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寝る子は育つ、は本当なのか調べたら、 脳も身体も育つことがわかった話 Part2

こんにちは、かっちゃんです。
今回は前回の続きですね!(Part1はこちらから

前回は日本の子どもの睡眠時間が短いこと、
睡眠のメカニズムについて書きました。

睡眠不足による影響がどんなものがあるかを皮切りに、睡眠環境などにも触れていきたいと思います。
それではいってみましょう!



3. 睡眠不足による影響

①行動障害
前頭前皮質(前頭連合野)の機能低下による行動障害が一つ上げられます。
過去の投稿でも前頭前皮質の重要性や役割を書いてきましたが、睡眠不足によってこの重要な部分に影響が出てきます。
前頭前皮質の機能低下により、実行(意思)機能の低下、集中力の低下、衝動性抑制ができないといったことがあげられます。
そのことにより、攻撃的、無気力、パニックに陥りがち、機嫌が悪い状態が続く、友人間トラブル発生というような行動における障害が発生します。


②精神障害
睡眠不足により扁桃体が活発化するという研究もあります。
扁桃体は不安や恐怖を感じた時に活動すると言われており、睡眠不足で活発化するということは、日ごろから不安や恐怖感を持つことにより、うつ病や不安障害といった精神的な影響につながります。

ただし、上記の障害は先天性のものも考えられるので、一概に睡眠不足が影響しているとは言えません。あくまで要因の一つとしてとらえてください


③記憶
睡眠不足になると海馬が委縮されると言われています。
ご存じの方もいるかもしれませんが、海馬は記憶を司る器官で、ここが委縮されるということは記憶力の低下につながります。
知識としての記憶はもちろんですが、乳幼児期に様々なことを経験しているのに記憶として残らない場合、行動などに影響が出てくると考えるのは容易ですね。

また先程の出てきた扁桃体は記憶固定も司っています
情動とセットで覚える記憶が、睡眠不足によって低下することによって、成長に悪影響を及ぼすということが言えますね。


④免疫力向上と肥満
睡眠前半の深い眠り(ノンレム睡眠時)に集中的に分泌される成長ホルモンには、傷ついた細胞の修復、免疫力の向上、病気になりにくい身体づくり
を促します。
また脂肪分解要素もあり、睡眠不足は肥満につながるという研究もあります。
睡眠により、食欲を抑える「レプチン」というホルモンが分泌されるのですが、睡眠不足になると食欲を高める「グレリン」というホルモンを多く分泌してしまうため、結果肥満につながりやすいということになります。

肥満の原因が食べすぎという場合、睡眠時間を確認してみるのも一つ手かもしれません。
もちろん、体質などの影響もあるので、こちらも睡眠不足はあくまで要因の一つに過ぎないことを注意したいところです。


上記4点からもわかる通り、
睡眠不足は心身ともに影響が出ることがわかります。
そういう意味でもやっぱり寝る子は育つというのがわかりますね。

どうして日本の子どもたちは睡眠不足と言われてしまうのでしょうか?
そのあたりを考えていきたいと思います。



4. 睡眠不足が考えられる原因

これから書くことは社会的な要因や環境原因に帰するものも多いので、一つ一つを細かく見ていくと収拾がつかなくなるので、話半分くらいで読んでいただけると幸いです。


①睡眠の重要性の理解不足
日本人の睡眠時間は極端に低いとされています。
2018年のOECDの調査では成人の1日の平均睡眠時間は7時間43分とされており、最下位層にいます。
8時間を切る国が少ない中で、OECD報告の中でも眠らない日本人と称されるほどにいます。
睡眠がどれくらいの影響を与えるのか、ということは感覚で理解していても
知識として理解している方は意外と多くない
のではないでしょうか?
(僕も今回いろいろ調べてみて、なるほど…と思う点が多かったです…)


②労働時間及び生産性
睡眠時間が短いということは、他の時間が長いということになります。
こちらも良く叫ばれていることですが、労働時間が長い日本人ですが、
やはりその分睡眠時間が減ってしまいます
ね。
なぜ労働時間が長いのか…なんてことを問い始めたらきりがないので、ここではあくまで事実として労働時間が長いという現状のみを取り上げます。
ただ、どんどんと労働時間短縮、生産効率のupを取り組んでいる企業も多いので、明るい兆しはあるのではないでしょうか?

労働時間が長く、帰りが遅くなる、就寝時間も遅くなる
ということは子どもの寝かしつけもそれに合わせて遅くなるという傾向がいろいろな調査で見られています。
もちろん、子どもの寝かしつけは早くして、大人は少し遅く寝るというパターンもありますが、大人の就寝時間と子どもの就寝時間に相関性があると言えます。

Part1の最初に少し書きました子どもの就寝時間が22:00以降も多くいるというのは一つの目安ですが、大人の就寝時間も23:12が日本の平均という調査もあるので、かなり相関性があるというように言えますね。
もちろん都心部と地方ではかなり差は出てきますが…


③睡眠サイクルが整っていない
子ども、特に幼児の睡眠サイクルは固定にする努力が必要となります。
Part1の概日リズムのところでも書きましたが、リズムの形成というのが重要になります。
毎日違う時間に寝る、昼寝の量も日によりけり、ということであっては
サイクルが一定でないため、概日リズムが整えられません

なので、寝る時間、眠る量というのはなるべく一定でバランスよくとる必要があると言えます。


④夜まで明るいことが原因
これは日本だけに言えることではありませんが、やはり夜間の環境が明るすぎるのは良くないです。
メラトニン分泌のところでも書きましたが、なるべく暗めの環境で入眠してくのが理想ですね。


というように、睡眠不足の原因は個人要因もあれば、社会的環境要因もあるので、簡単には改善しにくい部分もありますが、事実として書かせていただきました。

もう一つ、少し余談にはなりますが
添い寝について少し書いていきたいと思います。



5. 添い寝について

添い寝に関しては賛否両論があります…
一時、欧米の子育てブームの際に、添い寝をすることで独立心を失う、睡眠障害に陥る、添い寝のスキンシップは子どもにとって刺激過多である…
などという理由により添い寝を推奨しないというのが流行ったようです。

ただ、世界的に見ても、文化的に添い寝をする国とそうでない国があり、そこに対して優劣をつけがたいというのが現状です。

添い寝によって愛着がわいたり、ベッドをともにすること、寝る場所(順序、子・母・父、母・子・父)によって、どのような影響があるのかというような研究もあります。

ただ、大人の寝相により子どもを押しつぶしてしまう事故も発生しているという事実があるのも現状です。
ここは十分気を付けたいところです…

そのため、添い寝に関しては睡眠不足になるというわけではないと言えます。

最後になりますが、どうやって眠る環境をつくっていくのか
ということを述べたいと思います。



6. 眠る環境をつくるために

良質な睡眠をとるためには上記の睡眠を妨げたりするものを排除したり予防することが大事といえます。

①睡眠時は部屋を暗くする
メラトニンの分泌に関係しますね。夜明るいと眠れない。
もし電気を付けるときは光が弱いものの方が良いです。


②早寝早起きと生活リズム
早寝早起きを毎日同じ時間で繰り返すことで生活リズムを整えていきます
朝起きたら太陽の光を浴びる。昼間は思いっきり遊ぶ。
昼寝も決まった時間に取れるようにする。
夜ごはんもなるべく入眠2時間前に済まし、お風呂も同様2時間前に済ませることで、深部体温をうまく調整して、入眠しやすくなります。


③みんなで挑戦
仕事や大人と子どもの生活リズムがずれてしまいますが、なるべくみんなで一緒のタイミングで睡眠、起床を行うことで、子どものリズムをコントロールしていくのも一つです。
こればかりは難しい部分もありますが…

睡眠環境を整えて、質も量もしっかりとれるのが理想ですね。
睡眠時間を毎日記録して、リズムの固定化を図るというのも一つの手だと思います。



と、今回もとてもとても長くなってしまいましたが、書きながら睡眠の重要性を再認識しました。
読んでいただき本当にありがとうございます!
子どもだけでなく、大人も睡眠を意識して、生活の質を上げられるといいなと思います。

まとめとしては、
やっぱり寝る子は育つ!!
という締めくくりにしたいと思います。
簡素な終わり方ですみません…(笑)

では、次回もお楽しみにしてください!!


今回参考にしたもの
子どもの夜ふかし 脳への脅威
科学的に正しい子育て
最高の子育て
子どもの将来は「寝室」で決まる
子どもの睡眠と脳の発達 ー睡眠不足と夜型社会の影響-
幼児の描画発達における一考察
幼児の睡眠・生活リズムと親子の生活習慣等の関連
幼児の夜ふかしと主養育者に対する睡眠教育の重要性
乳幼児の睡眠と発達
日本の幼児の睡眠習慣と睡眠に影響を及ぼす要因について
“世界一寝不足” な日本の子ども。「11時間37分」が示す、眠りにまつわる切実な問題
子供の「理想的な睡眠時間」は何時間?年齢別の平均と、プロが教える睡眠不足の原因、改善テクニック
幼児の遅寝をもたらす親子の睡眠生活習慣の分析
「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」とは?意外と知らない眠りの種類
働き盛りの睡眠不足は脳の海馬の衰えに


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