『検索窓の世界 ⑤昨日』
「昨日」と入力して、検索。
今日より1日前の日。さくじつ。
ごく近い過去。
【みんなが作ってる】昨日の残りカレーのレシピ【クックパッド】簡単おいしい…
広告・CM/昨日まで世界になかったものを。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする/Netflix
遠い昔が昨日のことのように感じるときがある。
10年前の記憶も、1年前の記憶も、1ヶ月前の記憶も、1週間前の記憶も、1日前の記憶も。
仮にこれらをシャッフルして思い出しても、その鮮明さの濃淡はまちまちで、古い記憶の方が濃い、ということもある。
昨日見たつまらない映画の結末より、12年前にフラれた彼女との映像の方が、昨日だ。記憶の上では。
昨日と調べると、当たり前のことだが、昨日のニュースが出てくる。
昨日の天気。昨日の気温。昨日の占い。昨日の視聴率。昨日の死者数。
でも、これらは全て記憶には残らない。明日には忘れてしまう。
昨日はどんどん更新されて、一昨日、一昨々日、1週間前、1ヶ月前、1年前、10年前…。
結果、全てが過去として一括りされる。
昨日が遠い昔のように感じるときがある。
年をとると1年が短く感じるという実感がある。
生きれば生きるほど、時の流れを強く感じることがある。
ビートルズのポール・マッカートニーが「Yesterday」を夢の中で作り上げたのはあまりにも有名な話である。
Suddenly
突然に
I'm not half the man I used to be
かつての自分の半分にも満たない男になってしまった
There's a shadow hanging over me
かつての自分の影が覆いかぶさってくる
Oh, yesterday came suddenly
ああ、昨日は突然にやってきた
朝起きたら、皆平等に昨日がやってくる。
そして、時計の針を巻き戻しても、カレンダーをめくらなくても、もう一度枕に顔を埋めたとしても、昨日には戻れない。
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