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音楽家が『白痴』から得るもの3選【音楽家コーチング】

『白痴』

「ばっかだなぁ〜」

って言われたらどう思います? お人好しだなぁ、良い人過ぎるんだよ、純粋だなぁって思う人も、ホントに馬鹿だと思う人もいますよね。

じゃあ

「きれーな曲ぅ〜」

って言われたらどう思います? 一般人でも分かるような単純なポップス・バラードを想い浮かべる人も、ブルックナーのような曲を想い浮かべる人もいるでしょう。

誰が解釈するかで変わるんです。個人名は出しませんが、教育を受けて居ない人が「これはいい!」と言うのと、学術的にガチガチの頭の人が「これはいい!」というのでは受け取る側も解釈が変わりますよね。

『白痴』は英語と日本語でも大分とことなりますし、日本語でも訳が木村浩さんと江川卓さんじゃまるで正反対です。だから亀山郁夫さんの訳を勧めてるんです。

(ちなみにこの時点で元野球選手の江川卓さんが頭に浮かんだ人は手が付けられない末期症状です)

①芸術において教育の存在が与える影響を教えてくれるのがこの『白痴』なのです。

自分のことを反映

遺産が入るって話ばかりなのがドストエフスキー文学です。ビジネスで大儲けってのはないんです。そしてなんだかんだでお父さんが死ぬんです。なんだかんだで複数の女の人が出てくるんです。なんだかんだで登場人物がてんかん(病気)持ちなんです。全部自分のことなんです。

②自分の境遇をどのように作品に取り入れるか、そして分からない事を間違った解釈のまま素直に作品に入れるということの芸術的な意味を教えてくれるのがこの『白痴』なのです。

ニヒル

絶対これ正しい!これこそが美しい!

こういうことを言う音楽評論家たくさんいますよね。私は24歳でデビューした後たくさんの評論家の意見を聞いて

「こ、こいつら文学読んでないアホだ・・・」

と、思いました。

ニヒリズムの根幹を考えてください。

神の存在や道徳だなんだかんだ考えること自体うっぜーし・・・というのがニーチェのニヒリズムです。

でもこの『白痴』の中のニヒリズムは「価値観を否定する」という感じです。

私は意図的に特定の職業の人、特定の価値観の人を小馬鹿にしているのはご存知の通りです。「こんな職業についたような人間なんて」「こんな低知能のウジ虫なんて」という言葉をしばしば用います。これに対してそのまま受け取るのは、ニヒリズムを理解していない証拠です。

分かりやすく言うなら
「んも〜♡ばっか〜」
と彼女に言われて
「ばかとはなんだ!」
と怒るようなものです。
なんとなく分かりますか?

③音楽家が見聞きする、音楽、文学、芸術に対する価値観を俯瞰するきっかけを作るのが『白痴』です。

まとめ

ちょっと飛躍しすぎましたが、意図的に飛躍しています。このようにあらゆる事柄を学べる文学だというのが伝われば私の役目を果たしたことになるのではと思っています。

最後までお読み頂きありがとうございました


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