見出し画像

セブからSOS「長文です」

 世界最長のロックダウンが続いているフィリピン。元々、貧富の差が激しい社会構造。相対的貧困ではなく絶対的貧困。

 そんな社会構造を持つフィリピンで長期ロックダウン。これは貧困層にとっては最悪な事態。

 短期間のロックダウンでは政府から支給もあったと思う。搾取が横行しているので手元に届かない家庭もある。

 ロックダウンになる寸前に長期になる事を予想した私は3か月以上分のお米を備蓄するよう援助をした。

 しかしそこはフィリピン人、先を考えることが出来る人たちは少ない。援助した者に「しっかりと管理をしろ」と言ったのだが、親や姉妹、親戚は我慢しないで早々に食べてしまったのだろう。

「ローカルたちは、有るところに群がり貪るのだ、最近、噂の異常繁殖したバッタに例えるとわかりやす」

 援助を差し伸べたフィリピン人の思考回路は不思議なのだ。私が援助をすると、家族親戚(私は会った事もない)は私が援助するから大丈夫だと勝手に思い込む。そして普通の生活を我慢することがない。

 家族は物資がなくなっても、知人に対して「次の支援を頼めば良いじゃない」とお気楽なのだ。

 これがフィリピン人に全て取られて無くなると言われる由縁だろう。

 家族の為には、いろいろな嘘をつくことがある。正直に言えないのだ。根が真面目な日本人としては腹が立つ。嘘をついて援助が欲しいのか?騙すな?となってしまう。(支援を貪る家族・親戚の事を言えるはずもない)

 私は貴方たち家族の面倒を見る責任も関係もないのだが、そんなことも考えないローカルたち。結果、すべて神の恵みで片づける。「家族や親戚は援助者ではなく神に感謝するのだ」

 この家庭は大家族(未成年者だけでも赤ちゃん入れて8人くらいかな)働き手は二人から三人。もちろん今はコロナで無職、無収入。ロックダウン(コロナ)がなくても、毎月食べることはギリギリな家庭環境だった。度々、「ヘルプをしてきて少し度が過ぎる」しばらく援助しなかった。「自分達でやりくりしなさい」「考えなさい」「家族にも節約・我慢・支援があると思うな」という教育的考えも含んだ上でね。

 この知人に援助している理由は未成年者(一歳から高校生までの未成年者約8名に、お腹がすいた思いをさせない為である)爺さん婆さん、両親の為ではない、分かっているのかな?

 それから一か月半以上かな、どうにか持ちこたえたらしい。やれば出来るのだ。「家族たちも色々と奔走し苦労しただろう、いい勉強になれば有り難い」

しかし、限界は必ず来る。収入もなく、ご近所たちも渋り始める頃合いだ。フィリピン政府は何をしているのだと言いたくなる。

 そして久しぶりに連絡が来た。何だかそっけない感じがした。最後に「グッバイ」で終わる。これは貴方とは「さようなら」という意味合いだ。何らかの報酬や政府から配給、または他の人から援助が得られたと思った。

 日本の友達と「グッバイ」と言われた話を肴にしてお酒を飲み。どんな状況なのかを想像しながら、回避方法が見つかったのならそれでいいね。なんて話をしていた。

 そんな矢先、驚いた!!二日後には、「助けてくれ」と連絡があった。あの「グッバイ」は何だったんだ。。。

 ロックダウンの最中、瞼に麦粒腫が出来たらしい。もちろん写真付き。病院に行きたいから助けてくださいって。

画像1

 とにかく冷やす事、腫れが引くまで一週間ぐらいはかかると伝えた。彼女のSNSの投稿でビーチに出ていたことは知っていた。汚いビーチで細菌にやられたのだろう。話の中で、何気なく「お腹がすいている」という情報を入れてくる。

 なかなか、勉強してきたね。(運よく?悪く?嘘ではなく援助を求める理由が出来たのだ)

 アイシングの仕方や腫れは一週間程度かかると言っても、なかなか引き下がらない。話の最後にはクリニックや薬の購入費よりも「一日一食しか食べていない」「もう、お米がない」「水しかない」「早いうちに家族全員は死ぬ」という話に全面的に切り替わる。

 さすが、古いフィリピンを受け継ぐ純血セブアノ。一筋縄ではいかない。

 「私は、この時に食費を援助することを決めていたのだが、少し遊ばせていただいた」

 「ちょっと待って」「wait」という返信を私がする。何故か「wait」を伝えると私が折れたことを察する超能力みたいな力を持つ「純血セブアノ」

 これから「何を待つの?」「いつまで待つの?」と私がマウントを取られる。会話でマウントの切り替えは難しいのだが、回避方法は返信のレスポンスを10分ぐらいしないこと。

 これで、「なんで連絡くれないの?」「どうしたの?」「自分が期待できた援助は?」「受けられないかもしれない?」と、不安にさせるのだ。本当に私は人が悪い。

 その間にも「なぜ連絡がない!」「どうしてだ!」なんて連絡が入るが無視。

 この間に、送金の方法を考えているのですけどね。運悪く片田舎の別荘に来ているから送金はできない。どうしようか悩む、セブにいる信頼できる方だって今はロックダウン、収入も激減。立て替えてもらうのも忍びない。申し訳ないのだが、連絡をしてOKを得た。

 これで100%「いじりタイム」のお時間が始まる。

 SNSの返信に「わかった、食費をサポートします」と返信。滅茶苦茶早いレスポンス。「ありがとう」と連絡が来たが、私は別荘に来ていて送金できない。日本はお盆の連休でみんながお休みになっている事を伝える。

「いつ東京に戻る?」

私「土曜日になる予定」(やり取りは日曜日)

「私はあなたの言うことを何でも行います」「お願いします」

私「でも別荘にいたら送金できない」

「・・・・目のアイシングもします」(これには笑った)

私「日本は連休で皆、お休みの期間です」

「助けてください」「何でもします」

 これ以上はやはり可哀そう。

私「あなたも知っている、ミスター○○から送金していただきます」「すぐに連絡を取るようにしてください」

「シャイだから連絡なんて、、、何て言えばいいの」(背に腹は代えられないだろうに、何がシャイなのか、どんな思考回路してんだ!飲んでた水を少し吹いた。これがフィリピン人)

私「話はしてあるから、早くても送金は火曜日になると思います」「早く連絡してね」

 「ところで送金金額はいくらですか」(しっかりしているよね、本当に!!!)

私「○○ペソ」

 「ありがとう」「わかりました連絡します」(何故かローマ字でありがとうに切り替わる。

私「じゃあね」「気を付けて」「お金を受け取ったら連絡ください」

「わかりました」「私は貴方に必ず連絡入れます」「ありがとう」

後日

 「まだ送金されていないけど」

私「混んでいるのでしょう、フィリピンタイムのようにゆっくり待ってください」

「わかりました」

「お金を受け取りました」「ありがとう」

私「よかったです」「まだコロナは長くかかるから、貴方がしっかり管理しなさい」「子供たちをメインにしてください。大人はおかゆなどを取り入れて少しでも節約するように。食事を作る貴方の母親にも、しっかりと伝えてください」

「わかりました」「私はそうします」「本当にありがとう」

 これで、しばらくは餓死しないでしょう。本当に節約できるのかな?宵越しの金を持たない貧困層(お金が手に入るとすぐに使ってしまう)すぐに使ってしまうから、フィリピンは給与も月二回に分けて支払うと決まっている。

 

 本当にフィリピン政府、自国民を大切にしてきめ細かい配慮をしないと20年前のフィリピンに戻るよ。外国人からの支援を当たり前だと考えていたらダメですよ。

 フィリピンの超裕福層や裕福層(日本のお金持ちの比じゃない)の税金をもっと高くして自国の福祉・インフラに回してください。お願いします。

頂いたサポートはセブのチャリティーでお米の購入や貧困層の子供達に炊き出しとかに使わせて頂きます。お願いいたします。