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僕の英語武者修行〜外資系企業(英語圏)で活躍するには(2)TOEICスコアに意味はあるのか?

前回、外資系企業で活躍するために求められる英語力の話をしました。結論を改めていうと、どれだけの英語力が求められるかはその企業の状況、自分の会社での地位や仕事内容によります。そして、日本で現地化している外資系企業か、そうでないのかで求められる英語力は異なる傾向にあると思います。僕自身のキャリアのスタートは全く現地化していない外資系企業でした。その当時の経験について共有させていただければと思います。

そこはアメリカの人材サービス企業で日本支社のスタートアップでした。メンバーは僕も含めて6人。日本人かつ英語が母国語でないのは僕一人でした。上司はシンガポール人、そして同僚はアメリカ人、インド出身のイギリス人、イングランド出身のイギリス人、スコットランド出身のイギリス人という少人数ですが全員の文化背景が違い男女比も半々でとても多様性に富んだチームでした。彼らの日本語のレベルはまちまちで、オフィス内での会話や文章はすべて英語でした。

その当時の僕の英語力はTOEICで890点でした。入社する一年半ほど前までカナダで一年間の語学留学したのですが、そのときに目標としていたのが、帰国時にTOEICで860点を取るというもので、めでたくその目標を超えたのでした。そもそもなぜそのような目標を立てたかというと、TOEICのレベルは下図のように定義されていて、860点を超えれば英語で仕事をして国際的に活躍できると思ったからです。

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Proficiency Scale TOEICスコアとコミュニケーションレベルの相関表より抜粋

この評価ガイドラインによると僕の英語力は当時すでに結構高かったと言えます。しかし実際、僕の英語力はこの会社で自分が納得できるレベルの仕事をする上で全く足りませんでした。しかしだからといってTOEICが全く意味がないとは思いません。それは次の理由からです。

・高得点=必ず活躍できる、ではないが、一般的な意味で英語ができるということを確実に意味する。

・より高いスコアを目指し学習することが、読解力、リスニング力、文法的に正しい英語を運用する力を網羅的に獲得することにつながり、それがさらなる成長への基礎になる。

・自分の英語の習熟度のある程度の目安になり学習の励みになる。

・履歴書にスコアが書ける。それによって英語での業務経験がない人でも何らかの英語力を採用企業に伝えることができ、より英語を使う環境で仕事をするチャンスが広がる。

・働く企業の選択肢に外資系企業が加わることにより選択の幅が大きく広がる。

しかし、当初のスコア目標を達成したものの自分が期待したほど自分の英語力は高くなく、日々フラストレーションを抱えることになります。それでは具体的にどのようなことにフラストレーションを感じたのでしょうか?

例えば社内のミーティングです。ネイティブの人たちばかりのミーティングではついていけていないのは僕一人です。そして僕がついていけていないということを表明しない限りは、誰もそのことに気づきません。当時の上司から、わからないことがあったら遠慮なくミーティングを止めて質問してよいという親切な言葉をもらっていましたが、実際本気で止めるとしょっちゅう止めることになりました。なので、最終的には都度止めるのではなく、わからないことをメモしておいて後ほど聞くことにしました。多くの良識ある人であればこのような状況に置かれたとき、最初からミーティングを止めないことを選ぶかもしれません。しかし結果としてミーティングを止めまくったのは良かったと思います。というのは、そうすることにより、僕の上司や同僚が僕の英語力が実際どのくらいなのか理解することができ、僕とどのように意思疎通をすべきか明らかになったからです。もちろん、これができたのは上司や同僚に包容力があり僕の中の心理的安全性が確保できていたからだと思います。彼らには今も感謝していますし、その後も彼らのほとんどと関係がつながっています。自分の英語レベルやミーティング中にわからなくて困っていることをきちんと伝えることが役に立ったケースは次の会社でも役に立つことになります。その時のことについては次回にお話したいと思います。どうぞお楽しみに!


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