『こいつ、おれのこと好きなんかな②』

「ねー、今日の3限って出席した？」

友達リクエストが申請されました。

mixiの友達申請と一緒に、メッセージが届いていた。
仏教概論Ⅱという、限りなく興味が透明に近い講義であるが、単位の取り易さからいつも教室はパンパンだ。
学期末にある試験の模範解答とも呼べるプリントが毎回の授業で配られるため、友達の少ない僕は出席が欠かせない。

そんな授業が終わった27分後、携帯のホーム画面に通知があらわれた。
授業でたまたま知り合った彼女は、下の名前と学年くらいしか知らない。
ただ授業でたまに見かける度に、彼女の隣の席にリュックを置き、2つ隣の席に座る。

1.2限の授業をサボるのならまだしも、なぜ3限をサボったのだろう。
たしかに、彼女はオーランと呼ばれるサークルに所属していて、授業中に活動していることも多いようだ。
オーランとは、メンバーを下の名前で呼び合うことを絶対条件とし、勧誘と銘打った合法化されたキャッチをしたり、学食での席取り合戦をしたりして、お酒が強い人ほど権力を得ることができる団体だ。夏はBBQ、冬はスノボに行かないと死んでしまうらしい。

それにしても、mixiで僕のことを調べてまで、聞きたかったのだろうか。
もし、プリントが欲しかったのなら、来週の授業で貰えばいい。
今週中に接触を当たる必要などあるだろうか。
思い当たる節は、僕の誕生日が4日後に控えているということ。

「こいつ、おれのこと好きなんかな」