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「お寺deシネマ」待望のキックオフ!

わたしたち、“てづくりシネマ”は自分たちの手で今までに無い映画の楽しみ方をつくる、自由な発想で “ 映画に合った空間 ” のてづくり体験ができる、新しい形の映画館です。

過去に2回シネマイベントを開催してきたてづくりシネマ。
過去の様子を知りたい方はぜひイベントレポートをご覧ください。

WEBサイト イベントレポート


9月5日(土) 、小田原の地で650年続く“東学寺”にて、2021年10月に開催予定の「お寺deシネマ」のキックオフイベントが開催され、仏教を体験できるさまざまな企画が催されました。



「お寺deシネマ」ここからはじまる


今年は新型コロナウイルスの蔓延により、当初予定していた2020年9月の「お寺deシネマ」の開催は延期になりました。当初の予定よりもずいぶんと日をまたぐ形で、1年越しの2021年10月に開催決定となりました。


てづくりシネマ WEBサイト


開催まで約1年。「そんなに時間をかけてどうするのか」なんて思われるかもしれませんね。笑 それに関してはまた別の機会に記事として詳しくお伝えしたいと思います。( てづくりシネマの決断と熱い思い…  伝えます!!笑 )


今回は「お寺でシネマ」開催までのキックオフとして、お寺にまつわる様々な体験をしてまいりました。「お寺ってどんなことをしているのか」というお寺での日常の部分と、仏教体験で感じた気付きなどをお伝えします。



はじまりはお馴染みの定食屋さんで


小田原市の国府津駅に集合し、駅から徒歩3分で着く「のんき亭」でお昼ご飯をいただきました。昔ながらの食堂のようなあたたかみのあるお店で、参加者みんなで海の幸を味わいました。

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みんなで今日一日のスケージュールの確認をしたり、当日直前ギリギリにできたチラシを手にとってみたり、いつもながらの忙しない雰囲気が少し残りつつも、最後にはみんなで「いよいよ始まるぞ!」と意気込んで、順調にスタートを切りました。

国府津駅から車で10分ほどで東学寺へと到着し、さっそく準備のため会場へと移りました。今回のメインイベントにはカメラマンの重山さんをお招きして撮影も兼ねておこないました。後ほどにもつながりますが、重山さんに実際にカメラの手解きもしていただきました。



「お経」と「座禅」の奥深き世界


最初の仏教体験は、「お経」「座禅」です。まず、現地入りしているメンバー5人でお経読みにチャレンジ。本堂で住職のご指導のもと基本的な声の出し方などから教わります。いつもわちゃわちゃしているてづくりシネマの雰囲気とは一味違う、静かで粛々とした雰囲気でスタートを切りました。

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背筋を伸ばして下腹部に力を入れる。下っ腹から声を出すことを意識すると、姿勢も正しくなり、声も通りやすいのだそう。「姿勢が肝心です。」との住職の声に参加者の姿勢も気もぐっと引き締まります。笑

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最初のうちは皆、お経独特のリズムをつかむのに苦戦するも、読み進めていくうちにだんだんと慣れていき、住職の声に合わせて全員の声が合わさっていきました。途中で、経文の意味も教わり、意味を知った上で、それぞれが思い思いのかたちで再び声が合わさっていきます。

読み終わった後は、参加者のとても晴れやかな顔が見てとれました。それぞれが「読むのは難しかった」「最後はみんなの声が合わさってきたよね」など感想を言い合いお互いにしっかり体験できた感触を味わいながら終えることに。



続いて、同じ本堂にて座禅体験に移ります。東学寺では初のオンライン座禅体験の実施となりました。現地の本堂と遠方での参加者とをオンラインでつなぎながら、足の組み方から習います。参加メンバーは、現地入りの参加者5人に加えて、オンライン参加の2人の計7人で挑みます。

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まず、座禅を組む際は裸足になり、お尻の下にクッションを敷き、足を組みます。足の組み方、姿勢や目線においても細かく教わり、みんな修行僧のような面持ちで構え、準備が整いました。静かな空間には、住職の声と外で鳴くセミの音だけが耳に響きわたります。

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座禅とは、自分自身の雑念と格闘し、ひたすらに”数を数えること”だけに注力する行いでした。1から10まで数え10まで来たらまた1に戻るという永遠に自分自身の中で数字の反芻が行われます。

一度体験してみるとわかるのですが、なんの雑念もなく1から10までひたすらに数え続けることはとても困難と言えるでしょう。

それでも、自分と向き合って雑念が無くなって行き、数を数えることだけに集中できたとき、自分の中に静寂な時間が流れ、とても良い心地で、身も心もスッキリします。

座禅に没頭すること5分経ち、一度住職が終了のタイミングを告げ、個々人の体感時間など感想を共有し合いました。「もうちょっと続けても平気だった」「最期の方はもうキツかった」など人によって様々な声が上がります。


最後にもうプラス10分の座禅を体験し、最後には、少し足も痺れてきた頃に終わりの合図が聞こえてきて、参加者みんなの少し砕けた笑顔に安堵の表情が戻っていました。笑 座禅においては10分でも短い時間設定なのですが、住職はいつも何時間も座禅を組み、数を数え続けているのですから本当にすごいことです。

お経と座禅で自分自身の内側と向き合い、また意見を共有し合うことで、一見おごそかで堅そうな体験も、みんなで楽しみながら体験することができ、身も心もリフレッシュに。



自分を見つめなおす「オンライン説法」


「お経」と「座禅」のあとは、みなさんお待ちかねの住職による法話=「説法」です。現地入り参加者7名に加えオンライン7名計14名が参加しました。住職も初のオンラインでの法話ということで「時代の変化を身に染みて感じる」と、感無量。


いつもは、ご年配の方々に囲まれての法話のため、参加者の平均年齢はなんと70~80歳なのだそう。そりゃそうだ…!今回は20代の参加者がほとんどということで、若い人に向けた新たなる説法のチャレンジともなりました。

「今まで若い人向けに法話をする勉強をしてこなかったことを悔やんでいる」との住職の後悔の念に、思わず参加者の方からも笑い声が響きわたり、序盤から和やかに説法が始まりました。

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まず、仏教に関する「先祖」というキーワードから「お墓参り」についての話や、親族が亡くなった歳の「法事」にどんな意味があるのか、また「三回忌」「供養」の意味など、私たち若い世代にはほど遠いように思われることにも、実はとても意味のあること、そして身近な事柄であることなんだと気付かされるようなテーマが続きます。


次いで「働く」ことを仏教でどのように捉えるか。それは、「はた」=身の周りの人を「らく」にさせることなんだと。自分自身に与えられた役割を全うすることで、家族であったり、恋人など「身の周りの人が楽になる」ことにつながっているんだということ。

現代において働かない人の数は年々増加しており、私たちにとってもとても身近な問題と言えます。「はたをらくにせず、周りからご飯を作ってもらったり、自分自身は働かずなんなりとしている状態は一番良くないこと。」と住職のお話が続きます。また、「ニートの人は、実際はその人自身も辛いと思います。」と働くことが周りの人、ひいては自分においても重要なことなのだと示してくれました。

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そんな現代の問題を背景に、「仕事」や「労働」をキーワードにさらに「働く」ことについて話は深掘りしていきました。今回法話で話されたいくつもの仏教の教え・知恵をこれからの自分たちの生活に活かせそうです。

住職による法話が終了したところで、お悩みコーナーとして参加者の方の相談ごとを住職に尋ねてみました。「自分には合わないと思っていることに対しての線引きをどうすればよいか」というお悩み。住職の意外な若かりしエピソードを挟みながら丁寧に答えてくれました。(エピソードはLIVE中継ムービーでお聞きください笑)

“諦める”とはあきらかにきわめること」と住職は話します。

「努力することにはどんなことでも意味がある。けれども見切りをつけることも重要です。自分にとって合っているなと思えるものがあるというのが本当は幸せなことなはず。自分にとってやっていって楽しいと思えるか、やりがいがあると思えるか、が重要です。合わないと気づけることもまた重要なことです。」と。


自分の力が発揮できないことなどに対する「諦め」を、「物を捨てること」に例えています。「片付けコンサルタントの“こんまり”さんがおっしゃる“捨てるかどうか選別するときに「ときめかないもの」は捨てる”という方法。それは物以外の取捨選択にも適用できることなのだと。自分にとって合っていないものは手放す、引き時なのだと。

その他にも「お寺と神社の違いってなに?」など住職側を困らせてしまうような内容など、様々にお話に答えてくださいました。もし気になった方はFacebookのLIVE中継ムービーをご覧になって答え合わせをしてみてくださいね。

終始、住職のたくみな技なるおもしろい説法に、参加者は声を出して笑う場面もあり、ときには自分自身の胸に突き刺さる内容のテーマがあったかもしれません。今回の説法によって、それぞれが思い思いの気持ちを抱き、自分自身と向き合う機会となりメインイベントは終了しました。



締めはさっぱりきれいに


メインイベントの終了後、せっかくなので現地参加者(内4名)で、お寺のおそうじ体験をすることに。今回は、いつも整然と砂利がしかれているお庭の掃きそうじに初チャレンジ。東学寺では昔ながらの熊手を使って砂利の上の落ち葉や小枝を掃いていきます。

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普段から熊手なんてめったに使わないので、みんな少し苦戦していました。笑  勝手が分からず、単に「掃きそうじ」と言ってもなかなか難しいものです。参加者のうちの1人でもある住職の娘さんから、丁寧に熊手の使い方のコツを教わったおかげで、小さな範囲ですがなんとか掃きそうじが終わりました!

こうしてお掃除を体験してみると、はたとして気付かされるのは、いつもこうして掃除をこまめに毎日している方の存在が影にひっそりといるということ。お寺の空間をキレイにすることで、神聖な行事を行うことができる。また、行事に参加する者は「普段とは違った空間」に入ることで、その静かで厳粛な気持ちに切り替わることができるのでしょう。



Youtuberへの野望…?


今回のキックオフイベントの内容とはまた別で、最後に参加したくださったカメラマンさんにカメラのコツを教わり、一盛り上がりしました。笑 てづくりシネマでは、イベントの際にジンバルで撮影することがあるのですが、なんにせよ、使いこなすのが難しい…。と思っていましたが…!

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しかし今回、基本的な動作を教わり、ポイントを押さえることができました! (やった〜!笑 結構みんな大興奮。)

すっかりYoutuber気分になったメンバーは、実際に手にとって撮影をしてみたり。これからどんどんテクニックを習得して、自分たちが編集した動画がYoutubeに、アップすることがあるかも……?!

乞うご期待!笑



いつもとは違うものに触れてみる


今回は普段あまりふれあう機会の少ない「お寺」がテーマでしたが、いかがだったでしょうか?あまり興味のない人、少し気になったかもしれない人、もっと知りたい人など、人によってさまざまかと思います。

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昨今の未曾有の状況の中で、みなさんの身の回りのことは今までとは違った「変化」が生じていると思います。こんな時だからこそ、いつもと違うことをしてみるのも悪くないと思うのです。私たちの取り組みもそういった中での一つの良いチャレンジへのきっかけになれば嬉しいです。

私たちてづくりシネマの取り組みは、いつも周りの人との縁で広がっています。「お寺deシネマ」の開催にいたるまでの話もいつかnoteでお伝えできるといいなあ …!なんて思っています。

今回は、てづくりシネマにおいても史上初となる「お寺」イベントとなりました。2021年10月に開催する「お寺deシネマ」のキックオフイベントとしてお寺にまつわる様々な企画が催され、今後もこのように「お寺deシネマ」開催までの足がかりとなるイベントをさまざまに実施していく予定です!

私たちの取り組みが気になる方は、ぜひ次の機会にてお会いしましょう。

お気軽にどうぞ。お待ちしております〜!

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