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雨森れに
2021年11月15日 02:59
百合子はうつむき、机の下で人差し指を握って耐えていた。授業中も指が痛んで集中できない。痛みが頭まで揺さぶるように疼く。「斎藤さん、どうしたの?」「……」快活な百合子からの返事はなく、うつむいたままだ。担任教師の中野は顔をのぞいた。すると陶器のように白くなり、瞼をきつく閉じた顔があった。「やだ、顔色わるいじゃない。保健室行こうか?」小さい頭がこくりと動くのを確認して、中野は百合子