『思い出の香り』

先日、久しぶりに地元石川県での歌番組の生放送に出演して来たﾆｮ♪

当初は、1月の中旬あたりの予定だったんだけど蔓延防止にて、
繰り返し延期となり、先日無事に撮影が行われたって感じ。

だいたい年に1度か、2度出演をさせて頂く番組で、
放送開始から、11～12年ほど経つ長寿番組。

記念すべき第１回目の放送の時も出演させて頂いたのもあって
勝手ながらにホント思い入れのある番組。

今回、歌った中の１曲で『思い出の香り』って歌があって、
この歌は、僕が大好きだった、ばあちゃんの事を思い作った歌なのよ。

母親の実家で育って、母親は、毎晩遅くまで仕事をしていて
僕と弟の面倒はほどんど、ばあちゃんがしてくれていたの。

大人になってからも、何かとあれば、ばあちゃんを頼ったり
実家に帰ると、とりあえず「ばあちゃん、ただいま！」
ってな感じで、声かけてたのね。

うちの娘が生まれてからも、87歳って年を感じさせないぐらい
色々と率先して面倒を見てくれて
今思うと、実は体は相当しんどかったんじゃないかな？って思うんだけど
事あるごとに娘を連れて実家のばあちゃんに会いに行って、
一緒にご飯食べたり、他愛もない話をしたりって
ばあちゃんも、いつも楽しそうにしてくれていてって生活が続いていたの。

で、今から６年前のちょうど、この時期に
急に実家から

“ばあちゃんが倒れて病院に運ばれた！”

って、連絡があって嫌な胸騒ぎと共に、
仕事を早めに切り上げて、急いで病院に駆け付けたって事があったの。
会いに行った際の、ばあちゃんはいつも通り元気で、自分の事より
その当時、もうすぐ小学生になる、うちの娘の事を心配していて、

「ランドセル背負ってる姿見るまで、死ねんわいね。」

って、微笑みながら話してくれたのね。

でもね、その2日後に、また倒れて死んじゃったんだ。

僕も仕事の最中に急に連絡が来て、頭の中が真っ白になりながら
車を走らせて病院に着いたら、弟が先に着いてて、目が真っ赤で
ホント、ドラマのワンシーンかのような画でさ、
顔に白い布が被されていて、ホントもう泣き崩れちゃったね。

後から、お母さんも駆け付けて来て…
で、その後とか、どうなったか？
僕は、ばあちゃんとの思い出がグルグルしちゃって、
自分自身が制御出来なくなっちゃっていたから、あんまり
記憶が残っていないっていうか、曖昧な感じになっているんだけど…

どれぐらいの時間泣いてしまっていたのか？
色々と手続きとか手配とかもしなくちゃいけないって状態だったから
渋々、病院の外に出たら、もう夜中だったね。

夜空見ながら、

「“ランドセル姿、見るまで死ねん。”って、言ったじゃんかよ。」

って、また悔しさとか、寂しさとか、なんかムカつきとかも出てきて
通夜とか葬式でも、また泣き崩れちゃったね。

そんなこんなで6年の月日が経って
この春に、うちの娘が中学生になるんだけど、

そんな春があったな…。
ばあちゃん、うちの娘の中学生になった姿見てくれるかな？

…って思いながら、
ばあちゃんに向けて『思い出の香り』を歌ったよ。