硯考 書の線質について
書の線質とは何かについての話から、先生はこういう引用をされました。
「神気骨肉血」
これは蘇東坡の書論『東坡題跋』に出てくる言葉です。
神気は精神、心のこと
骨肉血は肉体、体のこと
こう捉えると神気骨肉血とは心体、つまり人間のことになります。
中田勇次郎の『中國書論集』によれば、
蘇東坡は技術や形の美しさのみに捉われることなく、高い人格が書に表現されることを重要と考えています。
書はうまく書こうという気持ちが少しも無ければうまく書けるといいます。
また、無理のない自然なものを第一とし、自由な内的な精神が必要だと指摘しています。
蘇東坡は書の中に人間性というものを見いだしました。
このように考えると書の線質も人体のように生きていなければなりません。先生はそれを針で刺すとしぼむような感じのもの。つまり、立体感のあるものがよいと表現されていました。よい線質は立体に見えるそうです。
微妙にわかるような気もします。
私の書く小楷で立体的な線を出す。何とも難しい課題です。線質はその人が持っている素質によるところが大きいようです。上記のように人間性を強く反映するものであればそうなのかもしれません。どう変えるかではなくてどう磨くかと考えたほうがよさそうです。
一ヶ月で何らかの回答を見つけ出さなければなりません。
来月はもう少しましな話ができるようになっておきたい。
でも、こういう事態は書を学ぶ上では結構楽しいものでもあります。笑
我由衷地感谢您。