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「人間社会の未来について」3 結城 悠木

生ハムとパクチーの冷製 自作


1.資本主義と民主主義の二律背反

次に民主主義について考えてみます。


2-1.民主主義の始まりと現在

・民主主義とは
 ”国民(民衆)”が政治を運営するというもの。
 国民全員で話し合うことは難しいため、国民がそれぞれ代表者を選ぶことでその代表者たちに代弁してもらうというものが現在の民主主義
 代表者は選挙で決められ、また日本ではその代表者に権力が集中しないよう権力分散の仕組みとして”三権分立(立法・行政・司法)”がある。

 つまり民主主義とは権力を持っているのは権力者ではなく我々国民である! ということ。
 さてここで資本主義と共通のキーワードが出てきました。

 権力(者)

 資本主義社会で権力を持つ者は何者であったか。それはお金持ち(資本家)でした。
 では民主主義社会で権力を持つ者(主権者)は何者か。それは国民(民衆)です。
 そしてこの民衆はお金持ちでしょうか?

 あるデータによれば、

「2016年に源泉徴収で所得税を納めた給与所得者は4112万人。納税額は9兆418億円。このうち49.9%にあたる4兆5167億円分を、給与所得者全体の4.2%に過ぎない「1000万円超」の人たちが負担している。」

 らしい。
 こういったデータから分かることは、民衆の多くが相対的にお金持ちではないということ。

 つまりこういうことが言えます。

・資本主義ではお金持ちたちが権力を持つ
・民主主義ではお金持ちではない者たちが権力を持つ

 さてこの民主主義の始まりはどんなものであったか。
これは古代ギリシャと言われている。
国王が国民を支配、この支配は恐怖で行われました。言うこと聞かない国民は消してしまえばいいのです。
かといって数では圧倒的に国民の方が多い。反乱者が増えれば支配構造を壊すことも出来る。
結果的にこの頃の人間社会が行き着いた答えが民主制

しかしこの時代、国民の下には奴隷がいました。国民とて恐怖の大王(国王)と同じ、奴隷から労働力(利益)を搾取していたわけです。
やはりこれでは平等公平ではない。人間は長い間人間社会について試行錯誤をします。

時は流れ16世紀頃には、イギリスを中心に「人間は生まれながらに権利を有する」「全ての人間に普遍的権利がある」こう考えるようになりました。
社会契約思想が生まれ、王や権力者たちは暴力や恐怖ではなく契約によって国民を納得の元に支配するという構造を作った。

そんな中、まだ身分制度の厳しかったフランスで国民感情が爆発。フランス革命が起こる。
 この結果フランスでは国民が”特権の廃止”や”国民議会”を勝ち取り、イギリスのような普遍的な権利、そして国民主権を得た。
 国民主権とはつまり民主主義。ここに現代の民主主義の根底が出来ました。

 民主主義はアメリカ建国でさらに加速します。
 欧米に広まりそうして民衆を解放したかのように見える民主主義ですが、すぐに次に問題と出会います。


2-2.民主主義の限界

 多数決の論理と民主主義は共存することが出来ません。なぜなら、全てが多数決で進むことが民主的ではないから。

 多数派のために少数派が苦しまなければならないとすれば、それは古代や中世、王や権力者が民衆を苦しめてきた構造と同じだからです。

アメリカでは多数派の抑制を目的として連邦制(権力)を敷きます。
そして大統領は議会に選ばれるわけではなく、国民投票によって決まります。これは一見、選挙がお金持ちに支配されない構造に見えます。
しかしどうでしょう。歴史を見ても人間は国の未来よりも目先の欲望を取ります。
 雇用や生活、私益などが直接からめば国の未来よりも目先の利益です。

 このように人間は社会システムの矛盾と相対しながら試行錯誤を続けましたが、結局資本主義も民主主義もそれだけでは立ち行かない。


その混沌の中で現在の人間社会が辿り着いた答えは、

有耶無耶にする

ということではないかと私は考えました。


我々が資本主義と民主主義を混在させている理由。それは矛盾を含む資本主義の問題点や欺瞞を民主主義でごまかすことが出来るからではないでしょうか。
ちなみこの一文は資本主義と民主主義を入れ替えることも可能です。

完璧なものなどない、そうかもしれないしそうではないかもしれない。どちらの可能性もある。
しかし人間は必ず完璧なシステムを望む。飽くことない欲望。
だとすれば、民主主義の歴史と米国大統領や英国首相など昨今の風潮を見れば民主主義の限界にあると考えることも出来るのではないでしょうか。


駆け足で進めましたが、1章(1部・2部)はここまでです。

ではあとがきをして〆ようと思うので、まだお時間の許す方は何かお酒を片手にあとがきで打ち上げをしましょう。

では。

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