東大文科合格までに買った参考書全レビュー 国語編
二浪して合格するまで実に大量の参考書を買った(使っていないものを含む)ので、そのすべてについて感想を書きます。どこかの誰かの助けになれば。
勉強法にも触れてあります。
この内容がすべての受験生にあてはまるとは限りません。現状のレベルと何を伸ばしたいかによって選ぶべきですし、究極的には書店で試し読みし、合う合わないを精査すべきです。
☆はおすすめ、◎○はある程度やったもの、・はそれ以外です。
現代文編 全8冊
☆得点奪取現代文
個人的MVP。早い時期に買って積んでいましたが、二浪時に使用。一浪目の河合で学んだ読解・解答法を確認し実践でき、過去問に着手するまでの橋渡しになりました。
結果的に過去問も前より遥かにマシな答案が作れるようになり、模試的なものでもうまくいき、国語の低得点を挽回して合格できた。
採点基準が細かく書かれており自己採点できる。これをもとに何が読めてなかったか自己点検することで、読解と答案作成両面の強化になります。(ある程度できるところからでないと空回りすると思う)
ただ、現代文の採点基準すべてに言えることですが、ん?と思う箇所もそこそこあります。読みに整合性が取れているならそれでいいと思うし、ツッコミを入れながら、どうおかしいか、どうしていらないか、など考えるのも力になると思う。
読み方を思い出し使えるようにしておくため、1周したあと2回くらい復習しました。小説の章は飛ばしました。
・銀の漢字
漢字に不安があったため購入。漢字が書けないと人によっては不安を引きずる羽目になるので、漢字は1点2点そこら以上の影響力があることもあるのではと思う。
これの書き取り部門くらいはすべて書けると良いのかなと思ったが、どの時期にも余裕がなく、やり通せていない。
・改訂版現代文キーワード読解
そもそもわからない単語があまりない。わからない単語が出てくるたびに意味を調べる癖があれば、わざわざ時間を割く必要はないと思う。なぜか買ってしまった。
ちくまから出ているものよりは標準的な内容で良いと思う。必要性を感じるなら良書。
・現代文の解法 読める! 解ける! ルール36
初期に購入。現代文の読み方がわかる本だとネットで読んで飛びついたが、中学受験国語レベルの内容だった。この程度はさすがにできており、役に立たなかった。
ターゲット層が違うだけで、適切な人が適切に使えば良書なのだと思う。
・入試現代文へのアクセス 基本編
初期に購入。上とセットで現代文ができるようになると見て飛びついたが、ちょっとレベルが合ってなかった。記号問題が多いのも東大的ではないです。
ただ、このシリーズは結構評判がいいですし、続いて発展編とステップアップしていけるので、ニーズに合えば恐らく良書。
・現代文と格闘する
初期に購入。いかにもいい感じの装丁。
小手先の技術を廃して本質を読み取ろう!みたいなことを謳っているわりには、線を引いたりカッコでくくったり、キーセンテンスを拾ったり、みたいな、小手先の工夫に終始している印象。
ただ、合う合わないの範囲であるように思う。合えば良書ではないか。
当初はルール36→アクセス基本編→格闘する(→過去問)で現代文は終わらせるつもりだったが、結局どれも使い切らず、対策は二浪目に持ち越す羽目になった。
・入試精選問題集 現代文
初期に購入?得点奪取の後にやるつもりで買ったが、記号問題が多く、ステップアップ先としては不適当。解説は詳しいっぽいので、私大とか受けるならやっていても良かったかもしれないです。
○赤本(過去問について)
赤本の解答例は各方面からボコボコにされてる印象。絶対視せず、各予備校の解答例も集めて比較検討した方がいい。
文章の解説を放棄し、何やら正当化しているのもいただけない。
ただ、いつでも引っ張ってこれる紙ベースの過去問があるのは便利なので、余裕があれば買っていいと思う。青本でもいいですが、駿台の解答例は一応ネットで読めます。
解答例に関しては、駿台の中野先生がサイトにあげてらっしゃるものもおすすめです。例によって、ん?となることもしばしばありますが。いずれにせよ絶対視すべきではないです。
現代文の過去問は10年弱ずつやりました。
古文編 全19冊
☆望月光 古典文法講義の実況中継
文法部門MVP。2巻あります。
古典文法が何もわかってなかったところからなんとか勝負できるレベルになった。
ただ、講義形式と関西弁が合う合わないあると思います。
辞書的な使い方はしづらく、一浪以降は河合のサブテキストをメインで使うようになった。ゼロからの取っかかりとしてはすごく役に立ってくれました。感謝です。
○望月光の古文教室 古典文法編 改訂版
初期に購入。上と同著者。内容は実況中継より平易で、薄いです。取っかかりとしてはいいかもしれないですが、受験古文を解けるようになるかというと微妙。
取っかかりとしては良いです。直接は役に立ちませんでしたが、これを読んで「古文いけるじゃん!」という気分になれたおかげで、後の勉強が続きました。
これより実況中継がおすすめです。
☆読んで見て覚える 重要古文単語315
定番の古文単語集です。結局これだけでなんとかなりました。
入試問題を解いていくと不掲載の単語に出会うこともありますが、そんなのどの単語集をやってたって同じです。頻出単語を確実に覚えている方が大事です。
ただ、それほど覚えやすいわけではないと感じます。語源などを大切にして編まれているのは特筆すべき点ですが、時間は有限ですから、単純に覚えるだけならば語呂で覚えるやつの方が良いかもしれません。
巻末に古文常識や文法がまとまったものもついており、人によっては活用できます。センス古めのダジャレとかも書いてあり、人によっては微妙かも。
・ステップアップノート30 古典文法トレーニング
・ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル
初期に購入。
問題を解いて暗記するというのが合わず、遠回りでした。文法書を読んで反芻する方が合っており、途中で投げてしまった。
何が合うかは人それぞれなので、合えば良書だと思います。
・速読古文常識
初期に購入。
読み物としては面白いですが、古文常識は何かといろいろな参考書にくっついてるので、あえてわざわざ買うものではないかなという印象。
時間があれば読み込んでもいいと思います。良書。
○得点奪取古文
初期に購入。
古典の記述では苦労しなかったので、あまりいらなかったです。読めれば書けるんだよなというか。読む方に難があった。
・入試精選問題集古文
やってないです……。
・古文上達
2巻あります。買いました。
文法の網羅性がちょっと微妙な感じで、定番参考書であるわりには……?という感じだった。よく読んでないので、今だったら感想が変わるかもです。
とにかく古文の掲載量が多いので、時間があって強くなりたいなら良いと思います。
○吉野のパワーアップ古文 読解入門編/完成編
和歌編もありますが、買いませんでした。
これを読んで、古文がそこそこ読めるようになりました。
ただ、取っかかりにはいいかもしれないけど、これだけだと限界が出てくる気がします。
☆古文解釈の方法
読解部門MVP。古文の底上げの必要性を感じ、二浪目で使いました。(しかし、本番の自己採点は6/30)
読解の原則と短めの実践用問題が載っており、試しながら定着させていけます。書き方がわかりづらく、読んでいくのにも苦労しますが、意味がわかってくると目からウロコが落ちるようでした。
ただ、最低限文法がうっすら頭に入ってるくらいでないと全くわからず空回りすると思います。
読み通していくと、世の古文読解法が要するにこういうことだったんだなとわかってきます(?)
◎古文解釈の実践Ⅰ・Ⅱ
上のドリル的なもの。「方法」を辞書的に確認しながら文章を読んでいくことで、古文の読解法をまあまあ身につけることができた。
ただし、全編やると重いので、解説が詳しい前半だけを触った。
☆鉄緑会古典問題集(2011〜2020)
一浪時に購入。古漢セットですが、まず古文に関して。
やたら長い解説がついており、引っかかりを逐一解消しながら読めるほか、解説を読むだけでも勉強になります。文法と単語も載ってますが見づらいため、別で補ったほうがいいと思います。
採点基準は厳しすぎるきらいがあると思う。参考程度に。
あと、異様に高いです。買い得る層がそもそも少ないうえ毎年出ているわけで仕方ないですが。版元がカドカワなので、年に一度のニコニコカドカワ祭りで半額図書カード還元のときに買うと安く済みます。中古で値段が落ちづらいので、売却前提なら高くはないです。
最近はkindleでも売ってますが、紙がおすすめ。電書がありなら過年度ぶんも単年度ずつ売ってほしいんですが……?
いるかなと思ってブックオフで2003〜2012のものも買いましたが、使わなかった……。
○赤本
古漢の過去問は10年ちょっとやりました。遡りすぎると問題形式が変わってくるので、他教科との時間の兼ね合いなども考えてそのくらいできていれば十分ではないかと思います。
その代わり、読解と答案作成の方法を確実に実践できるようにしておくため、確かな解説と採点基準を用意して、効果的な復習を定期的に行うと良さそうだと思います。
そんなわけで、お金に余裕があれば鉄緑会の過去問集をおすすめします。量的にもちょうどよいです。ただ、上述したとおり鉄のものは採点基準が厳しすぎるきらいがあり、解釈を絶対視するのも危険なため、さらにお金に余裕があれば赤本や青本も用意して比較できるとよさそうではあります……。
☆番外編 河合サブテキスト
非常におすすめです。当然市販されていないので、メル某などで購入できれば。
漢文編 全6冊
◎漢文ヤマのヤマ
初期に購入。
重要度の高い事項がさっぱりまとまっており、取っかかりから中腹くらいまではこれで事足りると思う。
一方で、頻出漢字などはもの足りないので、別で補う必要があり、これだけでなんでも解けるというわけではなかった。
浪人してからは河合のサブテキストが取って代わった。
・漢文句法マスタードリル
なんかマイナーなやつ。解いて覚えるのが合わず、放り投げてしまった。
やるとしても河合出版などの類書をおすすめします。
○得点奪取漢文
一応全部読んだが、記述対策という点ではあまり役に立たなかった。漢文は読めれば書ける面が大きく思われる。
・入試精選問題集漢文
使わなかった。
・漢文道場
文章が多く載ってていいと思います。
塾のテキストなどが使えない場合、文法書と過去問の間の橋渡しとしてちょうどいい分量かもしれない。やり込むのは過去問だけで十分かなと思う。
☆鉄緑会古典問題集
漢文は古文よりは採点基準がちょうどいいかなという印象。
関係ないですが、文系国語で理系と比べて増えるのは古文2問と漢文1問と随筆なので、配点は理系45-20-15文系45-30-20-25なのかなと思います。少なくとも40-30-30-20ではないと思う。
○赤本
☆番外編 河合サブテキスト
おすすめです。メル某などで購入できれば。
特に頻出漢字や語句の意味などはかなり重要なわりに十分にまとめてある参考書はほぼない(買った中にはなかった)ので、とても助かりました。
おわりに
私、参考書買いすぎ……?
参考書を大量に買うのは一般的に褒められないですが、どれも中途半端に触ってやった気になることがダメなのであって、すぐに損切りできれば問題ないと思います。
失敗しても講習に通うよりは断然安いですから、気になる参考書はドシドシ買って経済を回していきましょう!!嘘です。参考書コレクターにならないようにしてください……。
繰り返しますが、どう勉強するかは現状分析のうえで慎重に決めるべきであって、参考書もそれに合うよう集めるべきです。人の参考書レビューを盲信したり、参考書ルートなんかを過信したりするのはやめましょ。とはいえ、それが自分でできる人はそう多くなさそうなので、難しいですね……。
独りよがりでよくないレビューになったように思うので、適宜書き直します。では。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?