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僕の英語武者修行〜外資系企業(英語圏)で活躍するには(3)フラストレーションこそ学びの素!

前回、英語力が足りないがゆえの会社内でのフラストレーションについてと、自分がミーティングについていけていないことを他の参加者に伝えることについて触れました。他にも英語力不足がゆえにフラストレーションが溜まる場面として外資系企業の中でよくあるのが、英語で行われる研修です。研修は新しいことを学ぶことが目的なので、内容は自分にとって初めて知ることが多いはずで、しかも英語もきついとなると脳のキャパシティを超えやすくなります。またわからないことへのもどかしさという感情が加わり、フラストレーションはマックスに達します。その研修の内容がさっぱりわからず、他の参加者にも迷惑をかけてしまうということであれば、自分と同僚の時間をムダにしてしまうので、参加を辞退するという選択肢も考えるべきだと思います。しかしながら、僕の基本戦略は「できる限り参加し続けフラストレーションを力に変える」です。なぜか?

それは英語の学習は筋力トレーニングと基本同じだと考えるからです。運動指導者であれば誰もが学ぶことの中に、トレーニングの3原理と5原則があります。時間があれば是非ウェブで検索してみてください。この原理原則は英語学習にもそのまま当てはめることができます。その3原理のなかに、「過負荷の原理」というものがあります。いつも同じ負荷で運動してもその効果は頭打ちになってしまいますが、適切な運動負荷をかけ続けることで筋肉は成長します。ですので、フラストレーションを感じたときには、まずはなんとか、これは成長機会なのだとポジティブに捉える努力をします。

カナダでの語学留学中に5週間のSubmarine Programmeというものに参加しました。ここでの経験は苦しくとも楽しく非常に効果の高いプログラムでした。プログラム中は大学の寮に泊まり込み、文字通り5週間完全に英語の海に潜り、一日24時間全く他の言語に触れずに過ごすというものです。食事は毎食必ず生徒数人にネイティブスピーカーの教師が一人という形で学生食堂の円卓で一緒に取ります。これは実際あったことですが、はじめは楽しく食事をしていた生徒のひとりが突然「もう耐えられない!」といって食器もそのままに席を立ってしまいました。残された食器を僕と先生で片付けているとき、先生がポツリと「これも学びのプロセスの一部なんだよね。」と漏らしたのを今でもよく覚えています。

しかしながら、耐えきれずに怒って席を立つ前にできることが僕はあると思います。それは自分がフラストレーションを感じていてそれに耐えきれなさそうであることを先生に伝えることです。人材サービス会社からグーグルに転職した僕はそこで新人研修を受けることになります。グーグルの人材採用チームはグローバルのワンチームで地域の特性を尊重しつつも業務運営はグローバルのやり方で行われるので、それについて細かく習う必要があります。トレーニングはすべて英語でした。トレーナーはとても聡明なイスラエル人で彼女はとても早口でした。研修は一日中行われるので最初の方は良いのですが、段々つかれてきて頭に入らなくなると、とてもイライラしてくるんですね。そこで僕は思い切って研修の合間の休憩時間に彼女に伝えました。僕がイライラしてしまうのは彼女のせいではなく僕の英語力不足のせいなのだけど、もしかするとちょっと耐え難くなってしまうから、そのときは中座することをどうか許してほしいと。このことを伝えたのは大正解でした。彼女はスピードを緩めてくれ休憩も少し多めにとってくれて、研修は無事に終了したのでした。

結局のところ、社内は仲間うちです。まともな会社であればコミットメントが高く一生懸命やろうとしていることは評価されるし、程度の差こそあれ、意思表示をすれば一緒に打開策を考えてくれると思います。フラストレーションが溜まるミーティングや研修を逆に成長のチャンスにする鍵は、ある程度自分が握っているのだと僕は思います。

たまに見るケースですが、ミーティングや研修で発言もせず、ただただそこにいるだけの人がいます。自分の英語力で他の参加者に迷惑をかけてはいけないという気持ちはとてもわかります。しかし、そこにいるだけだと思われることは自分の評価を下げこそすれ上げることはありません。特に外資系の企業ではミーティング中に発言して貢献することが求められます。意味もなくミーティングに出続けて時間を無駄にしている人と思われてしまうことは自分の評価を下げることになりかねません。途中でイライラして突然席を立つということもなんとか回避するべきです。ブロークンな英語でも頑張って発言するか、ミーティングの主催者に予め、自分は今日は黙っているが、きちんと聞いていて今後発言できるように努力する、という意志を伝えるのも良いことだと思います。

さて、社内はともかく本当に大変なのは社外の顧客との英語でのコミュニケーションです。特に彼ら、彼女らが日本のことを知らないとなるとなおさらです。このことについては次回に書きたいと思います。どうぞお楽しみに!



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