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【東大フードロス助け隊】大人なバナナ突撃インタビュー① 女子大生3人が立ち上げた団体「大人なバナナ」とは?

こんにちは!東京大学で「食」に関する問題解決に取り組むサークル、Table For Two-UTです。

今回はインタビュー企画【東大フードロス助け隊】の第2弾として、大人なバナナさんにお話を伺ってきました。大人なバナナは女子大生3人によって設立された団体です。私たちと年齢が近く、参考になることがたくさんありました!

前半の記事では活動内容や団体立ち上げの経緯について、後半の記事ではコロナ禍での活動や今後の展望について紹介していきます。それでは本編へどうぞ!

【インタビューに応じてくださった方】
北本真唯さん
北川桃子さん
中䑓千智さん
※以下、敬称略

①大人なバナナの活動内容

TFT:まず「大人なバナナプロジェクト」の主な活動は何ですか。

北本:最初は廃棄になりそうな茶色くなったバナナをスーパーから引き取り、バナナケーキを製作し、カフェで販売することから始まり、その後も何回か販売をしました。資金はクラウドファンディングで支援していただきました。しかし、コロナ禍で販売ができなくなってしまったので、現在のメインの活動は発信です。
具体的に言えばSNSや講演イベントなど、オンラインの場で大人なバナナについてお話をしてます。他にもクラウドファンディングの支援者に音楽関係の方がいらっしゃって、一緒に大人なバナナの歌の制作をすることになったりなど、活動としてこれ!と決まったことはないのですが、軸として大人なバナナの魅力を多くの人に知ってもらいきっかけ作りになればいいなというところは変わっていません。

TFT:大人なバナナプロジェクトのメインターゲットはどのような層なのでしょうか?

北本:クラウドファンディングのときは女子大生をターゲットにしていたので、かわいいカフェなどでやっていました。ですが、活動の中で、子どもから大人まで親しみやすいというバナナの可能性に気づき、いろんなアプローチ方法があるなと感じたので、今はそんなに絞っていないです。
中䑓バナナを食べる全人類がターゲットです(笑)

TFT:規模がすごい…!笑
   ではそもそも、最初にバナナに着目しようと思ったきっかけは何ですか?

北本:私と北川さんはスウェーデンに留学してたのですが、その際に食品ロス削減のプロジェクトなどに携わる中でたくさんのバナナが廃棄されている現状を見たことで、まず問題意識を持ちました。帰国後もバナナについて調べてみると、日本で一番消費されている果物であり、輸入もされているので、わざわざ海外から来てるにも関わらず捨てられてしまってるのはもったいないなと思い、始めました。
中䑓:おそらく廃棄になるバナナは賞味期限切れではなく、単に運搬中にバナナ同士が接触することで皮が少し茶色くなってしまうというだけの理由で廃棄されることもあるのだと思います。それもあって、バナナに着目しました。

②大人なバナナプロジェクト発足の経緯

TFT:大人なバナナプロジェクトを実行に移したきっかけは何ですか?

北本:もともとスウェーデンで1年間、フードロスに関わる活動をしていたので、帰国後も何かやりたいなと思っていました。そこでちょうど私が問題解決について学ぶインターンに参加して、そちらでインプットしたことを実際に仲間を集めて実践することになり、北川さんと中䑓さんに声をかけて、実行に繋がりました。

TFT:北川さんと中䑓さんは、北本さんに声をかけられる前に、フードロスに関して何か実行に移したいなど考えていたことはありましたか?

北川:全く考えてなかったわけではなかったです。私はスウェーデンで、北本さんと同じサステナビリティの授業を取っていて、そこで出会いました。北本さんに誘われてスーパーに訪ねた際に、廃棄予定の果物や野菜がたくさんあることを知り、衝撃を受けました。それから定期的に通うようになり、その流れで一緒に料理をして、これを日本で何かしたいねというような話をしていました。でもこんな形になるのは夢のまた夢でした。

TFT:スウェーデンで大人なバナナプロジェクトの土台となるような、実際に廃棄予定のものをもらい、何か作るということをされていたのですね。

北本:私が授業の一環で、フードロス削減のプロジェクトを立ち上げることになって、スーパーや卸売業者からも売れなくなったものを集めて、80人ぐらいにご飯を作るというようなことをしていました。大人なバナナプロジェクトのアイデアの原点はそこにあるかなと思います。バナナに焦点を当てて同じようなことをやろう、と。
中䑓:私は同じときにアメリカに留学していました。もともとサステナビリティに関心があり、そのようなことを学びたくて留学し、留学先でもサステナビリティ部門のようなところでインターンシップもしていました。留学先の大学で、北本さんと北川さんのように、付近のスーパーなどでいらなくなった食材が集められて、無料で配られるパントリーのようなところがあり、それを見たり、運営してる人の話を聞いたりしました。日本に帰ってきて何かやりたいなと思ったところで、ちょうどマッチしました。

TFT:海外でフードロスに関する意識を高められたのですね。

北本:そうです。海外は消費者の意識がとても高いと感じました。消費者の声でフードロス対策が始まったり、サステナビリティに取り組んでる企業の商品を買いたいと言っている友達も多かったです。

③活動を振り返って

TFT:バナナケーキ販売のためのクラウドファンディングをされた際に、支援金を集めることに苦労されたとインタビュー記事で伺ったのですが、支援金集めを促進するようなきっかけは何かありましたか。

北本:最初はSNSを中心に発信していたのですが、それほど支援は伸びませんでした。そこからフードロスやサステイナビリティに関するさまざまなイベントに実際に足を運び、「こういうことを今やってます」ということを話したら、共感していただくことが増え、支援に繋がったと感じました。
中䑓:支援のパターンは2種類あったと感じました。1つは、フードロスに関心のある人たちが、フードロス解決したいよねと応援してくれるパターン。もう1つは、環境問題やSDGs・ サステナビリティなどに関心のある人たちが、自分たちもクラウドファンディングなど同様の活動をした経験から、私たちの活動も応援してくださるというパターンです。この応援のループにはまったときに支援の加速を感じました。
北川:私たちが起こした一つのアクションに対してどんどん繋がっていった感覚はありました。一つのイベントに足を運んだら、次ここで登壇してみない?というお話をいただいたり、そこから今度は私たちが主体になってイベントを開き、そこでたくさん支援していただいたこともありました。

TFT:次に、自分たちの活動が実際にフードロスに貢献していると実感した瞬間はありましたか。

北本:やっぱりプロジェクトを知ってくださった方が、大人のバナナを見つけて「買えました!」と言ってくれるとよかったなと思います。
中䑓:バナナケーキ作ってるときは、実際に自分でバナナを回収して作っているので目に見える形で感じます。また、もう少し視点を広げてみると、何か新しい取り組みができたときに「こういう角度からもフードロスにアプローチできるんだ」と思い、貢献していることを実感します。
北川:今まで北本さんがやっていたような、廃棄予定のものを救い、それを加工し売るという活動は、日本の規定などのもとでは難しいのではないかと思っていました。なのでこうして人の理解を得て、廃棄予定のものを集めてそれを違う形にする活動を日本でできているということに、希望があると思います。

TFT:では、この活動全体を通して、学生だからこそできたことや、逆に学生だから難しかったことはありますか。

北本:そもそもカフェとコラボレーションをしてケーキを販売できたのも、留学を通してフードロスについて学び、日本の人にも発信したいという理由があったからこそ、協力していただけたのかなと思う部分もあります。また歌についても、ただ単にバナナを救いたいと言ってる学生にも関わらず、何か一緒にやってくださる方もいたりと、いろんな人と繋がれたというところはやはり学生だからできたのかなと思います。難しかった部分は、何も知らない状態でプロジェクトを始めたので、食品の販売に関するルールなどを学ぶところくらいです。
中䑓:基本的に楽しいことしかやってこなかったですね。特にフードロスの解決を負担には思わずに、趣味のようにやってきたので。
北川:私も、難しいよりも楽しいと思うことの方が多かったです。ただ、もし私1人が全てをやったとしたら大変なこともたくさんあったと思います。3人のタイプやできることが全く違うので、それぞれの得意を生かして活動をしているため、楽しいと思うことの方が多いのだと思います。


以上、大人なバナナさんの活動内容や発足経緯についてのご紹介でした!

次回は大人なバナナさんがコロナ禍で行っている活動について具体的に伺ってました。また、今後の展望についてもご紹介していきます。お楽しみに!

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