未就学期にたくさん刺激を入れる活動を行い、脳の成長を促すことが将来的(日常の生活動作の定着や学習、情緒面など)にも必要になってきます。

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前回の記事では”感覚ってなに”と”感覚の種類”について主に書いていきました。今回の記事では”自覚しにくい感覚”について詳しく書いていく予定です!

今回の記事の目標は、”自覚しにくい感覚(前庭覚)が何なのかを説明できる”ことです!

”自覚しにくい感覚”には3つあります。揺れや加速度を感じる”前庭覚”、体の位置を感じる”固有感覚(深部感覚)”、全身の皮膚で感じる”触覚”があります。

早速前庭覚から見ていきましょう!

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”前庭覚”は揺れや回転、加速度を感じる感覚です。例えば私たちがブランコに乗った時に揺れを感じることが出来ますよね!?

この”前庭覚”は揺れる感覚を得るだけでなく運動や学習・情緒に深く影響を与えるのです!では、”前庭覚”はどこで感じるのでしょうか?!

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”前庭覚”は耳の奥にある”三半規管”、”耳石器”と呼ばれる所で感じています。(三半規管は何となく聞いたことがありますよね?)この2つの器官はそれぞれ別々の刺激を感じ取っています。(詳しく知る必要はありませんが、興味のある方はスライドをご参照ください!)

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”前庭覚”の一つの役割として”脳の目覚めをコントロール”してくれます。この”前庭覚”が上手く処理できていない(必要な前庭覚が足りない状態)と脳の目覚めが十分でなく、集中が続かなかったり癇癪を起しやすくなります。

私たちも頭がぼーっとしている時にブランコに乗ったり、ジェットコースターに乗ったら頭がすっきりしますよね?

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2つ目の役割としては”姿勢やバランスの調整”をしてくれます!この働きは運動であったり学習に大きく影響してきます!

私たちの体は無意識の中で姿勢やバランスを調整しています。いきなり転びそうになっても転ばず姿勢を保てたりしますよね?この時に”前庭覚”が上手く働かないとどのくらい自分が傾いているか分からず転んでしまったり、上手く姿勢を戻せなかったりします。

また、私たちの筋肉はある程度の緊張(張り)があります。この緊張を調整しているのも”前庭覚”なんです!緊張が調整できないと力の出し入れがうまく行かないことがあります。(イメージとしては、ゆるんだゴムのような状態です。新しいゴムと比べて使いにくいですよね??)

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また、”前庭覚”は目の動きとも密接に関連しています!皆さんぐるぐる回ると目が回りますよね?この時目をよく見てもらうと左右にぐらぐらと動いている様子が見られます。これは回転後眼振といって”前庭覚”がしっかりと脳に届いていることを示します。この回転後眼振が見られにくいお子さんは自分でぐるぐる回ったりするなど自分で刺激を取り入れる行動を多くすることがあります。

目の動きがうまく調節できないと投げられたボールを目で追って捕ったり、音読の際に文字を目で追うことが難しくなります。なかなか注目の出来ない(続かない)お子さんも目の動きが未熟で一旦見た所から別の場所に上手く切り替えられない場合があります。

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最後に、”自律神経の調整”の役割もしています。分かりやすい例を出しましょう!

車酔いをしやすい人がいますよね??実は車酔いはこの”前庭覚”と深くかかわっているのです!車に乗っていると不規則な揺れ(左右に曲がったときなど)の刺激が脳に入ります。この不規則な揺れの刺激に脳の処理が追い付かなくなると”自律神経”に影響し、吐き気や頭痛などの症状が出てきます。

*自律神経→交感神経と副交感神経があり、消化・発汗・血圧・体温など体の機能の調整や快・不快など人の感情の調整を行なう働きがある

以上が”前庭覚”の説明になります!何となくイメージは付いたでしょうか?!

細かい部分も覚えて頂けたら嬉しいですが、最低限覚えてほしいことは5つ

①”前庭感覚”は体の揺れや加速度(スピード)を感じる

②頭の目覚めをコントロールしてくれる(上手く働かないと頭がぼーっとした感じになり、集中が難しく癇癪を起しやすい)

③姿勢や筋肉の張りを調整する(座った時の姿勢を保ったり、適切な力加減をするときに働く)

④目の動きに関わっている(一つのものに注目したり、音読やキャッチボールなど日常で目を動かす活動に関わっている)

⑤情緒面に影響する(”前庭覚”が上手く処理されないと自律神経が適切に働かずに気持ちが不安定になりやすい)

今回も読んで頂きありがとうございました!次回は”固有感覚”について書いていきます!

#児童発達支援 #放課後等デイサービス #発達障害 #作業療法

#感覚

発達障害のあるなしに関わらず、お子さんに関わる方皆さんと一緒にお子さんの成長に向け楽しくサポートが出来るように頑張りましょう!