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#10 『わらび餅』のチャネル的変化

2022年11月某日

軽自動車でロードサイドを走っているとパチンコ屋の駐車場に人だかりを発見。出玉の換金の行列かと一瞬目を疑ったが違った。行列の先には「わらび餅」の看板があり、老若男女多くの来店者が。これはと思い、行列に並んでみることにした。

しげしげとメニュー表を眺めていると、どうやらただのわらび餅ではない。「チョコレート」「ストロベリー」といったフレーバーのラインナップに加え、「わらび餅ドリンク」として、ほうじ茶や抹茶のドリンクも提供している。嗚呼、これはタピオカ的なあれか、と思いつつ試してみると、想像以上に美味しい。味の土台がわらび餅を中心に構成されているから、日本人好みの控えめな甘さで構成されている。「わらび餅」であるが故の「ミーハー性」「キャピ性」といった要素を薄まっており、老若男女(特に中年以上)は購入ハードルが下がっているのだろう。今後、ロードサイドを席巻する日も近いと思った。

思えば、筆者が幼い頃はよく近所の団地を「わらびもち~わらびもちだよ~」と拡声器で練り歩く移動販売車があったものだ。最近は見かけない。あのスタイルでのビジネスがどれほど潤ったのか想像できないが、ロードサイドにおけるわらび餅屋の着想のタネは、ああいうところから来ているのだろう。地方都市の皆が車で市内を練り動く状況に変化した外部環境下では、むしろわらび餅屋は移動せず、ロードサイドに鎮座するほうがチャネルとして合理的なのだろう。

ほなら。



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