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融けるデザイン/個人的リマインド#1

メタファの限界

コンピュータ→パーソナルコンピュータ→Windows→iPhone→twitter/Facebook→VR/AR→今ここ。
twitter/Facebookはメタファでない。例えばみんなでつぶやくという行為が面白いという価値はtwitter以前にはなかった。
twitter/Facebookはメタファ(現実世界)を超えてしまった。

メタファの崩壊

メタファが崩壊するということは、現実世界での見立てが崩壊するということ。
崩壊することで、GUIを現実世界に沿ったものにしなくても良くなった。メタファを排除したデザイン、フラットデザインが生まれたのは必然。

人間の欲望

UXが重要になった背景。メタファを超えてしまった我々はまだ見ぬ体験へ到達したい欲望を抱くようになった。

道具の透明性

道具の機能に問題がなければ、その道具は透明になる。
例えば、「手」を使って「キーボード」をタイピンぐして文章を書く。「手」「キーボード」という道具を使って文章を書いている行為になる。
けれども、「手」を使っている意識はない。骨折でもしていない限り。この時点で「手」への意識はなくなり、「手」は透明と同義になる。
「キーボード」もキーを叩けば文字が入力される。機能に問題がなければ、意識はタイピングしている文章に向く。この時点で「キーボード」は透明化している。

つまり、道具が透明になることで行為に集中することができる。
優れた道具=透明が、証明される。

ガイドラインの必要性

日本の職人的発想が邪魔するもの。言語化しないことへの美意識。

言語化・ツール化するということ

価値や意義を説明できる視点、言葉がなければ、単に美しく、流行性のものということになる。デザインではなく、スタイリングとなってしまう。
iPhone登場直後に現れたiPhoneもどきが失敗したのは、単に表面を真似てアップデート/ディスアップデートにするにとどまり、道具としての役割に言及できなかったためである。
だからAppleはヒューマンインタフェースガイドラインを策定し、考え方を言語化した。

デザインは透明

傘立てのデザインを作ることになったら?上部に複数の四角い枠のある箱状のものをベースに作るかもしれない。
プロダクトデザイナーの深沢直人は玄関の壁近くに溝を引き、そこに傘の先端を引っ掛けて立てかけるという発想をした。
傘立ては、「傘を立てる」ことが目的の道具である。優れた道具は透明度が高い。無意識に立てかけられる傘立て。プロダクトデザインとしてのゴールがここにある。

無意識に着目する

無意識に着目することで、置物としての傘立てから逃れることができる。知覚的かつ情報的である。行為や意識に対応する設計となる。

環境を積極的に利用する知覚身体

行為が可能を知覚し、行為を拡張する道具が次の次元への「可能」を知覚する。環境と知覚・行為の接続が循環することで生まれるものが「体験」である。

プロダクトの主格は人

どんなに優れた技術でも、使い勝手が悪ければ人は使わない。利用者に優れた技術を使いたくなるようにするためには「可能」を提示する必要がある。

身体拡張

ペンをもてはペン先までが身体となる。車を運転すれば身体が車になる。
道具が透明になることで、知覚行為が発生する。

優れた道具が知覚を拡張し、そこに新しい「可能」を体験する。

手の消失

道具としての透明性を再定義。
「冷蔵庫のドアを開けて、ペットボトルを取り出し、コップを取り出し、コップにペットボトルからお茶を注ぐ」という活動を記述してみる。私の「手」はどこにも登場しない。一方でこの活動のほとんどの状況で私は「手」も見ている。ただし、意識の中から消失している。手と対象物を同時に見ている。ただし、手は意識から欠落している。

手が変形する

例えばボールを掴む時、手はボールの形合わせて掴めるように変形する。対象物、スイッチ、ドアノブ等によって手は自在に対象物を制御できる形に変形している。ここに「デザイン」が生まれている。

GUIにおける手、カーソル

カーソルも「手」と同じ役割を果たしている。リンクテキストの上に来たとき、テキストボックスに入ったとき、目的に応じてカーソルは変形する。

制約を吸収

システム特有の制約を「行為が吸収しようとすること」が「体験」をもたらす。

投げたボールはどこまでが身体か?

物を掴む時、手を制御して掴む。制御できるということは身体の一部、機能である。もし100%の活率で3m先のコップにボールを当て落とすことができたのなら。ボールを制御できていることになる。つまり物質てきな繋がりがなくても制御ができれば身体の一部であるのかもしれない。

自己帰属感の高いユーザーインターフェイス

操作に対する反応の速さ。操作に対する反応速度の速さがiPhoneにはあった。iPhoneは多くのオペレーションジェスチャを採している。グラフィックの動きと指の動きが連動するようにされている。

プログラマが認識の仕組みを作り、デザイナーが画面製のアニメーションを設計してしまうと、自己帰属させるような発想にたどり着けない。UI設計は原理に基づいて設計されるべきである。そのためにガイドラインが必要で、人間の自己帰属感を設計に取り入れる必要がある。

コンピュータの存在をどうやって透明にできるか

生体心理学的に見ると、人間は常に動いている。もし止まっているとしたらそれは死んでいることになる。「動き続ける」人間を指針とすると、「動きを阻害しない」ことで人間の意識にとっての透明性を得ることができる。

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