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本当にサッカーが上手いとはどういうことか。

このnoteを始めたとき
一番最初に書いた記事は簡単な自己紹介で
タイトルは『あちこち、あれこれ』というもの。

これ結構、自分のことを正確に表しているなと。


昔も今もずっと「あちこち、あれこれ」な感じで
それが楽しくて、心地よくもあるんです。

で、不思議とそれが
こうした文章の中にも表れるときがありまして。

ついこの間
大人になってから学ぶサッカーの本質とは
という大人気サッカーブログに寄稿した
自分の過去記事を読み返す機会があったのですが
「あちこち、あれこれ」過ぎて笑ってしまいました。

その記事は
何人かの執筆者が同じテーマで書くという企画で


「 本当にサッカーが上手いとはどういうことか 」


というタイトル。
ここにあらためて掲載してみようと思います。


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「 本当にサッカーが上手いとはどういうことか 」

というテーマでの執筆依頼をいただき
あれこれと思考を巡らせてきたのですが
どうにも考えがまとまらず、言語化もできない。

そんな状態のまま同じテーマについて書いた
久保田さんや岩佐さんの記事を読んだら
間違いなくそっちに引っ張られてしまうと思い
読みたい気持ちをなんとか抑えてきました。

でも、自分の考えがまとまることもなく
秋が過ぎ、冬が過ぎ、春も過ぎ、夏もほぼ終わりに。
そう、1年ちかくも時間が経ってしまっていたのでした。

9月に入り時間と気持ちにゆとりが生まれたので
よし、今さらだけどあらためて思考してみようと
コスタリカ産のコーヒーを淹れ
最近ハマっている音楽配信サービス「 Spotify 」で
ご機嫌なラテン音楽のコンピレーションアルバムをかけ
草が伸びきった我が家の庭をぼーっと眺めていると
「 ある光景 」が思い浮かびました。

サッカーと直接的には関係のないその光景。

けど、こんなタイミングで思い浮かんだのなら
そこに自分が無意識で感じている
「 本当にサッカーが上手いとは 」と
何かリンクしていることがあるはず。

書き始める前に
まずは最初にもらった執筆依頼のメッセージを
あらためて読み返してみることにしました。

すると、その日付は「 2017/09/03 」

これを書いてるのは「 2018/09/03 」

なんと、ちょうど1年前!これは何かある…

ということで
どんな結論に向かうのかは自分でもわかりませんが
ひとまず描いてみようと思います。

はて、どこに着地するのだろうか。


わたくし有坂は2017年の春
ずっと住んでいた東京を離れ
福岡県の糸島に移住しました。

糸島といっても島ではなく陸続きの半島
海があり、山もあり、食材にとても恵まれた土地で
米、パン、肉、魚、野菜、酒などなど
何をいただいても本当に美味しいのです。

そんな糸島に本店がある
「 牧のうどん 」という、うどん屋さん。



福岡県は
とんこつラーメンが全国的にも有名ですが
じつは、しっかり根づいた
うどん文化も存在しています。

関東では食べる機会の少ない柔らかな麺が特徴。
トッピングにはゴボウの天ぷらや
九州の甘い醤油で味付けをしたお肉が人気で
かしわごはんという炊き込みご飯とのセットが定番。

福岡には
有名なうどんのチェーン店がいくつかあるのですが
個人的に一番好きなのが、牧のうどん。

自家製麺やスープの美味しさはもちろんのこと
チェーン店らしからぬ大衆的な雰囲気
そして、働いている人たちに惹かれてしまうからです。

僕がよく行く本店は
カウンター席あり、テーブル席あり、座敷あり
ちょっとした離れもありという大きなお店で
働いている人たちの数も多いのですが
この人たちの仕事の出来るっぷり
さらにはチームワークが抜群なのです。

ホールの人は、水出し担当と
それぞれの席エリアによっての配膳担当が
キッチンの人は、麺ゆで担当、盛り付け担当がいます。
( もしかしたら他にもあるかも )

このそれぞれの役割をこなしていく
正確性とスピード感がとにかく素晴らしいのです。

注文して2~3分後にはうどんが到着しますからね…

でもその動きは急いでるというよりも
無駄がないからこそのスピード感、という感じで。

現在サッカー選手としてチャレンジしている
ウサイン・ボルトが言っていたこの言葉のよう。


「 速く走るためには
 速く走ろうと思わないことだ。
 スピードを保てばいいのに

 さらにスピードを上げようとしている。
 大事なことは
 トップスピードに乗ったらフォームを保ち
 スピードを維持することだ。
 多くの選手は、トップスピードから
 さらに速くなろうとする。

 それでは、速度にテクニックが追いつかず
 逆に遅くなってしまう。
 トップスピードに乗ったら
 それ以上は速くならない。
 だからといって “ その記録を超えよう ”
 と焦ってはいけない。

 速く走ることばかり考えて
 逆に遅くなる選手はたくさんいる。
 速く走ろうなんて考えるな。
 “ 自分の走りをすることだけ ”
 を考えたほうがいい 」


そして自分の役割以外でも
お客さんを案内したり、オーダーをとったり
会計をしたり、下げものをしたりと
臨機応変に次々と他の仕事もこなしていきます。

お客さんからの
「 すみませーん 」への反応スピードも最高で。

しかもそれらが他の人と決して重なることもなく
とてもスムーズなコンビネーションで
展開されていくのです。

1990年代前半のACミランや
グアルディオラ監督時代のFCバルセロナ
サッリが監督を務めていた時代のナポリ
を彷彿とさせる見事なまでのオートマティズム!

さらに精神的に張り詰めた感じがまったくなく
お客さんとニコニコ世間話をする余裕すらあるので
お店の雰囲気はあたたかくて、柔らかいのです。

心底思いました。


「 これがサッカーチームだったらめっちゃ強そう… 」


個として自立しているから。
で、それがごく自然と融合しているから。

自分が担当する作業の正確性とスピード感
お客さんと他の従業員の動きを感じ取る察知力
お店の状況に合わせてやることを変えていく対応力。

予測が立てづらいカオスな環境の中
自分の仕事を軸にしながら、周りとも協働していける。

ここにピタリと当てはまる
サッカー選手って誰だろうと考えたとき
真っ先に思い浮かんだのは “ イニエスタ ” でした。

自分ひとりでも違いを見せられるし
味方と協働できるレベルもおそろしく高い。

その昔「 グレイトフル・デッド 」というバンドの
ボーカリスト・ジェリーガルシアが
国や人種、時代を問わず熱狂的に愛される
「 ビートルズ 」をこう評していました。


「 友人のような音楽。それはすごいことだよ 」


そう、イニエスタって
「 友人のような選手 」だなと思うのです。
チームメイトみんなにとっての友人のような選手。

ものすごく楽しい遊び方を知っていて
それをさらりとやってのけワクワクさせてくれては
上手くできるようすぐ近くで手助けもしてくれる。

彼と一緒に遊んでいると、気づいたら
自分が上手くなってて、もっと遊びたくなってる。
それまで知らなかった楽しさや喜びも味わってる。

でももしかしたらチームメイトだけでなく
相手チームにとってもそうなのかもしれませんね。

対戦相手として一緒に遊んでいたら
「 そうきますか! 」というものを見せられ
遊びに最も必要な
想像力のスイッチを入れられたりして。

きっと世界で一番
一緒に遊びたいと思われている選手なんだと思います。

本当にサッカーが上手いとはどういうことか?

今の自分にとっての答えを
ちょっと強引に言葉で表すならば


「 友人のようなプレーができる、友人のような選手 」


イニエスタ以外だと誰になるだろ
ピルロ、シャビ、ダビド・シルバ、ブスケツ
アイマール、ベルカンプ、グアルディオラ
小野伸二、中村憲剛、名波浩、中村俊輔、とか。

あら、自分の好きな選手ばかり…

あ、そっか、もしかしたら
本当にサッカーが上手いとは?の答えは
それこそ人の数だけあって、で、それは結構
自分の好みとリンクしているのかもしれない。

みなさんにとっての自分の好みとは?
そして「 本当にサッカーが上手い 」とは?

ぜひぜひ考えてみてくださいね。

しかしまた、意外なところに着地したなぁ。

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よくよく考えてみたら、サッカーそのものが
「あちこち、あれこれ」なスポーツなんですよね。

だから、飽きっぽい自分が
小学校3年生の頃から今まで関わっていられるんだ。

これからもずっと
『キャプテン翼』のロベルトノートの
この思いを忘れずに関わっていけますように。


「 翼、なぜサッカーは
 こんなにも楽しいんだろう。

 世界中で、もっとも愛され
 親しまれているスポーツ、サッカー。

 おれが思うに
 それはもっとも単純で

 もっとも自由なスポーツだからじゃないだろうか。

 グラウンドに立てば
 監督からのサインなど何もない

 自分で考え、自分でプレイする。


 何にも縛られることなく。

 他の10人の仲間たちとただ一つ
 ボールを目指し戦うスポーツ、サッカー。

 サッカーは自由だ。

 グラウンド中央
 ボールを持ったらどうする、翼。


 何をしてもいいんだ。
 ドリブルをしても
 パスをしても、シュートをしても。

 何もしないで止まっていたっていい。


 パスだって
 前にも横にも、後ろにも、どこだってOK。

 それはドリブルだって一緒だ。

 翼、サッカーは自由だ。


 おれはそんなサッカーが大好きだ。

 だから、翼にも
 サッカーをやり続けるならば
 誰よりもサッカーのその楽しさを愛してほしい 」




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