近所の市場でマンゴーを買った時の出来事
近所のローカル市場に行った時のことであった。そこは生鮮食料品市場でもあるし、雑貨や、衣類の類を売る店もあった。
今泊まっているホテルの部屋に包丁があったので、マンゴーを買って部屋で食べようと思った。
その果物屋は2度目の訪問であった。前日に行った時にはみかんだけを購入した。
今回も同じく禿頭の割と背の高いオヤジが出てきた。黄ばんだ肌着のような服(下着か?)を身につけていて、薄汚い身なりをしているオヤジであった。前日に会ったこともあり、私は笑みを浮かべてそのオヤジと対したが、オヤジの方は無表情でその笑みに応えることは無かった。
私が「マンゴーが欲しい、1kgいくらだ?」と聞くと、オヤジは「30,000キープ(234円)だ」と答えた。
この値段は特別に安くも無い。下手するとタイにあるスーパーで売られているマンゴーの方が安いかもしれない。
私はオヤジに言われるがままに、金を支払った。30,000キープは無かったので、50,000キープを支払ってお釣りをもらおうと思った。
オヤジはどういうわけか、カゴの中にマンゴー以外の果物(りんご、ドラゴンフルーツ、みかんなど)も詰めはじめた。
オヤジが果物をカゴに詰め終わった後、計量したら2kgほどになっていた。
オヤジは、「60,000キープよこせ」と言ってきた。
これには私も納得がいかない。この時はマンゴーしか食べる気がしないし、他の果物は別に頼んでもいないからである。
オヤジが片手に私の支払った50,000キープを持っていたので、私はすかさずそれを奪い返して、「やっぱりキャンセルする」と言った。
すると、オヤジは「ホーウッ!」という頓狂な声をあげて、やれやれ、こりゃあ、とてもやり切れない客だ!というような抗議の態度を示してきたが、「ホーウッ!」と言いたいのはこちらの方である。
ラオスだから地元の人たちはみんな、素朴で優しいというわけでもなさそうだ。
(ちなみに、タイ人も驚きや抗議の声を上げる際に、「オッホー!」という声を上げる。タイとラオスだと微妙に発声の仕方が違うと踏んでいる)
近くには別の果物屋があった。あのオヤジの独占市場でなくてよかった。別の果物屋の方では、マンゴーは1kgあたり25,000キープ(195円)であった。
しかし、ここでも店の人の接客からゆるさは感じられなかった。滅多に来ない外国人ということで警戒しているのかもしれない。
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